[Data]
ハード:PCE SUPER CD-ROM2
メーカー:ナグザット
発売日:1993.03.26
ジャンル:アクション
実勢価格:1,000~9,000円(中古価格)

評価:★★

[Review] 2009.04.03

フォーセットアムール

 邪教「ホーリーキャスク」を倒し姉のミリヤを救うため、主人公の女の子「コルク・ランス」が聖なる二節棍を手に戦う、オーソドックスな2D横スクロールアクションゲーム。

 ダメージを受けると鎧が剥がれ落ちて下着姿になり、下着姿でダメージを受けると素っ裸になって死亡するという、カプコンの名作アクションゲーム「魔界村」とまったく同じライフシステムを採用している。ドットグラフィックとは言え、素っ裸の女の子が普通にゲーム中登場するというあたり、なんだか昔のゲームはさすがだなぁ、と思う。
 鎧がはがれるのがアーサーおじさんなのか女の子になるのかで見方は大きく変わるよな。結構単純な発想だとは思うんだけど。魔界村のおっさんを女の子にしたらいけんじゃね?みたいな。
 あと敵側のボスもみんな女の子で、これまたらしいなーと思うところ。ボス戦前後には音声が入ったりムービーが入ったりもする。チョイエロとまでは行かないが、それなりにギャルゲー風味。

 IボタンでのジャンプとIIボタンの攻撃が基本だが、ジャンプ中にもう一度Iボタンを押すことで二節棍を斜め上に出すことができ、足場や天井に引っ掛けることでぶら下がったり、そこからジャンプしたりといった動作が可能。ぶら下がり中にIIボタンで無敵を伴う回転ジャンプが出せる。ジャンプ中Iボタンで二節棍が斜めにしか出ないということさえ頭に入れておけば、すぐに覚えられる操作だろう。そのほか、ジャンプ中に↓+IIボタンで回転攻撃・緑/青/赤の紋章を取ると色ごとに異なる飛び道具を出すこともできる。

 ステージは全7ステージ。ほぼ2ライフ制みたいなもんなので難易度高めかと思いきや、慎重に進めばさほど難しくはない。「相当難しい」と聞いていたのでかなり身構えたが、敵の配置がわりと易しく数も多くないのが救いになっている。

 気をつけたいのが赤い宝石で、3つ集めないとボス戦にたどり着けない。ボス戦だーと思ってリフトに乗ったのに、なぜかステージ最初に戻されるという、なんだか説明が難しいギミックが用意されている。まあ出てくる敵を殲滅していれば問題はないんだが。初プレイの時の俺ですら一度もやり直しにならなかったんだから、普通にプレイしていればほぼ問題ないだろう。

 ボス戦はそれなりに難しく、特に後半3ステージくらいのボスはかなりの強さ(特にステージ5の4人衆は対処法わかるのに相当費やした)。ステージ各地に1UP(残機アップ)がかなりの数あるため、ゲームオーバーにまでなるということは少ないと言っていいだろうが…。あとほとんどのボスがパターンが完全に決まっているか攻撃ごとに安全地帯があるという易しいつくり。何回か死ねば慣れてくるくらいのレベル。

 全体的な印象としては、思ったより楽しめるという感じ。歩くのが遅くてなんだかなーとは思うが、二節棍を利用しての回転ジャンプはかなりスピード感もあって無敵もつくことからさくさく使うことができるし、全体的なキーレスポンスも悪くない。

 残念なのは、せっかくの二節棍を使ってのぶら下がり・回転ジャンプを使う場面がそれほど多くないという点。まあ使おうと思えば使える場所はあるのだが、実際使わなくても何とかなってしまう場面が多く、ボス戦に至ってはまったく使わない。ステージ5のように上に登っていくようなステージでは、この回転ジャンプをうまく使うことで相当簡単にできる。いいシステムなんだから、他のステージでもこのオリジナリティをもっと出してもよかったのでは?と思う。

 歯ごたえのあるという内容ではないが、全体的に丁寧な作り。もともとの出荷量が少なかったせいか、今ではかなりのレアソフト。中古だと2000円くらいで買えるところから10000円するところまでさまざまだが、今更になって大金出してまでプレイする内容ではないと思う。安く買えるなら。