[Data]
ハード:PCE CD-ROM2
メーカー:ハドソン
発売日:1989.12.21
ジャンル:アクションRPG
実勢価格:800~3,000円(中古価格)

[Data2]
ハード:Wii Virtual Console
メーカー:ハドソン
発売日:2007.10.16(配信日)
ジャンル:アクションRPG
価格:800Wiiポイント

評価:★★★★★

イースI・II

 パソコンから始まって多数のハードに移植されたイースシリーズの第1作・第2作をカップリングして1つのソフトとした、PCエンジン CD-ROM2最強タイトルとの呼び声も高いアクションRPG。
 CD-ROM2が出たころって確か俺小学1年か2年くらいだったはずなんだが、スーパーファミコンが25,000円とか言ってる時代にPCエンジン本体+CD-ROM2ユニット合計で8万円もするというのは貧乏家庭な我が家には難しい問題だった。ので手に入ったのが相当後。リアルタイムで体験したかった…
 Wiiのバーチャルコンソールでも配信が開始されており、800円でダウンロードプレイが出来るようになったので、今プレイするならぜひこちらを。実際ソフトは800円あれば買える場合もあるんだけども、何せ本体側が…

 イースシリーズ自体もプレイしたのはこれが2作目と暦が浅くて、1作目がSFCのイースIV。個人的にはかなり好きな作品だったので他のシリーズ作品もやってみたいなーとは思ってたのだが、IIIはSFCでも出ていたがIやIIはファミコンくらいしか手に届きそうになく、しかもファミコン版は他とかなり違うという話もあったので手を出せず、今に至ると。そんなどうでもいい前置きはいいとして。

 赤髪の青年騎士アドル・クリスティンの最初の冒険。IとIIはストーリー的に完全に繋がっていて、今までの作品であったIのエンディングがなくなり、Iのストーリー終了からすぐにIIのオープニングに進む。このあたりは賛否両論あったみたいですね。当時の状況は知る由もないけれど。

 当たり前の話だが、それまでのカートリッジメディアと比べて容量は格段に違っていた。出たばかりのSFCでこの当時大体8Mbit(1MB)くらい、CD-ROM2は540MBだから、何倍とかそういうレベルの話ではなかったわけだ。
 イースI・IIでは(というか大半のCD-ROM2ソフトは)、その莫大な容量をまず「音」に込めた。全曲の半数近くを高音質なCD-DA音源(音楽CDとしてプレイヤーで再生も可能)に、イベントシーンでは声優による声が割り当てられるなどしており、ここにどれだけの容量を使ったのかは知らないが、かなり豪華に使用していたと思う。

 そのCD音源に関しても、当然元曲がダメならいくら音質をきれいにしたところでダメなのだが、当時日本ファルコム所属の米光亮氏の見事なアレンジによって、曲だけで充分聞けるほどの高品質なサウンドに仕上がっている。神殿内の曲「PALACE OF DESTRUCTION」やダームの塔「TOWER OF THE SHADOW OF DEATH」、IIではムーンドリアの廃墟「RUINS OF MOONDORIA」やサルモンの神殿内「PALACE OF SALMON」など、CD-DA音源は名曲揃い。
 残り半数はADPCM内蔵音源を使った音楽。当然音色などでCD-DAとの違いが出るのは明白。しかしミネアの町を初めとして、結構重要な場面でも普通に使っている上、CD-DAとの違いを見せないように?かなりがんばっている。うまく味を出しているというか。

 声優による音声も適度で良い。さすがに今聞くと声に時代を感じる(特に女の子は)と思うが、キャラ数がさほど多くない上に適度に声とビジュアルが入ることで、キャラクターを認識しやすい(覚えやすい)という利点もあったりで、つくづく適度っていいなーと思う。まあこれも今となっては無意味な話だが。

 システム面に関しては、シリーズおなじみだが、基本的に体当たりのみでの操作なので難しいことは何もない。半キャラずらして体当たりすると大ダメージを与えるなど有利に働く「半キャラずらし」だけを考えていればいい。

 レベルアップや武器防具の装備によるバランス調整が絶妙で、今までダメージをめちゃめちゃうけてたのに!っていう敵に対しても、レベルを上げれば上げただけ楽勝になっていく。しかももらえる経験値は敵との差がつくたびに減っていく。無駄なレベル上げは出来ないようになっているのも見事。ボス戦になると、一定レベルに達していないとダメージすら与えられずにやられることも。ここもレベル上げによって、えらい苦労していたボスに対して互角以上に戦えるようになるなどするが、このへんのバランスも絶妙。
 攻撃方法がひとつしかない(ファイアーの魔法は除く)のと、攻撃力・防御力というくくりでしかないからこそ実現できるバランスだと思うので、正直今のアクションRPGにこれを望むのは酷だ。こういった部分は、昔のゲームだからこそ出来るものだろう。

 もうひとつこのゲームを面白くしているのが、謎解き部分。道中手に入るアイテムをどのように使っていくかが楽しい。ヒントも多すぎず少なすぎずといったところで、とりあえずいろんな人の話をこまめに聞いていれば何とかなるといった具合。(このへんはFC版あたりだと結構不親切だったり…この話はFC版のほうで)

 褒めてばっかりだが、欠点がなかなか出てこない珍しいゲームだと思う。前評判の高さは聞いていたが、ここまですごいゲームだとは思っていなかった。とりあえずプレイ可能な環境がある人、ぜひぜひ。

 余談だが、IIの最初のボス「ベラガンダー」の発射する弾がグラディウスのビッグコアにそっくり(レーザー状)ですげー笑った。シューティングバトルって言われる由来がなんとなくわかった気がした。