Simple1500シリーズ Vol.10 THE ビリヤード
3Dフルポリゴンで自由に視点を変えられることが特徴のビリヤードゲーム。開発は「俺の料理」などで知られるアジェンダ。このゲームには元となった「キャロムショット2」というゲームがあり(開発は今作と同じアジェンダ)、今作はそのキャロムショット2のグラフィック面はほぼそのままに、内容を簡略化してSimpleシリーズにしたものとなっている。
Simple1500シリーズの中では販売本数がかなり多く、初週の約5万本から徐々に売り上げを伸ばし、最終的には55万本を売り上げる大ヒット作品となった。
メニューは操作方法を学べる「ゲーム解説」と練習モード、そしてセット数(もしくはポイント数)を選択してプレイヤーもしくはCPUと対戦する「ポケットゲーム」の3種類のみといたってシンプルで、しかも解説は説明文を見るだけなので、実質2種類。
ゲームは「ナインボール」「エイトボール」「ローテーション」の3種類。ビリヤードの中ではおなじみのルールばかりで、なおかつ練習モードで解説もあるので困ることはない。後半のボールの落とし方による一発逆転がありえるという点では、ローテーションが一番盛り上がりそうな対戦方式ではありそうだが。
手球を打つ方向はもちろん、視点の自由変更や撞点の変更・キューの角度調整など細かく設定でき、マッセやジャンプショットなども打てるようになっているが、肝心のショットの強さがゴルフゲームライクなゲージ移動式(自動で動くゲージにタイミングを合わせる)のため、自分の思ったように力がなかなか伝わらない。
そのショットの強さには0~100の通常ショットと、□ボタンで切り替えるハードショット(0~200)の2種類のゲージがあるが、どちらもゲージの長さ・速さが同じというのも微妙。ハードショットのほうはせめてゲージの移動スピードを抑えるべきでは?ブレイクショットはまだいいとしても、細かい方向調整で的球を落としたい場合にはかなり苦労する。
Simple1500シリーズなのでゲームメニューが少ないとかボリュームが少ない…というのはもはや当たり前のことで、このシリーズの評価の基本は「新品1,500円として許される内容だったかどうか」というところになる。
ショットの部分に細かい不満点はあれど基本部分はよく出来ており、グラフィックもシンプルな見やすく出来ている。ここはさすがに元フルプライス商品といったところ。一方、ゲーム自体のボリュームはSimpleシリーズでも屈指の薄さで、テーブルゲーム系をなんとか上回る程度でしかない。一通り3種類のゲームを楽しんだら飽きる危険性すらある。
いろいろ差し引き考えていくと、さすがに1,500円の価値はないという結論に。当然ながら現在は中古で100円もせずに買えるので、そのくらいの値段だったら暇つぶしとしては十分だと思うが。