[Data]
ハード:Megadrive
メーカー:セガ
発売日:1989.12.23
ジャンル:ベルトスクロールアクション
実勢価格:2,000~3,000円(中古価格)

[Data2]
ハード:メガドライブミニ
発売日:2019.09.19
HP:メガドライブミニ公式

評価:★★★

[Review] 2019.10.08

ゴールデンアックス

●プロローグ
 古の時代、闇の世界より現れた巨人族は大いなる神々に戦いを挑んだ。両者の力は均衡しており、戦いは永遠に続くかと思われた。だが、戦いは突然終わりを告げ、巨人たちはその力を封じ込められ、再び闇へと追いやられた。戦いを終焉に導いたもの。それは、地の神が命を込め、鍛え上げた一本の斧”ゴールデンアックス”であった。

 長い時がたち、地上には神に代わり人間が台頭していた。ゴールデンアックスもすでに神の手を離れ、人間によって治められていた。悪しき巨人の生き残りの1人、デス=アダーは人間をだまし、これを奪った。
 闇の力は解放され、再びこの世は地獄となった。物語はこれから始まる………

 デス=アダーによって王城が乗っ取られ、この地から平和の光は失われてしまった。あなたに課せられた使命は、デス=アダーを倒し、囚われている王様とお姫様を助け出し、一日も早くこの地に平和を取り戻すことです。

●概要
 悪しき巨人の末裔デス=アダー軍に家族を殺された3人の男女が、デス=アダーに復讐するため彼の支配する地に赴く。セガがアーケードでリリースした同名作品をメガドライブに移植した。アーケード準拠の「ARCADE」モードに加え、操作に慣れるための練習用モード「BEGINNER」、デス=アダー軍兵士たちとの勝ち抜き戦を行う「THE DUEL」の3つのモードがある。

●基本操作・キャラクター
 ファイナルファイトなどでおなじみ、縦軸移動のあるベルトスクロールタイプのアクションゲーム。方向キー2度押しでダッシュが出来るほか、ダッシュ中攻撃ボタンで体当たり/飛び蹴りが出せるのが同ジャンルの他ゲームとは違う点。道中シーフが落とす魔法の壺を手に入れることで、画面全体に攻撃判定を及ぼす”魔法”が使える。魔法は魔法の壺をたくさん取得するとレベルアップし威力が増加する。

 キャラは3名で、通常攻撃と魔法攻撃のバランスが良いアックス・通常攻撃が強いドワーフのギリウス・魔法を得意とする女性キャラのティリスから選択する形。
 3名とも一通り使ってみたが、通常攻撃のギリウス・魔法攻撃とダッシュからの跳び蹴りが強いティリスが強く、バランスが良いという触れ込みのアックスが中途半端な位置付けに感じる。個人的には飛び蹴りの跳躍範囲がやたらと広いティリスの使いやすさが際立ったが、3人ともそれほど癖のある動きではないので慣れは早いのではないかと。

●癖ある軸移動と通常攻撃
 他のベルトアクションと比べると軸合わせが難しい印象で、ちょっとでもずれていると攻撃が当たらない。敵の攻撃も同様でちょっと縦に軸をずらすだけで敵の攻撃を避けることも出来るので、この仕様に慣れれば被ダメージはかなり減らすことが出来るようになるだろうと思う。問題は攻撃をしっかり当てられるかどうか。後半の敵はこちらの攻撃より先に自分の攻撃を巧みに当ててくるので、ジャンプ切りやダッシュ攻撃でどんどん転ばせて周りの敵を減らし、1vs1の状況に持っていくことが重要になる。

 通常攻撃は3~5回攻撃のコンボとなるが、同じ場所にとどまって攻撃し続けるとすぐ敵キャラに後ろに回られて前後からボコられるので、結果通常攻撃の使い勝手が一番悪い。中盤以降はほぼジャンプ切りかダッシュ攻撃で進んだほうが圧倒的に安全。

●アーケード版との比較
 グラフィックはさすがに大分及ばず、演出もかなり削減されている。アーケードでは奴隷のように働かされていたり牢に閉じ込められていたりする一般民を助け出すことも出来ていたが、そのあたりはごっそりなくなってしまってステージ間の演出は寂しい感じに。ただ、魔法演出などはかなり頑張って再現している。
 グラフィックは上記の通りだが、操作感はほぼアーケードのままと思われ違和感は非常に少ない。全体的にみると、マシンスペック上及ばないところがあるのは仕方ないにしろ、よく頑張った移植という評価にはなるのではないだろうか。

 他、家庭用オリジナル要素として、デス=アダーを倒した後に追加ステージが用意された。そこで出てくるボスがデス=アダーの色違いのデス=ブリンガーという敵だが、こいつだけはめちゃくちゃ強い。こちらが攻撃を食らって倒れるとそこに確定で魔法攻撃を追加してくるという鬼性能で、こいつだけでコンティニューをフルで使い倒す羽目になった。

●総評
 1周クリアまでおおよそ20~30分と短いのでささっとプレイしやすく、長時間集中が続かないよ…という方でも飛びつきやすいゲームバランス。たまに思い出したように1周通してやりたくなるような、そんなしっくり感のある作品。
 音楽をストップしてまで響き渡る敵の断末魔など妙なこだわりも光る。ああ、さすがセガだなあ、と思う次第。