[Data]
ハード:Playstation
メーカー:ナムコ/日本テレネット
発売日:1998.12.23
ジャンル:RPG
推定売上本数:約55万本
実勢価格:150~300円(中古価格)

評価:★★★★

 

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[Review] 2012.01.06

テイルズ オブ ファンタジア

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 ナムコ(現バンダイナムコゲームス)の看板タイトルとなった、テイルズシリーズ第1作「ファンタジア」のプレイステーションリメイク作品。

 何と言っても、アクションゲームの要素を取り入れた戦闘システム「LMBS(リニアモーションバトルシステム)」が大きな特徴。PS版では発展型の「P-LMBS(プログレッシブ・リニアモーションバトルシステム)」になっていたが、 魔法が多段ヒットしたりするようになっている、らしい。

 王道とも言える武器と魔法のファンタジー世界を舞台とする。特徴的だったのは、現代から過去へ、そして未来へと時代を行き来するという展開。歴史が過去で変化する、いわゆる「タイムパラドックス」の要素も絡め、行った先々で新しい展開となる一般的なRPGの形でありながら、新鮮で飽きが来ないストーリー展開となっている。
 スタートしてからそれほど経たずにラスボスであるダオスが登場するというのもなかなか珍しかったように思う。当時で該当する作品と言うと…エストポリスシリーズくらいか?あれは冒頭から出てきたが。

 未来編に入るまでは徒歩と乗船しか移動手段がなく、さすがにゲーム中盤を過ぎるまでこの移動方法しかないのにはかったるい印象だったが、無駄に長距離歩かされることがほとんどなかったことと、サブイベントが豊富だったことでわりと救われている感じはある。

 惜しいのは、エンカウント率の異常な高さ。エンカウント率の上げ下げができるアイテム(ホーリィボトル・ダークボトル)は確かにあるのだが、ホーリィボトルでエンカウント率を下げてやっと通常のRPG並みとなるというのはどうかと…
 戦闘を中心としたバランスについては、後半の一部が極悪なだけで、普通にプレイしていれば詰まることもほとんどない。極悪な敵は本当に極悪なので注意したいところだが。ロボ&バンシーコンビとか、ブラックドラゴンとかあのあたりは非常に辛い。あとボスでは、序盤だとイフリート、終盤ではワイバァーンが強かった。最初に当たったときは近づけすらせず全滅したからな…

 クレスが秋沙雨絡みの奥義で足止め→アーチェとクラースが強力な魔法や召喚でアタックしまくり…でほとんどのボスが何とかなってしまうというのも、楽は楽だが奥深くはないよな、と。ミントが回復専門キャラのため、攻撃したもん勝ちなこのゲームだと使いどころがあまりないというのも。とにかくナースかリザレクションかけるだけという役回りになってしまう。

 戦闘終了後にTP(MPみたいなもん)が5%かな?回復するという仕様なので、ザコ敵相手にも魔法や召喚を連発するようなバランスで出来ていると思うが、前半はクリスの技が強すぎてあまり使わず(アーチェのサイクロンが無双なくらい)、逆に後半になるとアーチェはインデグニション以上、クラースもアスカやヴォルトなどを連発しないと戦闘が間延びする。エフェクトもある程度強いと長いわけで。
 戦闘の楽しさを重視したゲームだろうけども、もうちょっとスピーディに進むともっともっと良さが出たのではないかな、と。初代作品にこんなこと言うのもなんだが。

 ダンジョン内の数々の仕掛けも特徴的なゲームだったが、ノーヒントで全てをクリアするのはなかなか難しいんじゃないかな、と。教えてくれる人がいたり立て札があったりはするのだが全体的に説明不足気味で、いろんな場所を行き来するようなトラップが多いのに前述の通りエンカウント率が半端なく高い、というあたりが作り慣れてないのかなーという。
 炎を出せるアクセサリ「ソーサラーリング」も使う機会が結構あるのだが、その機会が特に明示されないのも困ったところ。ソーサラーリング以外に装備してフィールドでアクションを起こせるアイテムがなかったこともわかりにくさに拍車をかけてた気がする。

 全体的には面白かったが、改善して欲しい所も多かった。ストーリーから戦闘など、今でも引き込まれる要素は多いので、プレイして損はないかとは思う。