まずいきなりだが、この作品に関しては俺はいっぱい言いたいことがあるんだけども。俺はこの作品は凄いゲームだと思っていて、ぶっちゃけるとPS以降のFFシリーズの中で最高傑作だと思っている。ただ、どうにも世間の評価は低評価。もうちょっと評価してくれてもいいんじゃないかとの希望を抱きつつ、感想を書かせてもらおうかと思う。
FFシリーズも8作目、「愛」をテーマに掲げてシリーズ最高の売り上げを叩き出した作品。ムービーとリアルタイムポリゴンを同時に動かす技術をうまく使った演出はさらにパワーアップ、音楽面も前作をさらに上回る迫力のサウンド。前作までの召喚獣の代わりとして登場したのがガーディアンフォース(G.F.)で、ストーリーにも大きく関わる。
さて、まずはストーリー部分。これは、弁解しようのない部分は確かにある。とにかくわかりにくいのが一番で、普通にストーリーを流し読みしていくとスコールとリノアのラブラブストーリーで終わってしまうからだ。G.F.による記憶の欠如が中盤のストーリーの要となるが、これもわかりにくい上に、G.F.自体がプレイヤーの中で「召喚獣みたいなもの」と認識されている節があったので、ストーリーに絡んでくること自体何か腑に落ちない、結果ご都合主義みたいな言われよう、と言った感じだ。
ただ、俺としては、こう…学生な彼らの「未熟さ」をうまくちりばめたなっていう印象。G.F.の部分さえ納得できればあとはすんなり入っていける話だったし、 スコールとリノア以外の「愛」もわかりにくいながらちりばめられている。それ以外にも驚いたのは「エキストライベントの質」。シリーズ最高と言ってもいい。名前の付かないようなキャラでさえ、「あ、前に話しかけたやつだな」とはっきりわかるほど印象に強く残るイベントが非常に多い。親近感がわくよね。
書いていくときりがないので、次はシステム面。新システムは、パラメーターに魔法を装備して強くするカスタマイズシステム「ジャンクション」と、敵が持っている魔法を奪い取る「ドロー」。
まず、ドローでよく聞かれた不評と言えば「戦闘に時間がかかって面倒」だったと思うけど、ドローって、あくまでアイテム精製で魔法が作れないときのための最終手段であると思う。魔法なんて、この世界ではいくらでも手に入る。アイテムを買って精製できる(序盤からケアルガまで作れる)し、カードゲームで集めてもいい。むしろドローを使うより効率よくキャラを強くできるようになっていて、わざわざ面倒なことをする必要がないように作ってあるわけだ。
そしてジャンクション。とにかくわかりにくいシステムだったと思うんだが、精製・ドローなどのシステムを考えるとしっくりくる内容。序盤から強力キャラを作ることも出来るなど、いわば究極のカスタマイズだ。
敵レベルの変動制…これについても賛否はかなりあった。こっちが強くなっても敵が一緒に強くなるからバランスが悪いとか言われてたと思う。しかし、このゲームの場合は「敵のレベルでもらえるアイテムやドローできる魔法が違う」ので、レベルを上げるか上げないかで展開を大きく変えることが可能なのだ。さらに敵のバランスも従来とは異なり、いきなり序盤から強力かつ経験値の高いモンスターが出たりする(アルケオダイノスなど)ので、うまく戦えば一気にレベルアップも出来る…と、プレイヤーの腕や感性によってさまざまな進め方が出来るのも強み。
敵と戦ってレベル上げてもよし、こつこつドローで魔法を溜めて強くなるもよし、カードゲームでアイテムを精製して一気に強いキャラでさくさく進めるもよし。難しくて何も出来なさそうだが、実はどんなゲームよりもいろんな進め方がある。わかっていけばわかっただけ楽しめる、俺にとって最大級のスルメゲー。
FFシリーズは「実験的作品」とスクウェア開発陣は言っていた。もちろん、FFシリーズと題するならばどこかに”らしい部分”は欲しかったとは思う。しかし、それを捨て去って得たすばらしいシステムを俺は大きく評価したいし、もっともっと評価されてもいい作品だと、俺は思うのです。 |