[Data]
ハード:Playstation
メーカー:D3パブリッシャー/MINT/PROPHET
発売日:2001.03.22
ジャンル:アクション
実勢価格:100~300円(中古価格)

評価:★★

[Review] 2011.11.30

Simple1500シリーズ vol.57 THE 迷路

 Simple1500シリーズより、2人対戦型の迷路脱出ゲーム。「Vol.35 THE シューティング」などと同じく、テレビ朝日系番組「D's Garage 21」の公募企画から生まれた作品。

 まず、発想自体はなかなか面白い。対戦する2人は赤青に分かれる。画面も縦に2分割され、左が1P(赤)・右が2PおよびCPU(青)となる。左右それぞれのスタート地点が相手のゴールとなっているので、相手のスタート地点にたどり着けば良いということになる。迷路の道中には赤青の鍵が落ちており、自分の色と同じ色の鍵を3つゴールまで持っていかなくてはならない。しかし、3つのうち1つは相手プレイヤーが持っている状態で始まるため、相手から自分の色の鍵を奪った上で道中の鍵を拾い、ゴールまで進むという流れ。

 キャラクターにはそれぞれHP(体力)とST(スタミナ)があり、スタミナは走ったり相手に攻撃を加えたりすると減る。(スタミナがなくなると息切れして一定時間動けなくなる)HPは攻撃を受けると減り、0になるとスタート地点まで戻される。相手を邪魔するための罠や各種回復アイテムなどもあり、それらのアイテム類をうまく利用して優位に進めていく。攻撃には近距離攻撃(パンチ・キック)と遠距離攻撃(ロケットランチャー)があり、使い分けて進むようになっている。

 オートマッピング機能が標準搭載されているが、マッピングするかどうかのオンオフがきくようになっていて、相手によってはオフにしたまま進んだりすることが出来る。これは対人戦の駆け引きツールとしては有用。どちらかというと、スタート時点での鍵の持ち方等を考えると、いかに相手を邪魔するかに重点が置かれたシステムだが、単純に早くゴールしたほうが勝ち…というよりは、まあまあ考えられたゲーム内容かなと思う。

 問題は、Simpleシリーズだからこそ(仕方ない部分でもあると思うが)の選択肢の少なさと、操作性の悪さ。選択肢の部分についてはいろんな意味がこめられているが、まずは選べるキャラクターの数。パワー・スピード・スタミナ・ワナ(ワナ等のアイテムを置くスピード)の能力が異なるキャラクターを選べるが、その数わずか4人。それもコギャル・オフィスレディ・サラリーマン・マッチョ というどういう意図で選ばれたのか良くわからない取り合わせと来ている。

 あとはアイテムの数。結局回復アイテムとその場に設置する罠・一定時間無敵になるスターしかなく、肝心の罠も発動する範囲が狭すぎ、置いたはいいものの脇をすり抜けられる。先に書いた遠距離攻撃のロケットランチャーも同様で、当たる範囲が狭すぎ、近距離じゃないとまともに当たらない。

 操作性の悪さに関しては、全体的に動きがもっさりしていること(特に左右の動き)と、真後ろをぱっと向けないのがどうにも。横にはステップで避けられるのだが、後ろに振り向いたりステップしたりができず、後ろから攻撃を加えられてしまうと場所によっては完全にはまってしまうことがあったりする。動きのもっさり感と合わせて非常に残念な部分。

 なんか、公募企画から生まれた作品というのがにじみ出た感じ。こりゃメーカーじゃ作らないだろうなっていう内容なんだよね。発想自体は悪くなかったと思うけど、いろいろ足りない部分が多すぎて遊べないというね。