[Data]
ハード:Nintendo GAME CUBE
メーカー:ナムコ
発売日:2003.03.27
ジャンル:格闘アクション・3D
実勢価格:250~500円(中古価格)

評価:★★★★☆

soul_calibur2_04

soul_calibur2_05

soul_calibur2_06

soul_calibur2_07

[Review] 2012.12.11

ソウルキャリバーII

soul_calibur2_01 soul_calibur2_02 soul_calibur2_03

 ナムコの剣劇格闘アクションシリーズ「ソウルキャリバー」の第2作で、ソウルシリーズとしてはエッジ・キャリバーに続いて3作品目。家庭用ではこのゲームキューブ版に加えてPS2版・XBOX版と3作同時リリースされ、それぞれのハードにしか登場しないゲストキャラクターを参戦させたことでも話題となった。
 このゲームキューブ版では、「任天堂と言えばこれ」ということで、ゼルダの伝説シリーズの主人公「リンク」が参戦。まあ、任天堂のキャラクターで剣を扱うキャラ自体少ない(というか他に思いつかない)ので、順当な選出と言うべきか。PS2版は鉄拳シリーズの三島平八・XBOX版はスポーンが参戦。平八に至っては武器使わないでしょって感じだが。
 デフォルトのキャラクターとしては、カサンドラ・ユンスン・ラファエル・タリム・シャレード・ネクリッドの6名が新キャラクターとして参戦、ソンミナ・ソフィーティアは隠しキャラクターとして登場する。

 前作で8WAY-RUNをはじめとしたさまざまな要素を加えて一通り完成を見た作品なので、今作は前作の良さはそのままに、細かい要素を追加した形となっている。一番の目玉となったのは縦斬り・横斬り・8WAY-RUN(走り)にそれぞれ有利不利を設けた「3すくみ」と呼ばれる要素で、 縦斬りは横斬りを潰すことが出来る→横斬りは走りを潰しやすい→走りは縦斬りを避けやすい…という内容。
 この3すくみで最も被害(?)を受けたのは縦斬りと思われ、縦斬りの攻撃範囲や追尾性能が前作と比べて大幅に低下しているため、ちょっと横に歩かれただけで縦斬りが当たらない。あと、3すくみの”横斬りを潰せる”というのも、どうやらタイミングがシビアなようでほとんど発動せず、狙って出せるようなものではないので意味がない。逆に走りに関しては、構えながらの走り(横移動)が出来るようになったりと大幅に性能向上。
 今までは縦斬り系の技がかなりの強さを誇っていたのでこの調整は悪くないと思うのだが、空中に打ち上げる技が縦斬りの技に多いので、結果的に空中コンボの必要性が前作以上になくなってしまったような印象はある。ともかく、せっかくの8WAY-RUNをうまく使うという意味ではいいバランスなのかもしれない。

 ソウルエッジでは「エッジマスター」・前作キャリバーでは「ミッションバトル」と続いた家庭用オリジナルの隠し要素集めモードは「ウエポンマスター」モードとして今回ももちろん登場している。ステージごとに決められたミッションをこなして進んでいくというのは今までのシリーズ同様なので、シリーズ経験者であれば特に違和感なく始められるうえ、ミッションを進めていくごとにゲームのシステムを一から覚えることが出来るという仕組みも健在で、親切な作りには好感が持てる。
 今作初登場の仕掛けとして「ダンジョン」がある。マップ上の升目を一つ一つ進んで探索していくものだが、升目のすべてでバトルを必要とするのはちょっとやりすぎだと感じた。最初はいいとして、終盤のダンジョンになると一本道な上に20以上のマスで戦う羽目になり、当然ながら中断してワールドマップに戻ると最初からやり直し。会話イベント挟むとか、アイテム入手挟むとか、戦う以外のことが出来ればもっと違ったと思うのだが。
 そのほか、初代「エッジ」以来の武器集めが復活。ミッションをこなすことでもらえる”Gold”で購入することが出来る。1キャラにつき11種類×19名で計201種類とかなり多いのだが、手に入れる方法がほぼショップでの購入でしかないため、武器を集めることがショップで一つ一つ選んで買うだけの作業と化してしまうのが残念だった。あとソウルエッジまで買えるのはどうかと…
 武器に関してはもうひとつ、エッジのときのようなパラメータ表示があっても良かったのではないかと思う。今作では武器に説明文があるだけで効果がわかりにくく、どうにも使い分けしにくい。イロモノもあって面白いんだけど。

 そのほかのゲームメニューについては、アーケード・タイムアタックにチームバトル・サバイバル・演武鑑賞・武器鑑賞などなど、前作に負けない数多くのメニューを用意している。前作のインパクトがあまりに強かったとは言え、グラフィックももちろん強化され、前作のいいところはほぼそのままにバランス調整が図られた素晴らしい作品と言える。
 ハードの性能を単純に考えると、PS2版よりもXBOX版とこのゲームキューブ版のほうが画質としては上になるはずで、ハードを所持しているのであればこちらのほうがいい…と言いたいところだが、ゲームキューブ版についてはコントローラ(特にABXYボタン)がちょっと不利に働いている感がある。ボタンの大きさが違うこと・ボタンの距離が一定ではないことが意外とプレイに影響する。まあ、それだけPS系のコントローラに慣れてしまったことの証明かもしれないが…