[Data]
ハード:Playstation
メーカー:サクセス
発売日:2000.03.30
ジャンル:シューティング
実勢価格:1000~1500円(中古価格)

[Data2]
ハード:PS Game Archives
配信日:2007.06.28
価格:600円

評価:★★★★

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[Review] 2010.09.19

SuperLite1500シリーズ ザンファイン

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 サクセスの1500円均一シリーズ「SuperLite 1500」から登場の、見下ろし視点で360度移動可能な自機を操るシューティングゲーム。もともとの出荷数が少なかったこともあって中古に出回っている数が少なく、価格が新品も中古もほぼ変わらないというレアものっぷりだったゲームだが、ゲームアーカイブスで配信されるようになってから陽の目を見るようになったタイトルになるだろうか。

 シミュレーションゲームでおなじみのヘックス(六角形)制マップを採用したのがまず大きな特徴。ひとつひとつのフロア内に潜む敵を殲滅してゆくという内容で、ひとつのフロアをクリアすると、その隣のフロアへと進撃できるようになる。
 1ステージは大体15~20前後のフロアで構成され、うちいくつかが耐久力の高い敵がいる「ボスフロア」。すべてのボスフロアをクリアすると最後にステージボスが登場、そのステージボスを倒すと次のステージへ進む仕組みだ。ステージは全部で5つとそう多くはなく、プレイ時間は1クリアで大体20~30分というところだろうか。

 まず、ステージそのものはワイヤーフレームとポリゴンで構成されており、曲のテクノ・ドラムン加減とあいまった雰囲気作りが見事。音楽を含めた全体的なビジュアルに統一感があり、スピード感も高い。しかも、フロア内ステージでタイムをかけるとフロアを360度見渡せるという面白いギミックも用意してある。必要ないといえば必要ないのだが、いろんな角度から見てみるのも面白い。

 基本ルールとして、まずヘックス制のフロアの周り6箇所のうち、いくつ占領したかで攻撃範囲と攻撃力が変わるシステムとなっている。似たようなシステムにシミュレーションゲーム「ネクタリス」(もしくはアースライト)があるので、そちらをプレイしていた方は
敵ユニットを囲むと攻撃力に補正がかかるあのシステムを思い浮かべて頂けるとわかりやすいかと思う。
 今作でも、クリアしているフロアが回りに多ければ多いほど攻撃範囲と攻撃力に補正がかかる仕組みとなっており、しかもその補正がバカでかい。ゲーム内では「ATTACK POWER」と表現され、ATTACK POWERが1のときと6のときでは1フロアクリアにかかる時間がまったく違い、POWER 1の時に1分くらいかかるボスでも、6にすると5秒くらいで瞬殺できるほどの違いとなる。

 スタート時には600のREMAIN OF TIME(残り時間)が与えられ(600秒ではない。およそ体感120秒くらいだと思われる)、この制限時間内にフロアをクリアしていかなくてはならない。ボスフロアで一定量(初期状態では140)回復できるようにはなっている。さらに自機が敵弾に当たった場合、やり直しになったりはしないが、残り時間から90が失われる。
 仕様上、1ステージをどれだけ早くクリアしても10前後のタイムを失う。ボスを簡単に倒したいなら周りの6フロアをすべてクリアすればいいだけの話だが、最低でも60のタイムを失うことになるわけで、600の残り時間がそう多くないことはプレイしてすぐにわかる。

 数種類いる敵機の動きを読んで、いかに1フロアをすばやくクリアするか。そしてどのフロアからクリアしていくか。ボスフロアの周りのフロアをいくつクリアするか。いかに敵弾に当たらないように動けるか。シューティング部分の腕はもちろんのこと、ヘックスマップによる戦略性がプラスされた面白いゲームに仕立ててある。

 ちなみにATTACK POWERはスコアにも大きく絡む。ボスフロアの敵を倒すと、ATTACK POWER × REMAIN OF TIMEのスコアが入るため、1と6では当然だがスコアも6倍違うことになる。(いくつかのオプション開放条件がスコアなので、最初はスコアも意識しておいたほうが良い)このスコア部分については、なぜ簡単にクリアできるほうがスコアが高くなるんだ?という疑問点もある。ATTACK POWERを少なくクリアしたほうに高いスコアをつければ良かったのでは…とも思うところだ。

 先にも書いたが、600というタイムは決して多くなく、安全策をとって進んだ場合は足りなくなることのほうが多い。スコアはノーコンティニューでのみ加算されていくため、コンティニューしないでクリアすると言う意味での難易度はかなり高い部類に入るが、ゲーム自体の抜群のテンポのよさ・覚えれば何とかなる敵の配置や動きなど、繰り返しプレイが気にならない作りになっているため、高い難度だが投げ出すほどではない、といういい塩梅のバランス調整となっている。

 1フロアを2~3秒で駆け抜ける快感。もちろん好みはあるだろうが、この内容が1500円(ゲームアーカイブスなら600円)で体感できるのなら、決して高くはない。1回のプレイ時間は短いが、凝縮された面白さのあるゲームだと思う。なかなか侮れない。