[Data]
ハード:Playstation 2
メーカー:カプコン
発売日:2005.07.21
ジャンル:アクション
実勢価格:300~400円(中古価格)

評価:★★★☆

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[Review] 2012.07.21

戦国BASARA

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 戦国時代を舞台に、著名な武将を操り国捕りを進め天下統一を目指す一騎当千型アクションゲーム。後にシリーズ化された人気作品の記念すべき第1弾タイトル。

 登場キャラクターは一部を除き実在した歴史上の人物だが、時代背景はかなりずれており、例えば1573年没の武田信玄が1567年生まれの伊達政宗(しかもゲーム中では当然成人しているはずの)と戦を交えたりしているといった具合。ほかにも各武将の見た目の年齢と歴史上の年齢はほぼ合致していない。(徳川家康あたりが一番わかりやすいが)

 登場キャラクターは今までの戦国武将キャラクターでは考えられないほどに特徴的で、英語を話す六刀流の伊達正宗から始まり、超熱血キャラの真田雪村・完全にロボット化している最強武将の本田忠勝・どこかぶっ壊れた明智光秀に円月輪を振り回す毛利元就などなど、強いインパクトを持つキャラクターが揃う。声優陣も中井和哉・保志総一朗・若本規夫・速水奨・朴璐美・玄田哲章・桑谷夏子…と豪華面子で盛り上げてくれる。プレイヤーとして使用できるのは16名で、敵武将としてのみ登場する主要キャラが5名。
 時代背景やキャラクター面を見てもわかるとおり、”モチーフは戦国時代だが中身は完全にオリジナル”であり、とりあえずは実在する人物や一般的に知られている架空人物を土台に据えたことは、このゲームの敷居をうまく低くすることに貢献したのかなと思う。

 基本操作は先に出ている光栄の無双シリーズとほぼ同じで、□で通常攻撃・×でジャンプ・△が固有技。このシリーズならではの部分としては、固有技を出陣前に2種類選択するというところ(最初は2種類だけだが、武将のレベルが上がると3種類以上になるのでうち2つを選択)くらいだろうか。まあ新鮮味はないが覚えやすい。左下の青ゲージを溜めることで発動できるバサラ技(超必殺技のようなもの)が○ボタンとなっている。

 光栄の”本家”無双シリーズと比べると、とにかく多数の敵をなぎ倒すという”爽快さ”を重視して作られているのがよくわかる作り。全体的に攻撃範囲が広く、コンボを繋げやすい(これは次回作以降でさらに顕著になるが)上、ザコ敵もどんどん自分側に攻めてくるので、何人もの相手をいっぺんに…というなぎ倒す感は無双シリーズよりもはるかに上。無双シリーズのザコ敵だと、どうしても自分の周りにくると一定範囲外をうろうろするようなアルゴリズムになっている作品が多いような印象だったので。
 ステージ敗北条件が「自分の死亡のみ」で味方武将の生存がステージクリアに絡んだりすることがないため、あまり頭を使わなくても猪突猛進で行けるというのも大きい。
 ゲーム開始時に選択できる難易度は「普通」と「難しい」の2種類で、敵の動きはそこまで違わないが食らうダメージに大きく違いが出る。武将はそれぞれ使っていくとレベルアップして能力が上がっていく(+ステージクリアで手に入る装備アイテムで上乗せできる)ので、普通→難しいの順番で進めていけば、さほど難しくはない。しかし、その後出てくる難易度「究極」だけは食らうダメージがかなり大きいために苦戦必至。ボス戦では1回ラッシュを食らうとあっという間に瀕死に追い込まれる。
 この難易度によって手に入るアイテムが異なり、難易度が高いほうが優秀な武器・アイテムが手に入る。つまり、いろいろアイテムを集めていくと行き着く先は難易度「究極」になるわけだが、究極はさすがに無理!というプレイヤー向けの救済措置?として「おみくじ」という難易度も用意されている。これは、難易度&難易度に対応する入手アイテムが完全ランダムになるというもの。運がよければ、難易度「普通」で「究極」にしか出ないようなアイテムが手に入ることもある。逆に難易度「究極」なのに「普通」で出るアイテムしか手に入らないこともあるが。

 ゲームメニューは、武将を一人選んで隣国を攻め落とし、最終的に全国を統一するのが目的のメインモード「天下統一」と、好きな武将・好きなマップを選べる「自由合戦」・後はキャラクター紹介や音楽が聴けたりする「ギャラリー」の3種類と非常にシンプル。
 天下統一に関しては、領地の数は全部で15ある(スタート時点で2つ以上持っている武将もいる)のだが、敵武将もそれぞれ他国を攻めあがって領地を広げるように動くため、天下統一までのステージはおそらく7~8ほどになるだろうと思われる。
 開始時・クリア時のムービーを除けばストーリーらしきものもほとんどなく、せっかくのキャラクター性を持つゲームなのに生かしきれていないのは残念。各武将のレベルと統治国数表示はあるものの、「どの武将で、どの難易度で天下統一したのか?」という部分が非常にわかりにくい(というよりぱっと見わからない)。各武将のところにCLEAR表示だけでも欲しいところだった。
 伊達政宗や武田信玄・上杉謙信などの東側の武将でスタートした場合、西に攻めあがっていくとほぼ島津義弘が西側の大半を手中にしており、長曾我部元親や毛利元就と戦えずに終わってしまうことがあまりに多すぎるのも微妙だった。

 総じて、操作もゲームメニューもかなりシンプルでわかりやすいが、メインモードがひとつしかないため飽きやすく、さまざまな要素をコンプリートするまでの魅力は薄い。逆に、さらっとプレイする分には爽快感も高く、1ステージも無双シリーズより短いものが多いため遊びやすい。基本部分はよく出来ており、無双シリーズをうまく研究したと思う。
 キャラクターに魅力を感じた方はもちろん、難易度よりもとにかく爽快感を求めたい方にぴったり。PS3でHD版も出るので、今買うならHD版でいいかもしれないが、PS2版も今プレイして十分なクオリティはある作品。