[Data]
ハード:Playstation
メーカー:エニックス/チュンソフト
発売日:1999.09.15
ジャンル:RPG
実勢価格:1,000~1,500円(中古価格)

評価:★★★★☆

[Review] 2015.01.20

ドラゴンクエストキャラクターズ トルネコの大冒険2 不思議のダンジョン

 不思議のダンジョンを奥深く冒険し、しあわせの箱をダンジョンから持ち帰って自分の店に飾ったトルネコ。それから半年後、村の屋敷や近くの森・城の地下・墓場など、周りが突然次々と不思議のダンジョン化する。トルネコはこの謎を解き明かすため、再び不思議のダンジョンへと足を踏み入れるのだった…。
 "1000回遊べるRPG"をキャッチフレーズに、ローグライクと呼ばれるジャンルを一般に浸透させた話題作「トルネコの大冒険 不思議のダンジョン」の続編となる、入るたびに形の変わるダンジョンを奥深く進んでいくRPG。製作は前作と同じくチュンソフトが担当している。

 前作をプレイしたことがあれば何一つ迷うことはないほど操作に変化がなく、すぐに入り込むことができる。□ボタンでその場での方向転換ができる(SFCでは同じ場所のYボタンだった)が、今作では矢印で向いている方向がさらにわかりやすく変わっており、同じようにR1での斜め移動縛りボタンでも矢印が出るように変更されている。
 □ボタンについては、モンスターが隣接している場合にモンスターの方向を自動で向いてくれる、ロックオン的な機能も追加された。今作は後ろに回り込む敵もいる(ようがんまじん系)ので、この仕様は地味に助かる。
 ストーリー進行上でも、アイテム一つ一つに説明を入れてくれる最初のダンジョン「ちょっと不思議な草原」から始まり、矢が大量に落ちていて使い方を学べる「屋敷のダンジョン」・杖が大量に落ちている「お城のダンジョン」・草が大量に落ちている「墓場のダンジョン」・巻物が大量に置いている&罠が初登場する「火吹き山」・店が初登場する「迷いの森」…と、すべてのアイテムやギミックの使い方を覚えながらストーリーが進行できるようになっている。
 村の人々もダンジョンをクリアするごとに話す内容が変わり、ステータスやアイテムの解説からちょっとしたテクニックに至るまで様々なヒントをくれるので、シリーズ初心者でも全く問題なくスタートすることができる。

 トルネコシリーズとしては5年ぶりの新作ということで追加された要素は数多いが、その間に同じ不思議のダンジョンシリーズ「風来のシレン」が出ており、シレンのシステムが今作に採用されているものが多くなっている。
 代表的なものが「壺」で、中にアイテムを保存していつでも取り出せる「保存の壺」や回復できる「回復の壺」・近くのアイテムを吸い寄せられる「盗賊の壺」など、14種類の壺が新しく追加された。

 こちらもシレンからの採用だが、「合成システム」も初登場。ある程度ストーリーを進めると登場する合成屋か一部ダンジョンで搭乗する「合成の壺」で、武器や盾どうしの合成が可能になった。武器や盾についている能力を合成によって別の武器・盾に付加することも可能になり、いろんな武器・盾の能力を乗せるだけ乗せた、いわゆる「トッピング全部乗せ」みたいなことも。後ろに付く+の数字も単純に足したものが元となるアイテムにつくだけと簡単で、あまり考えずにどんどん合成していける。
 指定のアイテムを持っていくと武器・盾を強化できる鍛冶屋も初登場。こちらは指定のアイテム探しが面倒なうえ、バイキルト・スカラの巻物とやっていることは一緒なのであまり使いどころがなかった。そのほか、ダンジョン突入前のレベルアップやスタート階の変更などが出来る魔法屋や、広場にはパン屋も出店するなど、村自体も大きく様変わりした。

 もちろん、クリア後のお楽しみも完備。不思議のダンジョンを100回まで進めることができるようになるほか、前作同様にもっと不思議のダンジョンも登場。井戸のダンジョン・試練の館などのお楽しみダンジョンも登場している。
 さらに、クリア後限定で「転職」システムが導入され、ジョブチェンジもできるようになった。巻物・杖・指輪が使えないが、剣・盾に様々なスキル(わざ)を付けて戦うことのできる「戦士」と、武器・盾・矢が装備できないが、レベルアップごとにランダムで覚える呪文を駆使して戦う「魔法使い」の2種類が追加され、もともとの「商人」と合わせて3つのジョブで楽しめる。

 率直な感想としては、前作と全く変わらないということにまず驚いた。変わらない操作・ロード時間もダンジョン内ではほとんど感じず、上記の通り□・R1ボタンの使い勝手は上がった。
 難易度は、不思議のダンジョンクリアまでなら前作より簡単。ダンジョンで目的を達成した場合、前作であれば地上へ戻ってくる工程が必要だったが、今作ではそこから自動で地上に帰ってくる。
 もうひとつ、これはハード的に仕方のないことだが、ソフト内のバッテリーバックアップ採用で自動セーブがついていた前作と違い、今作ではセーブ媒体が外部のため自動セーブが効かず、やられた際のリセット→やり直しが効いてしまうのが難度低下の一番の要因になっている。(使わなければいいだけの話だが…)

 クリア後のおまけは難しいものが多くて歯ごたえも十分味わえるので、前作以上に間口が広くなったという言い方が正しいだろう。この手のゲーム初プレイにもオススメできる優秀作品。