[Data]
ハード:Dreamcast
メーカー:ゲームアーツ
発売日:2000.08.03
ジャンル:RPG
実勢価格:200~1,000円(中古価格)

評価:★★★☆

[Review] 2009.02.06

グランディアII

 SSでヒットを飛ばしたRPG・グランディアのシリーズ第2弾。フィールド画面・戦闘画面はすべてフルポリゴンで、圧倒的な表現力はさすがといったところ。

 千年前に起こったと言われる光の神グラナスと闇の邪神ヴァルマーの戦いが伝えられる世界。ジオハウンドと呼ばれる何でも屋をこなす主人公のリュードが、グラナス教会の歌姫エレナの護衛を頼まれたことから、グラナスとヴァルマーの戦いの真実・そして世界を覆う巨大な闇との戦いへと歩を進めてゆく。
 ストーリーが正直かなり重いメッセージ性の込められた内容になっているが、ゲームそのものは難易度が非常に低く、ストーリーを前面に押し出した作りをしている。
 秩序と自由を深く考えさせるストーリーは良く考えたなとは思う(グラナス教のエレナとヴァルマー側のミレーニアを同じ体に同居させるような内容にしたのも面白い)が、最終的に語られる「人を信じることが一番の力」というところにたどり着くまでがちょっと長い。最後の最後に希望が見えてくるまでの展開はかなり暗いと言わざるを得ず、好みは大きく分かれそうな内容ではある。

 キャラクターは全体的にうまく特徴付けられており、個性があって良い。エレナ・ミレーニア以外の主要キャラに関しては自分自身の過去に向き合うことになったり、存在価値を探すことになったり…とそれぞれにスポットが当たるようになっている。この辺もストーリーが好みじゃなければキャラ全般的に好みから外れる気はするんだが。逆に、主役級以外のキャラはちょっとおざなりかなと。特にシレーネとか…。すごい登場の仕方する割には大した説明もなく。

 育成については、各キャラ固有の必殺技が技ポイントを使っての強化。能力値アップなどのスキルと魔法については、魔法はマナエッグを呼ばれる装備品を、スキルはスキルブックを育てて各キャラに装備させることで使える仕組みになっている。マナエッグを変えれば誰でも魔法が使えるので自由度が高い反面、没個性にも繋がるかなーと。
 しかも、エレナやミレーニアはもともとのキャラクターがあるので、例えば普通にプレイしていてエレナに攻撃魔法中心のマナエッグをつける人はそうそういないだろうと思う。そう考えると、キャラによって使えるマナエッグを制限しても良かったのでは?と思わなくもない。

 前作もそうだが、グランディアって基本戦闘のシステムにかなり重きをおいていると思うんだが、今作でもその姿勢に変わりはない。攻撃態勢に入ってからのキャンセル・カウンターなど、ある程度戦略的な戦闘ができるようになっているのはさすが。楽しく戦えると言った意味ではほかのゲームにはない要素だと思う。
 まあ、せめてコマンド選択を飛ばせるか、コマンド選択中も敵味方のゲージが動き続けるようなモードでもあればもっと面白かったかもな、とは思う。FF4で言うところのウェイトとアクティブみたいなもんかな。

 魔法のエフェクトについて。これだけポリゴンですべてを表現出来てるのに、なぜムービー挟むかな…っていうところはある。ミレーニアの「堕天の翼」に至っては、ポリゴンミレーニア→ムービーでのアニメ的なミレーニアに切り替わるあたりが違和感たっぷり。あの部分くらいフルポリゴンで出来なかったもんだろうか。
 あと魔法のエフェクトは全体的にかなり長いため、戦闘時間の間延びに繋がってる部分もある。これが最上位の魔法だけならまだいいが、このゲームの場合初期からある魔法(ライガ・ヒューイなど)から長い。もうちょっと考えたほうが良かったかも。

 進行は完全な一本道で寄り道などの要素はほとんどない(スペシャルステージくらい)。まあそれはそれでいいんだが、ダンジョンの仕掛けがちょっと手抜きくさかったのだけが残念。いろんなダンジョンに数々あるのだが、ほとんどが目の前の通れない通路を通すためだけに置いてあるものばかり。自分のいる場所と関係ないところが動くような頭を使う仕掛けは最後の最後、神々の生地以降のダンジョンしかない。

 最初にも書いたが、難度は非常に簡単。技・魔法・スキルの強化さえ怠らなければ、まず全滅する危険はないと言っていい。内容が一本道なので次にどこへ行ったらいいか迷うこともないし、ダンジョン内のボス戦前にはほぼ必ず全回復が可能なセーブポイントまである。
 シンボルエンカウントのためダンジョン探索もしやすく、軽く探索して宝箱さえ取り逃さなければ、中盤以降店を使うことすらなくなる(武器防具が大半ダンジョン内で手に入るため)。

 リュードとエレナ・ミレーニアの三角関係はどうなるんだ?と思ってたんだが、ちょっと消化不良気味…。難点もいろいろ挙げたが、いいゲームでしたよ。どうも初代と比べて評価が低いように見受けられるが、初代との差ばかりが目立っているような印象で、このゲームが悪いのかと言われればそういうわけではないと思う。