[Data]
ハード:Playstation
メーカー:SCE/エグザクト/ムームー
発売日:1995.04.28
ジャンル:アクション
実勢価格:50~100円(中古価格)

評価:★★★

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[Review] 2013.03.27

Jumping Flash! アロハ男爵ファンキー大作戦の巻

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 3段ジャンプの出来る宇宙市役所のウサギ型ロボット「ロビット」を操り、星の一部を切り取って自分の別荘に変えようとしている悪の科学者・アロハ男爵の野望を阻止するために戦う3Dアクションゲーム。アロハ男爵の部下として登場する謎の生物「ムームー星人」は、かわいい見た目ながら居酒屋で愚痴るというミスマッチさが人気を集め、一時期PS本体のマスコットキャラクター的な存在となった。

 3Dフルポリゴンで描かれたステージにはいろいろな高さの建物や足場があり、建物の屋上や足場の上に最大3段のジャンプで移動しながら、ステージ内に4つあるニンジン型のジェットポッドを手に入れてゴール地点(ジャンプ台)に乗ると1ステージクリアとなる。6つのワールドにそれぞれ3ステージの構成で、ステージ3はボスステージとなるため、通常ステージは全12面。
 高速で移動するベルトコンベア状のギミックとか、ゆっくりと移動する飛行船などもあり、ステージも砂漠ステージ・遊園地ステージや雪のステージなど幅広い。天井が低いダンジョンステージもあり、ダンジョン内ではほぼ歩いての探索を要求される。
 不安定な場所でもある程度は足場として使えるので、斜めになっている屋根の上とか、木の上なんてのも使えたりする。この”何でも使える感”が、このゲームの面白いところ。

 このゲームの最大の特徴である3段ジャンプは、2段目以降の空中ジャンプ時に視点が真下を向くようになっている。後半のステージは足場が狭いので、この視点によって着地が合わせやすくなるのはもちろんだが、それ以上に「かなりの高さから落下してゆく爽快感(浮遊感」と「落下してゆく恐怖感」を味わえるのが大きなポイント。
 特に、ある程度の高さから落下するときは風の音が鳴るようになっていて爽快感・恐怖感ともに倍増。真下視点で見る風景も高いところから見ると薄く、近づくにつれて濃くなってゆくのもリアルに表現されている。
 2段・3段で高くジャンプして、そのまま敵に落下すると落ちる高さによって与えるダメージが変わるという仕組みもあり、特にボス戦で有効な戦術となる。

 後半のワールドになると1つのステージがかなりの広さとなってくるのだが、画面右上のレーダー表示がほぼ使い物にならず、結局目視で広いステージを飛び回る必要があるのは難点。通常視点内でもある程度の近さになるとポッド・ジャンプ台の位置を示してくれるのだが、レーダーで表示される範囲よりも通常視点で表示される範囲のほうが広い有様で、何のためのレーダーなのかまったくわからない。

 ジャンプの感覚さえ掴んでしまえば難易度自体はそう高くはなく、3Dアクションゲームとしては初心者向け。1ステージにかかる時間が10分かかればいいほうなので、全てのステージをクリアするのに2時間もあればOKとボリュームもさほど多くなく、軽くプレイできるゲームではないだろうか。ちょっとボリュームがなさすぎな感もあるが。
 クリアした後一定条件で登場するエクストラモードが楽しいのでぜひクリアしてプレイしてもらいたい。Lボタンでの倍速移動&最大6段ジャンプまで可能になるという素晴らしいモードで、このゲームの良さをよくわかった追加要素だと思う。

 今見るとさすがに荒めのポリゴングラフィックに嫌悪感がなければ、十分楽しめる作品。

 開発元のエグザクトがX68000用ソフトとして1994年に発売した「ジオグラフシール」という3Dシューティングゲームがこのゲームの元となっており、2段以上のジャンプで真下を向く視点や、落ちる高さによって与えるダメージが変わるというのもここから取られている。かなり硬派なシューティングという位置づけだったので、家庭用らしく作り変えたのがジャンピングフラッシュシリーズということだろう。