[Data]
ハード:Playstation
メーカー:NEW CORPORATION
発売日:1999.06.03
ジャンル:2D横スクロールアクション
実勢価格:1,500~7,000円(中古価格)

評価:★★★★☆

[Review] 2009.02.06

ちっぽけラルフの大冒険

 ボクサーズロードなどを製作したニュー・コーポレーション社作の横スクロールアクションゲーム。人間界を侵略する魔族に立ち向かう少年ラルフは、魔族との戦いのさなかに幼なじみのルテイシアをさらわれ、自らも子供の姿に変えられてしまう。そんな中突如現れた聖剣を手にしたラルフは、自分の姿とルテイシアを取り戻すために魔族に立ち向かう…というのが大まかなストーリー。

 一時期はすごいプレミア化で、中古価格が新品の価格を軽く超えるような状態が続いていたが、Playstation Storeのゲームアーカイブスで配信されるようになってからは少し落ち着いた模様。それでも安いところで1,500円超えてることを考えると、まだ高めだな。

 基本はアクションゲームなのだが、一部ボス戦は格闘アクションスタイルになる。このときだけは聖剣の力で元の姿に戻って戦う。通常のアクションは剣を振る(+ジャンプ攻撃・兜割り攻撃あり)・ジャンプの2つで構成されているので操作は非常に簡単。
 格闘アクション部分に関してもジャンプと弱強攻撃くらいしかない(コマンド入力による必殺技が数種類あるが)ので、基本的な操作はすぐ覚えられるようになっており、双方ともに奥深さを極力取っ払った潔い作り方をしている。キーレスポンスもかなり良い。

 ステージは全部で8ステージ。(難易度EASYはステージ5で終了)敵の出現パターンはワンパターンなところが多い上にてこずる敵もそうそういないので面白みに欠ける気がするが、ステージそのものは結構凝った作りになっている。複数のルート・テクニックを必要とするアイテムの数々など、自分の腕でステージのいろんなギミックを攻略することに重きを置いたような作りに感じた。

 楽しいのはスコアアタック。ステージ最中に出てくるフルーツは連続で取ることによって大幅にスコアを稼げるほか、溜めて攻撃することによって敵を吹っ飛ばして連続で倒しスコアを稼ぐスイング攻撃など、スコア稼ぎに多数の要素が詰め込まれている。
 スコアアイテムも数多く、それらがステージ上の正規ルートではないところにたくさん隠れていたりと、ひとつのステージをとことん遊びつくしてもらおうという意図が十分に伝わる。

 格闘アクション部分に関しては、ラルフが聖剣の力を借りて元の少年の姿に戻り、ボスと1対1の戦いをするという内容。蛇足とまでは行かないが普通のアクション部分の出来がいいだけに、なぜここで格闘アクション?って感じ。
 ラスボスがKOFのラスボスばりのトンデモ能力なのには笑ったが、何にしても大して意味がないというか、本編で入れる必要があったのかいまいちわからない。あと、自分が元の姿に戻るのもストーリーの基幹部分だったはずなのに、こんなにあっさり聖剣の力で元に戻れてしまうってのもどうかと思う。

 難易度は高いほう。敵はラスト2ステージ以外はほとんど問題にならないが、ステージそのもののトラップや構成が難しく、おそらく敵のせいで死ぬよりもトラップで死ぬほうが圧倒的に多いだろうと思う。理不尽な難易度ではないし一つのステージがそれほど長くもないので、気力で何とかできる部類に収まっているのは好印象。

 あとおもしろいのが「DATA NOTE」。プレイデータをとにかくたくさん集めましたっていうモードなんだが、プレイ時間やノーコンティニューでのクリア回数などから始まり、ステージごとに死んだ回数カウントやアイテム一つ一つの獲得回数とか、何のためにあるんだと思うくらいの無駄データがたくさん閲覧できる。スコアアタックをするに当たって何度もプレイすることになるのを見越したって所だろうが、このへんはうまい。飽きさせないためにこういった小さいアクセントは効果的だと思うんだよな。

 なんか惜しい部分がたくさん。なんだが、それをカバーするだけのクォリティがある。PSのゲームとしては後期の作品で、にもかかわらずポリゴンを全く使わない完全な2Dの作品としてここまで仕上げたのは見事というほかない。

 歯ごたえのある2Dアクションをお求めの方、おススメです。