[Data]
ハード:Playstation
メーカー:バンプレスト/バンプレソフト
発売日:2000.05.25
ジャンル:シミュレーションRPG
実勢価格:800~1,200円(中古価格)

[Data2]
ハード:Playstation Game Archives
配信日:2011.12.21
販売価格:1,543円

評価:★★★★

[Review] 2015.03.05

スーパーロボット大戦α

 さまざまなロボットアニメのロボット・キャラクターが同じ世界で戦う、バンプレストのクロスオーバーシミュレーション「スーパーロボット大戦」シリーズの1作で、前作「スーパーロボット大戦F 完結編」の1年後に発売され、2005年のPS2「第3次α」まで続くαシリーズと呼ばれる新シリーズの第1弾となった。

 戦闘にシリーズ初、待望のフルアニメーションを搭載したほか、マップの視点がクォータービューになるなど、F以前のシリーズからはグラフィック面で大きく様変わり。戦闘アニメーションのオン・オフが切り替えられるというのもシリーズ初だったが、演出が多様になり戦闘時間が長くなってきていた本シリーズでの導入は有難かった。
 せっかくフルアニメーションになったのに、その作品からカット機能が導入されるというのもずいぶん皮肉な話。製作スタッフ側からは不満の声が多数上がっていたとのことだが、同じ技を下手すると数百回見ることになるわけで、いくらアニメーションにこだわっていたとしても飽きてくるもの。いい判断だったように思う。

 そのほか細かい追加要素としては、距離によって命中率が変わる仕組みの初導入・クォータービューになったことによる高さの概念の登場(高い位置にいるほうが命中率アップ)などがあるが、個人的に一番良かったのは「移動後に発動できる武器が増えた」というところ。ガンダム系ユニットではビームライフルが移動後でも撃てるように変わっており、序盤は非常に役立つ。待ち戦法になりがちだった今までのシリーズに比べると、自分から相手の射程内に飛び込んでいけるようになったのは大きい。

 ユニットは相変わらずものすごい数で、最終話あたりになってくると100体以上のユニットを管理することになるが、最後まで使えるユニットは主人公機・νガンダムをはじめとしたファンネル持ち機体・真ゲッター・V2アサルトバスターなどに限られる。精神コマンド「幸運」を使わずともかなりの金額が手に入るので弱いユニットでも強化のしようはあるが…
 ユニットに対する基本能力や武器攻撃力の強化は今までのシリーズとほぼ変わらずだが、1回で複数段階・複数パラメータをまとめて上げることができるようになった。
 マグネットコーティングやプロペラントタンクなどの強化パーツもシリーズおなじみの要素。今回は、ストーリー上シナリオから外れるユニットの分は自動で装備が外れるようになっている。外す手間は省けてありがたいのだが、ストーリー展開上ほぼすべてのユニットがシナリオから外れる場面があり、そうなると次のステージあたりでユニットが戻って来たときに全てのパーツが外れているという事態に。マクロス系やダンバイン系のユニットはHPが少ないのでチョバムアーマーも馬鹿にならず、毎度毎度付け替える羽目になった。ユニットが装着中のパーツでも別ユニットに装着できる仕組みは元々あるので、パーツを外すかどうかはプレイヤーにゆだねても良かったのでは?

 ストーリーについては参戦作品が多くなってきたせいか、敵対する勢力が乱立しすぎて明らかに収拾がついていない感があるが、スパロボシリーズの宿命というところで仕方ない面が多いか。主人公機や魔装機神・SRXなどのいわゆる「バンプレストオリジナル」がストーリーの根幹部分に関わる作品となり、版権作品については(いつものことだが)初参戦作品のほうがストーリー上重視されているところはある。
 ストーリーでの目立ち具合やユニットの能力をふまえると、グレートマジンガー・コンバトラーV・ボルテスV・ダンクーガあたりがかわいそうな役回りになっている印象。超電磁の2機種は最後に取ってつけたような見せ場があるけど。

 全体を通しての難易度はかなり易しいほうだろう。序盤はスーパーロボットですら回避率が高く、どんどん突っ込んでいっても問題ないほど。中盤からはダンバイン系を中心に高回避率の敵が増えてくるが、主人公機やνガンダムあたりが反則に近いほど強く、単機で敵陣に乗り込んで全撃墜できるほどのレベルで、EXのビルバインを彷彿とさせる強ユニットぶりを発揮している。
 ラストあたりの無駄に耐久力が高い・自動回復付きの敵が大量出現するのだけがウンザリするところだが、シリーズ中でもクリアまでの道筋は容易い部類かと思う。

 細かく挙げれば、ユニットの移動速度がちょっと遅いかなあとか、カーソルの動きとクォータービューがいまいち合ってないとか、バグによる連続命中とかがあるが、全体的に丁寧に作られていて、スパロボ初心者にもオススメできる。ゲームアーカイブスにも早くから登場している作品なので、値段はともあれ(ちょっと高いと思うけど…)プレイしやすい状況にはある。