[Data]
ハード:Playstation
メーカー:ナムコ
発売日:1996.12.03
ジャンル:レース
実勢価格:250~350円(中古価格)

評価:★★★

レイジレーサー

●概要
 ナムコの看板レースゲーム「リッジレーサー」シリーズの家庭用第3弾。「リッジの進化形」をコンセプトにタイトルも変更され、アーケードの移植をベースにしていた前2作とは違う家庭用オリジナルとして制作された。

●ゲームメニュー
 最高速の違う5(EXTRAは6)クラスのイベントレースを勝ち抜く「GRAND PRIX」モードが誕生したのが前作までとの大きな違いとなる。1クラスには3~4種類のコースがあり、そのすべてを3位以内でクリアすると1つ上のクラスに昇格する。1レースの登場車数は自分を含めて12台で、うち3台がライバルカー・8台が敵車という設定らしく、3台のライバルカーのほうが全体的に速い。このイベントレース形式はこの後リッジシリーズの作品にほぼ搭載されるものとなったので、そのはしりとも言える。

 このモードでは、3位までに入ると手に入る賞金を使っての自車チューンアップや車の追加購入が出来る。これもリッジシリーズ初の試みで、シリーズおなじみの架空自動車メーカーが出来たのも今作が初。
 ・全体的にオーソドックスな「GNADE」:1車種
 ・旋回性能は低いが加速が強い「REZARD」:4車種
 ・最高速は低いが高い旋回性能「Age」:4車種
 ・オーバルコース用超高速セッティング「ASSOLUTO」:4車種
の4メーカー計13車種が登場。このうちGNADEを除いた3メーカーは次回作R4にも登場することとなる。REZARD・Age・ASSOLUTOの4車種については対応するクラス(グレード)ごとに分かれているが、チューンアップによってグレードを上げることもできるので、すべての車種をGRADE5まで持っていくことが可能だ。

 そのほか、コースを1台のみで走る「TIME ATTACK」モードがある。

●コース・BGM
 コースは4種類で、うち1コースはこれまたシリーズ初登場のオーバルコース。残りの3コースについては、前作までと比べても高低差が激しいのが特徴だ。それぞれリバースコースもあるので、実質8コースということになる。
 海沿いの街・高層ビルが立ち並ぶ市街地・立体交差・急勾配の坂、リッジらしさは十分残しつつ新しい部分も。コース外の当たり判定が適当らしく、なぜかわからないけどぶつかるという箇所がそこかしこに見られるのが残念。最初やたらぶつかるので自分の腕の下手さにびっくりしたものだが、そういう要素もあったのね、と。まあ上手くないのも事実だろうけど。

 音楽は、前作まで担当していた細江慎治氏・佐宗綾子氏・佐野信義氏が退社したため、大久保博氏・中西哲一氏が担当。曲調は大きく様変わりし、デジロック的な路線に。ただ、次回作R4の路線が大ヒットになってしまったので、その意味ではちょっと不遇な作品かもしれない。サントラも発売されてないしね。個人的なおすすめは「HURRICANE HUB」。テンション上がります。

●大きく変わったドリフト
 ドリフトの出し方自体はブレーキを押すことによるドリフトとアクセルを離すことによるドリフトの2種類で今までと全く変わっていない。ただドリフトの終わりが他のリッジシリーズと比べるとかなりシビアで、減速幅が大きく余韻も少なめ。ドリフトがかかってから回るまではまだいいとして、ぐっと押さえつけられるような形でドリフトが終わるので、実際の速度以上に流れを止められた感が大きくて、リッジシリーズ特有の流れに乗ったドリフトが味わえないというのがどうしても引っかかる。

●総評
 いろんな不具合があったとしても、爽快なドリフトですべて許されちゃうのがリッジシリーズだと個人的に思っているので、肝心のドリフトが引っかかってしまうのは致命傷だった。ここが薄いだけでほかのレースゲームに埋もれてしまうような感覚になってしまうんだよなあと。今後の方向性を決める重要な作品であったことも間違いないけど、やっぱり亜種というか、メインストリームからは少し外れる作品のように感じてしまった。