[Data]
ハード:Playstation
メーカー:ナムコ
発売日:1997.12.11
ジャンル:2Dアクション
実勢価格:500~800円(中古価格)
公式HP:Link(PS版)

評価:★★★★☆

風のクロノア~door to phantomile~

●あらすじ
 ここはどこか別の世界、ファントマイル--。
 ここには、「人々が見る夢のエネルギーは、”月の国”と呼ばれる幻の国に集められ、その世界を形作るのにつかわれる」という伝説があります。目が覚めると、見たはずの夢が思い出せないのはそのためだというのです。

 ある日、風の村ブリーガルに住むクロノアは、悪夢にうなされて目を覚ましました。不思議なことに、その夢だけはいつまでもはっきりと思い出すことができるのです。
そんな折、鐘の丘に飛空艇が墜落しました。夢で見た通りなら、邪悪な影が迫ってくるのです。
「夢で見たのと同じだ」
「行ってみよう、クロノア!」
 一瞬よぎった不安は、あふれんばかりの好奇心に吹き飛びます。クロノアは幼いころからの親友、リングの精ヒューポーとともに元気に駆け出しました。

●概要・基本仕様
 「わっふー!」でおなじみ、猫のような獣人クロノアを操り、ファントマイルに迫る危機と対峙する2Dアクションゲーム。操作は2Dだがステージそのものはフルポリゴンによる3Dで表現され、場所によって手前・奥への移動などができるほか進行方向も変わってアングルが変化したりするなど、2Dの操作感ながらも3Dマップを生かした作りになっていることが大きな特徴となっている。
 ステージはボスステージを加えて全18ステージ+クリア後一定条件で解放されるエキストラミッションとなっており、

 操作は簡単で、十字キーによる移動と×・△での「ジャンプ」、○・□で出せる「攻撃」の3種類だけ。
 ジャンプは、ジャンプ後に+押しっぱなしで空中にとどまるはばたき。攻撃については、ボタンを押すと持っているリングから「風だま」が飛び出す。この風だまを敵に当てるとふくらませて捕まえることができる。ふくらませた敵を持った状態で攻撃ボタンを押すと敵を前後左右に投げつけることができ、ジャンプ中にもう1回ジャンプボタンを押すとふくらませた敵を足場にした2段ジャンプができる。
 ほかの余計な操作やボタン使用は一切なしという潔い仕様で、誰でも簡単に覚えられすぐ実践できる仕組み。キーレスポンスも良く、もっさり感も感じない。

●バランスの良い難易度と謎解き
 全体の難易度は簡単な部類に入る。最大6のライフ制なので落ちる以外に一撃死ということはなく、ある程度ごり押しでも進めることが可能という点、残機が比較的上がりやすい点、厄介な敵がそれほど多くない点などがあげられる。
 後半になると、風だまを使った2段ジャンプや3段以上のジャンプを使う個所などスキルを要求される場所が出てくるが、基本何回でもやり直しが可能でステージのタイム制限などもないので、何度もやっているうちにこなせるようになる。

 2段ジャンプを使った足場の移動・ふくらませた敵を当てることで発動するいろいろなギミックなど、よく考えられてるなあという印象。今作ではステージを「VISION」と呼ぶが、VISION1から順々に様々な操作に慣れるように作ってあり、非常にバランスがとられていると感じる。謎解きも少し考えればわかるようなものばかりで難易度は低く、いいアクセントという感じだ。

 一定条件を満たすことで解放される「エキストラミッション」だけはかなりの難易度。軽く10段ジャンプくらいのスキルが必要で、なかなか突っ切った難度でこちらはこちらで楽しい。クリアまでのタイムアタック要素もある。

●クリア後
 上にも先に書いたが、一定条件でエキストラミッションが解放されるほか、今までクリアしたステージについては「夢のかけら集め」が新しく追加される。
 夢のかけら集めは、ステージごとに150ある夢のかけらを集めることとなる。各VISION中には一定時間夢のかけら獲得数が2倍になる「鏡の妖精」があるが、この鏡の妖精を取ってからの動き方がかなり難しい。この2倍獲得も含めて夢のかけら総数150なので、ここはさすがクリア後のお楽しみというところ。

●ストーリー
 かわいいキャラクターばかりとは思えないちょっとダークなストーリー展開を見せるが、キャラクターもよく動くしよく喋る。喋りはすべて独自の言葉「ファントマイル語」を使っているので日本語訳を見るような形で進むが、結果キャラクターの魅力を上げたように思えるので、むやみに日本語を喋らせなかったのは当たりのような気がする。後日リメイクされたWii版では日本語で話すバージョンが追加されているらしいが、必要なのかしら?と率直に思ってしまうが…。これはプレイしてみないとわからないだろう。
  自分の世界に連れてきた挙句最後にネタバラしして結果的に送り返しちゃったっていうヒューポーの立ち位置はどうなんですかね?

●総評(難点など)
  非常にバランスの良い作品だが、強いて言えば全体通して2~3時間でクリアできるボリューム感が少し少ないかなあというのと、VISION開始前などに挟まるちょっと長めのロード時間が気になるところだろうか。
 とにかく、肩肘張らずに楽しめる初代PS屈指の優等生アクション。 初代PSでは外すことのできない優良タイトルでしょう。

 前々からワギャンっぽいゲームだなーとずっと思っていたのだが、そもそも出てくる敵の中にワギャンパラダイスに登場するささるんというキャラが登場しているうえ、ワギャンパラダイスのスタッフが多く参加しているらしく、そりゃ似ているわけだと。
 ジャンプボタン押しっぱなしでのとどまる動きもワギャンのミニワギャコプターが近いし、敵を足場に使うという発想がワギャンと一緒。面白いゲームには歴史があるということか。