[Data]
ハード:Playstation
メーカー:アトラス
発売日:2000.06.29
ジャンル:RPG
実勢価格:200~300円(中古価格)

評価:★★★★

[Review] 2018.01.21

ペルソナ2 罰 -Eternal Punishment.-

●あらすじ
 主人公「天野舞耶」は、ティーン向け情報誌の編集部に勤める編集者である。幼いころから憧れた職業に就き、上司と反目したりしながらも、それなりに充実した日々であった彼女の日常は、一人の少年との出会いにより崩れだす。
 少年の名は周防達哉。舞耶は、名前すら知らないはずのその少年に、なぜか以前から知っていたかのようなデジャ・ヴュを憶え、胸を騒がせる。そんなある日、彼女は、近頃街を震撼させる連続猟奇殺人にまつわる「JOKER呪い」の噂を取材するよう命じられ、七姉妹学園を訪れる。
 そこで待ち受けていたのは、JOKERを名乗る噂の殺人鬼の襲撃と彼女を救った「デジャ・ヴュの少年」との再会、そして、ペルソナと呼ばれる別人格の発動だった。

 「<向こう側>を思い出せ」
 …謎の言葉を残し消え去るJOKERと「全て忘れろ」と言い残して立ち去ったデジャ・ヴュの少年の影を追い、運命の車輪は再び音をたてて回り始める。

 全てを知っている……

 いや、何も知らない……?

 錯綜する記憶の糸をたどる先に待つものは、大いなる罰か?それとも……

●概要
 「女神異聞録ペルソナ」から続く女神転生派生シリーズの第3弾で、「ペルソナ2 罪」のエンディング後を描いた続編。前作「罪」からはちょうど1年後に発売され、前作のシステムを基調にしながらも様々な変更や改善が図られた。

●ストーリーとキャラクター
 前作と同じ「珠閒瑠市」を舞台とするが、「同じ時間軸の別世界」が舞台となる。前作のパーティキャラクターだった天野舞耶が主人公となり、前作で登場はしていたがそれほど重要なキャラではなかった周防達哉の兄・克哉と舞耶のルームメイト・うらら、パソコンの中でのみ登場していたパオフゥの3名がプレイヤーキャラクターに昇格。周防達哉がのちに加わるという5人構成がベースで進行する。

 ペルソナシリーズといえば「学生」なのだが、今回は達哉以外全員社会人というペルソナシリーズ唯一のパーティ構成となっており、おそらく平均年齢の一番高いシリーズ作品であろうと思われる。社会人とはいってもほぼ20代(説明書によると舞耶23歳・克哉25歳・うらら24歳・パオフゥのみ??表記だが32歳らしい)なのだが、作中では「学生」と「大人」を明らかに区別するようなシーンや過去回想が入ってくる。パオフゥを除くとちょっと大人すぎるような気がしないでもないが、ペルソナシリーズとして見ると非常に新鮮だ。

●噂システム+新要素
 前作同様、仕入れた噂を葛葉探偵事務所で広める「噂システム」があるが、結果がランダムで分岐する噂が新しく登場しているほか、噂システムの派生で「マンサーチャー」と呼ばれる人探しミッションを受けられるようになった。人探し後に新たな噂が立つなどの要素もあるので、基本全員達成させておきたい。

 もうひとつ、ゲーム中盤以降からは「ダンジョンを隅々まで踏破し白地図を埋める」というミッションも受けられるようになる。全て埋めるとタロットカードのセットがもらえる重要なミッションだが、ダンジョン自体広いところが多いうえエンカウント率もかなり高く、歩いた場所の周り+1マスしか埋まらないというマッピング自体の仕様も相まって、ちょっと広い通路などになるととにかく面倒。
 あと、悪魔との交渉に隠し通路や特定の敵を倒す方法を入れてくるのはちょっとやりすぎではないかと…。これを知らないと絶対踏破できないマップがいくつか存在する。

●戦闘・交渉
 戦闘も前作を踏襲しているが、エフェクトを省略するオプションが加わり、、戦闘にかかる時間をさらに短く出来るようになった。ちなみにボス戦では省略オプションが効かないので、従来通りとなる。
 難易度は前作からかなり引き上げられたようで、立ち上がり最初のボスからいきなり難しいほか、中盤~終盤にかけても雑魚敵の全体攻撃連発に苦戦する場面があったり。何も考えずに突き進むと終盤のボスも相当難しい。レベルトラップで3人即死した自分にも問題はあるだろうけど。カジノで大量に稼いでおいて良かった…ヤマタノドリンク大活躍。

 前作だと、無難な選択肢を選んでいればペルソナがどんどん勝手にアップグレードしていくので、ペルソナの付け替えについてはそれほど考えずとも進めてしまうところがあったが、今作ではマイア→マイア・改があるだけで、しかも前作のように勝手にアップグレードではないため、気付かずそのまま進んだプレイヤーも多いだろう。
 能力上昇のカジャ系や強化された合体魔法に頼る場面が多くなり、ペルソナについても場面場面で吟味しないと、変なペルソナをつけていくと全く使い物にならないなんてことも…この辺の良くも悪くもシビアな感は初代ペルソナを彷彿とさせる。

 交渉については、前作では1人につき4つのコマンドがあったところから、1人につき1コマンドへと簡略化。代わりに、複数コンタクト時には選んだ順番によってもコンタクトコマンドが変わるなど種類が大幅に増えた。悪魔によっては3名の決まったコマンドじゃないとダメとか条件が厳しいものもあり、総当たりがかなり面倒になってしまったのは否めない。

●総評
 前作から入ったプレイヤーがこの難易度についていけるのかな…?という心配をしてしまうほど難易度が引き上がった印象だが、雰囲気・ストーリー展開と非常に丁寧。この雰囲気は3以降では楽しめないものなので、リメイクでも何でも、ペルソナ3以降で入ったプレイヤーにはぜひとも1度プレイしてもらいたいなあと。

 音楽の話にあまり触れていなかったが、土屋憲一、田崎寿子、黒川真毅の3名が作曲。罪・罰通して良曲が多く、相変わらず曲数もかなり多い。サトミタダシの歌はバージョン違いがいくつも誕生、こちらも相変わらずのへなへな具合で楽しい。