[Data]
ハード:Playstation
メーカー:バンプレスト/ラクジン
発売日:1996.09.20
ジャンル:格闘アクション・3D
実勢価格:100~300円(中古価格)

評価:★★★☆

[Review] 2009.04.03

幻影闘技 -SHADOW STRUGGLE-

 ラクジン製作・バンプレスト発売の3D格闘アクションゲーム。「ARMS」などでおなじみの皆川亮二氏がキャラクターデザインを手がけたこと、椎名へきるが声を担当していたこともあってか、タイトルは知ってるけどゲーム内容は知らないって人も多いだろう。
 しかも流通量もそこそこあったのか中古安値の常連ゲームになっていて、俺がこのゲームを買ったのがもう7~8年は前の話だと思うが、その頃ですら500円くらいで販売されているという超安値ゲーだった。(同じようなゲームにゼロ・ディバイドシリーズなどがある)

 キャラクターとステージはフルポリゴン・背景は1枚絵という、当時のベーシック仕様とでも言うべきか、な内容。千秋のステージはステージの外が水で覆われているステージなのに、水面がコンクリートのようになっていたりするのはデメリットというよりもはや笑いどころ。出た時期を考えたとしてもグラフィックはさほどきれいではなく、まさにガキガキのポリゴンキャラ。フレームレートはおそらく60フレームだと思われる。かなり滑らかな動きで良い。奥手前移動がないため、ほぼ2D格ゲーと言っても差し支えない。

 パンチ(初期配置△)・キック(初期配置○)と「必殺技ボタン」(初期配置□)があるという少々特異なボタン配置。必殺技は全てコマンド+□で発動する。何でこんなボタン作ったかなーと思ってたんだが、アリーナモードがあるからだなと。ゲームメニューについては後述。
 初期配置×ボタンには「開放」が割り当てられ、攻撃を命中させたりするとたまる画面下のゲージが満タンになったときに発動可能。通常技を通常技でキャンセル可能になる&攻撃を受けたときのやられモーションがなくなる(ダメージは受ける)などする。
 しかし、開放中は後ろジャンプができなくなったり、相手が自分の背後にきても振り返ることが出来なかったりと、まさに猪突猛進モード。狙ったのか調整不足の結果なのかわかりにくい部分だが…

 そのほか、このゲーム独特のものとして「技の先行入力を受け付けない」というのがある。前の技が出きってからじゃないと次の技が出せない(連続技時も同様)。なかなかに思い切ったシステムだが、キーレスポンスがかなり良いこと・動きが滑らかで動かしやすいことがいい方向に作用している。

 ゲームメニューはステージクリアの「アーケード」と後述の「アリーナ」、あと対戦の3つだけ。96年と言えば格ゲーもかなり数が出てきてこなれてきた頃で、さすがにボリューム不足と言われても仕方のない内容。

 アリーナモードでは、キャラを一人選んでCPU戦を勝ち抜いてお金を貯め、貯めたお金で他キャラの技を購入することができる。キャラクターが元々持つ技と組み合わせたり、もともとの技を消して他キャラの技だけで構成しなおすことも可能。技はコマンドで分かれていて6種類までつけられる。非常に面白いモードだが、お金を貯めるのがCPUと戦い続けることしかなく、飽きやすい部分もある。キャラのカスタマイズは確かに楽しいので、コンボ探求したい人などにはいいかもしれない。

 難点は、空中コンボが強すぎて簡単にゲージの半分くらい持っていったりすることとか、3D格ゲーが得意なPSでのソフトにもかかわらずロード時間がちょっと長いこと。ステージステージの合間も長いのが何とも。

 ということで、欠点も確かにあるのだが、全体的に良くまとまっている作品。最初にも書いたが、間違いなく低価格ゲームの常連な上に中古ショップで比較的見つけやすいタイトルでもあります。価格以上のコストパフォーマンスは間違いなくある作品。安かろう悪かろうばかりではないって事ですね。