[Data]
ハード:Megadrive
メーカー:セガ
発売日:1993.01.14
ジャンル:ベルトスクロールアクション
容量:16MビットROMカセット
実勢価格:2,000~4,000円(中古価格)

[Data2]
ハード:メガドライブミニ
発売日:2019.09.19
HP:メガドライブミニ公式

評価:★★★☆

[Review] 2019.10.10

ベア・ナックルII 死闘への鎮魂歌

●プロローグ
 かつてこの街を、暴力と犯罪の支配から解放したアクセル、アダム、ブレイズ…。しかし、彼らによって倒されたはずのシンジケートが、今、再び亡霊のように蘇り、アダムを拉致して3人の抹殺を宣言する。

 「たとえ、どんなワナがあろうとアダムを助ける!」
 こう決意したアクセルたちの前に心強い味方が現れた。プロレスラーのマックスとアダムの弟、サミー。

 …友情と平和をかけた果てしない死闘が始まった。

●概要
 セガが1991年にメガドライブで発売したベルトスクロールアクション「ベア・ナックル」のシリーズ第2弾。初代の4Mカセットから今回は4倍の容量の16Mとなり、グラフィックの大幅向上などが図られた。音楽は古代祐三氏で、制作も古代氏が代表取締役を務めるエインシャント社が担当した。

●基本操作
 Bボタンの攻撃・Cボタンのジャンプ・Aボタンの必殺技と操作系は極めてシンプル。必殺技は各キャラ2種類あり、敵に当たった時だけ体力が減るものと出しただけで体力が減るものの2種類。ほか、→→+Bで各キャラの固定技(大技)が出せる。必殺技や大技は攻撃のモーションをキャンセルして繋ぐことも可能。

●癖の少ないアクション+アクセントの技
 シンジケート相手に街の様々な場所を戦いの舞台にするというこの空気感、(参考にしたと公言しているようだが)ファイナルファイトそのままという感じだけど、そこに各種の技が加わることによって新たな爽快感を生み出すことに成功している。通常攻撃からそのまま技に繋げるなどの格ゲー的な要素も加え、従来のベルト系アクションとの差別化も行った格好なのかな。
 技に癖がなく、4人のプレイヤーキャラの誰を使ってもそれなりに動かせるというのも良い。もちろん初心者向け・上級者向けというのはあり、固定技がとんでもない強さのアクセルと武器を持たせたときのリーチの長さが強いブレイズが比較的初心者向けにはなっている。一通りやってみた感じだとサミーが攻撃力のなさで一番辛いかもしれない。

 アクセルについては、固定技のグランドアッパーがあまりに強すぎてそれだけである程度ごり押しできちゃうほど。やりすぎ感がなくはないが、初心者でもある程度進めるorクリアできるという目線で考えると、難易度設定が出来ることも含めて間口を広くしたと言えるのかも。

●幅広い難易度設定
 上の項で述べた通り難易度設定が可能で、難易度を変えたことによってのステージ制限などもなくフルステージ遊べる仕様。後半になると素早く動き回る忍者系の敵や空を飛び回る攻撃を当てにくい敵も多くなってくるので、序盤をやってみて苦戦するなと思ったら難易度をEASYに下げて一度クリアまで持っていくのがオススメ。

●音楽
 音楽は古代祐三氏。ファイナルファイトがこの手の始祖として絶大な人気を誇る理由の一つに音楽もあると思っているのだが、今作の音楽はそれに匹敵すると言ってもいいくらい質の高いものが揃っている。全体的にハウスなどのクラブミュージックっぽいものが多く、合う人にはとことん合うサウンドではないか。
 stage1-1の「Go Straight」から始まり、2-1「spin on the bridge」、3-1「Dreamer」、2-2/3-2の「Ready Funk」も7-1「Back to Industry」も良い。メガドライブのFM音源を活用したキャッチーで耳に残るサウンドは必聴の部類。

●総評
 この時期は同じような数々のベルトスクロールアクションが出ているが、動きの癖のなさと高品質な音楽、他機種の作品を含めた全体でも上位に来ることは間違いない。メガドライブミニの各作品の中でもプレイしやすいタイトルの一つかと思う。