[Data]
ハード:FAMILY COMPUTER
メーカー:任天堂
発売日:1983.12.07
ジャンル:スポーツ・野球
実勢価格:50~150円(中古価格)

[Data2]
ハード:Wii Virtual Console
配信日:2006.12.02
価格:514Wiiポイント

評価:★★

[Review] 2014.11.25

ベースボール

 ファミコン初の野球ゲームであり、スポーツゲームとしてもファミコンソフト史上初として登場した対戦型野球ゲーム。ゲームメニューにはCPUとの対戦モードと対人戦モードの2種類がある。登場チームはセ・リーグ6球団で、パ・リーグはなんと6球団全て省かれている。後のファミスタでさえいくつか省かれていたくらいだから、当時のリーグの人気関係を端的に表すものとも言えそうだが。容量の面で考えても仕方なかったのかもしれないけど、それにしてもかわいそうなパ・リーグ。

 選手に名前などはなく、能力値が変わったりもない。投手・野手それぞれに左右の区別はあるものの登場は完全ランダムとなる。スタミナもないし、選手交代などの要素もないので、野球盤をそのままゲームにしたもんだと思えばいいだろう。チームに愛着がある人は自分の心の中でいろいろと補完が必要だ。

 球場全体を上から見下ろすような視点で、後のファミスタなどのような投球画面と守備画面の切り替えなどはなく、全体視点のみですべてを動かすことができる。バッティング・ピッチング・塁への送球が可能で、捕球するまでの守備は全自動のため自分で動かすことは出来ない。そのほか、塁上のランナーを盗塁させることが出来るほか、ピッチングの際には牽制球を投げられるようにもなっている。
 対戦する以外の部分をほとんど削減している割にゲーム内容本編には最低限必要な部分は意外と詰め込んである印象で、ROMの容量が192KBitと非常に少ないながらも使い方がうまいのかな、という気がする。
 十字キー4方向での塁指定やボタンのタイミングによるバッティング・投球中に方向キーを押すことによる変化球など、後の野球ゲームに搭載されている要素が一通り揃えてあるというのは、やっぱりすごい。

 バッティングはバットを振るだけ。バットを途中で止められるのでバントみたいなことも出来る。ボールの飛ぶコース(パターン)が多いが総じて打球がものすごい速いことが多いため、ライトゴロや場合によってはセンターゴロでアウトになってしまったりするのが面白い。
 ピッチングはコースとボールの速さを変えられる。高さの概念がないのでフォークボールみたいなボールは投げられないが、3種類の緩急と左右のコース分けが出来るので三振は取れるし、タイミングを外して討ち取ったりといったことも出来る。

 守備はオートなんだけど、どう考えても内野ゴロのボールを避けて外野に転がしたりとか、フェンス直撃のボールのクッションボール処理がめちゃくちゃで無駄に進塁させてみたりとか、とにかくまともな守備になっていない。ここが自分で動かせるorもうちょっとマシな守備だったら対戦がもっと盛り上がっただろうとは思うが、アホ過ぎて笑って許せる部類(グラフィックによるものも多いんだろうけど)でもある。

 Wiiのバーチャルコンソールでも登場するくらいのタイトルだが、野球ゲームは名作がファミコンでもいっぱい出ているんだし、500ポイントを払ってまでプレイする価値があるかと言えばそういうわけでもないと思う。今プレイするならあくまで懐かしさに浸る、そんなゲームのようには思うんだけど、たまーにあのタイトルの音楽を無性に聴きたくなる、そんなシンプルな魅力も。