[Data]
ハード:Playstation
メーカー:コナミ(KCE東京)
発売日:1998.11.19
ジャンル:格闘アクション・3D
実勢価格:500~1,000円(中古価格)

評価:★★☆

[Review] 2009.02.06

武戯 -BUGI-

 コナミの格闘ゲームって、個人的にはあまりいい印象がない。俺がゲーセン通い詰めだった高校生時代に出ていたコナミ製3D格ゲーは「ファイティング武術」とか「バトルトライスト」とかがあったのだがいまいちマイナーだった。
 ファイティング武術に至っては、いまやほとんど見かけない大型筐体でかなりの力の入れようだったようなのだが、まあリアルすぎてというか地味すぎて受けなかったようでした。こっちはマイナーと言うにはかわいそう(知名度はあるみたいだし)だけど。

 武戯は家庭用オリジナルの3D格闘アクションゲーム。ファイティング武術を基に作られたゲームだそうで、まあ確かに雰囲気はよく似ている。秒間60フレームの動きはかなり良い。

 パンチ・キック・ディフェンス(後述)・掴みの4ボタンを使用。DEAD OR ALIVEシリーズに程近い操作系だろう。キャラは隠しキャラ含めて22人とかなり多く、半分以上はアーケードモードクリアで登場するのだが、鉄拳で言うところのクマ/パンダのようなコンパチキャラが多いのは難点。

 まず移動が特殊。↑キーがジャンプではなく奥移動に割り当てられており、↓キーもしゃがみではなく手前移動。結果十字キーで前後含めた全方向移動が可能になっており、TOBALシリーズ・ソウルキャリバーシリーズを髣髴とさせる自由度の高い移動が出来るようになっている。

 防御はバーチャ・DOAシリーズのようなボタンを押すタイプだが、防御するタイミングによって技を受け止めて防御するかスウェーなどで相手の攻撃をかわすかが変わるという独自のシステムを採用している。なので名前もガードボタンではなく「ディフェンスボタン」となっていた。実際タイミングはシビアで、自分で狙ってかわすことはなかなか難しい。自分の次の動きを読みにくくなってしまってるだけのような気がするんだよな、これ。ストIIIのブロッキングとかみたく、十字キーとの組み合わせで出すようにすれば良かったのに。

 ↑↓キーが移動に割り当てられたことで、ゲーム自体にしゃがみ及びジャンプの概念がなくなっている。TOBALシリーズなんかだとガード中にしゃがめたりジャンプしたりできたが、このゲームはそういったものも一切ない。ちなみに、ディフェンスボタンをタイミング良く押すことで下段避けジャンプなら出せる。狙って出すのはなかなか難しいが。
 しゃがみがないことで困るのは掴み関連の攻防。しゃがみがないということは、近接距離で掴みをよけるには投げ抜けで避けるしかないということ。ほかのゲームに比べればまだ投げぬけはしやすい部類な気はする(受付時間長めかな?)が、しゃがんで避けることが出来ればそちらのほうがはるかに簡単だということで。同じ理由で上段攻撃もかわすことができないので、基本距離をとりつつもしくはディフェンスボタンでタイミングよくかわすことが求められる。
 全方向移動は利点…のはずなんだけど、いまいち利点が生かされてないんだよな。中途半端に軸がずれてしまうことが多くて、まともに使えるのが起き上がり後の攻撃をかわすくらい。

 キーレスポンスもあまりいいとは思えなかったが、移動の際のは悪くなかったので、あくまで技の部分だけかな。連続技がなかなかうまく出なくて。

 オートロード・セーブ対応であること、格闘アクションとまったく関係ない隠しモードがあることなど、それなりにいいところもあるんだが、鉄拳3を見てからこのゲームを見ると、いい要素全てが鉄拳3に程近い内容に見えて仕方がない。キャラ選択画面もそっくりだし。

 積極的に評価できる作品でないことは確か。