[Data]
ハード:Playstation
メーカー:タイトー
発売日:1999.10.07
ジャンル:3D格闘アクション
実勢価格:500~700円(中古価格)

評価:★★☆

サイキックフォース2

●概要
 1998年にアーケードで稼働し大ヒット、1998年ゲーメスト大賞も受賞したタイトーの3D格闘アクション「サイキックフォース2012」をPSに移植した作品。PS発売に当たって、初代サイキックフォースに登場し2012ではいなくなっていた玄真・ブラド・ソニアの3名が収録されたほか、他キャラの技を付与することのできる「PSY-EXPAND」モードなどが追加されるなど、家庭用ならではのモードが搭載されている。
 アーケードのほうは2012年にNESiCA×Liveで高解像度版として帰ってきた。12月20日リリースとのことだが、無理やり2012年に合わせたのかどうなのか…

●移植の完成度
 もともとアーケードの2012はタイトーの基盤「WOLFシステム」で作られていたが、グラフィック水準は当時としてはかなり高く、完全移植がドリームキャストというところからも実力の高さが伺えるところ。このWOLFシステム、対応ソフトがこのサイキックフォース2012だけという不遇な基盤であった…まあそれはいいとして。
 何せそんな水準の作品を初代PSに移植したものだから、頑張ってるのはわかるけど…というグラフィックになってしまっており、アーケードやDC版を見てからこちらに来ると、頑張ってるのがわかるだけに何とも言えない気持ちになる。

 アーケードやDC版では60fpsの滑らかな動きが堪能できるが、PSでは30fpsに。入力の判定まで30フレームに代わっているので、コンボからの必殺技を出すのがかなり難しくなっている。特に弱強からの必殺技がすごく出にくい気が。
 ボタンの押しにくさ、特に同時押しのしにくさは認識していたのか、LRにバリアガードなどの操作を割り振ることで、押しにくさを低減しようとする配慮は見られる。家庭用でしかできないことだが、これはあって良い内容だと思う。古くは闘神伝とかでも使ってましたね。

●PSY-EXPANDモード
 先に少し紹介したが、操作キャラクターに他キャラの技をつけることが出来るモード。対戦を重ねることで経験値を貯めて、基本行動や持ち技の能力をアップしたりすることもできる。家庭用らしいなあというところか。他のゲームでも見たことのあるモードだが特徴的な技が多いゲームなので、かなり面白い組み合わせを作ることが出来る。
 仕方ないことかもしれないが、割り当てられるコマンドが→→+弱+ガード(□+△)か←↓→+弱+ガードというのは、少なくてもコントローラーでの操作で考えるととっさに出すのが難しい。

 あと、格闘ゲームとしては仕方ないところかもしれないが、結局技を覚えるのも経験値を稼ぐのも対戦するしかないので、ずっとCPU対戦をし続けるよりやることが他にないというのが作業間に繋がってくる部分がある。ソウルエッジとかキャリバーとかだとこの辺の作業間をうまくなくすような作りにしていたが、同じようにとは言わないまでももう少し何とかできなかったかなとは思う。

●総評:30fpsになっただけでまるで別物のゲームに…
 もともとの完成度が非常に高いゲームなので、それをそのまま持ってきただけで大きな破綻がないというところで十分遊ぶ価値のある作品ではあるのだが、fpsが変わったことによって操作感がまるで変わってしまっているのはとにかく残念の一言。
 結果、アーケードの移植として考えてしまうと何じゃこれは…となってしまうのだが、初代のキャラも登場する別作品としての目線で見ると、グラフィックも初代PSとしては頑張っているし、当然2012のシステムを使った内容も決して悪くない。システム流用の派生作品として見るのが正しいのではないかと思う。