[Data]
ハード:Playstation 2
メーカー:タイトー/ゼネラルエンタテイメント
発売日:2002.08.01
ジャンル:アクション/シューティング
実勢価格:100~300円(中古価格)

評価:

コンバットクイーン

 グラビアアイドルとして活躍する5人(周防玲子・大谷みつほ・三津谷葉子・小池栄子・曲山えり)を主役に、フル実写+CGムービーで展開するアクション&シューティング。三津谷葉子や小池栄子など、今でも活躍する有名どころが出ていることに加え、ブレイク前の水川あさみも出ていたりする。
 昆虫型のロボットに支配された近未来の東京を舞台に、美女アンドロイドたちが戦いを繰り広げる。一人称視点で照準を合わせて打ついわゆるレールシューティング(ムービーシューティングモード、以下ムービーモード)と、キャラクターを操作して敵を打つ3Dシューティングモード(バイオハザードみたいなタイプ、以下3Dモード)の2つのモードで展開される。
 開発元のゼネラル・エンタテイメントは、PS「ALIVE」やPS2「ØSTORY」などの実写ゲームをいくつか手がけており、翌年2003年にゲーム製作から撤退しているので、結果的に今作は実写ムービーゲーの集大成的な内容となった。(2011年に倒産)

 体力・残弾数は最大で300となっており、残弾がなくなった場合、体力から補充できるというシステムとなっている。体力・残弾ともにステージクリアごとに成績によって一定量回復するほか、3Dモードでは道中で拾うことも出来る。

 まず、基本となるムービーモードについてだが、照準を合わせての射撃と溜め打ちの2つのみ。溜め打ちは最大9発の弾が発射されるほか、ホーミング性能もつくなど高性能だが、最大9発分の弾数も消費するため、高コスト。逆に単発射撃は高速で動く敵オブジェクトに対してまったく使い物にならず、ほぼ溜め打ちで進むことになる。
 単発も溜め打ちも当たり判定の基準はよくわからず、ホーミングがついているにしても広すぎる溜め打ちの判定などで戸惑うこと必至。ホーミングの使い勝手が良すぎてすぐ弾切れに陥りやすく、体力との調整を強いられる。

 もうひとつの3Dモードについては、方向キー左右で左右回転・上下で前後に動くというバイオハザードのようなスタイル。R1で構えて○で射撃。こちらもムービーモード同様の溜め打ちもあるが、ホーミングはついていない模様(まっすぐ飛んでいく)。
 せめてバイオハザードと同じように作ってくれればそこそこいい内容になったと思うのだが、致命的なのが「構えてからの自動ロックオンがない」ことで、とにかく敵に照準を合わせにくい。じゃあ避けていけばいいんじゃ…と思うところだが、敵の配置が見事に進行方向を邪魔しており、何体か倒さないとまず進めないようになっている。
 ムービー同様にこちらも全体的にとにかく暗く、進行方向がわかりにくいのも難点。落ちると一発ゲームオーバーになる場所があったりと、見やすく作っていれば…というところは数多く見られる。

 ちなみに、ボス戦にもまれに一撃死の場面があり、何の前触れもなく攻撃を1発喰らったらいきなりゲームオーバー画面が流れるという唖然とする展開を一度は経験することになるだろう。

 さて、最大のウリと思われる実写ムービーは合計2時間以上とボリュームはかなりのもの。演技もグラビアアイドルということを考えればよく頑張っているほうではないだろうか(演技的にもだいぶマシなところを集めた感じに思える)。問題は演技とかそういう以前に、ムービーが全体的に暗すぎて演出もへったくれもないというところ。明らかに光源不足だと思うが、これは収録する前にわかるだろう。
 もうひとつ、ムービーは全てスキップ不可という仕様も痛い。ステージの合間合間に最大10分近くのムービーが挟まるため、上記の一撃死に巻き込まれた後の再開がとにかく面倒。

 ステージごとに一定の特典を獲得すると、スペシャルムービーが手に入る。このムービーはクリア後に登場する「SPECIAL MODE」で閲覧できるようになっており、主演5名のプライベートショットがふんだんに収録されたものになっている。ムービーを取り損ねたステージに関しては、ステージ単体で再チャレンジできる(こちらはムービーもスキップ可能)。

 ストーリーは正直あってないようなものなので、おまけ含めてグラビアファン向けといった感じ。基本システムの粗が目立ち、ゲーム部分は褒められるところがほとんど出てこない。安ければ話のタネに、というくらいのレベル。実際安いけど。