[Data]
ハード:Playstation 2
メーカー:バンダイナムコ/ωフォース
発売日:2008.02.28
ジャンル:アクション
実勢価格:400~500円(中古価格)

評価:★★★★

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[Review] 2012.08.23

ガンダム無双Special

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 「三国無双」「戦国無双」などの無双シリーズを生み出したコーエーと、ガンダム関連の様々な作品を発売してきたバンダイナムコゲームスがタッグを組んだ一騎当千型アクションゲーム。コーエーからの企画持ち込みだったという(Wikipedia参照)。
 PS3版としては2007年に発売していたものだが、1年も経ってから性能の劣るPS2へ移植された、所謂「逆移植」ということで一部話題となったことがある。しかもPS2版は後述のオリジナルモードに追加エピソードがあるなどボリュームも少しだが上がっていて、PS3版の売り上げが乏しかったからか?などと揶揄されていた。
 当然ながらハードの性能が段違いなわけで、PS3では表示できていた多数のモビルスーツもPS2版では表示しきれず、画面上の表示最大数は減っている。プレイしていて何となくの感想だが、表示される数が減ったのでPS2版のほうが敵MSから狙われにくくなり、ちょっと簡単になっていたような気がする。何となく。

 今回は人間ではなくモビルスーツを操るということで、今までになかった×ボタンでの「ダッシュ」が追加され、他のシリーズよりもさらにスピード感のある動きが出来るようになったほか、一部のMSではジャンプ中のダッシュで変形(一定時間の高速飛行)も可能となった。単純比較するのもどうかとは思うが、このダッシュがあるだけで今までの無双シリーズとは別ゲームのような爽快感となっており、ここは理屈抜きに面白い。
 そのほかの動きは無双シリーズに準じており、何かしら作品をプレイしたことがあるならまったく違和感はない。SPゲージを溜めて発動するSP攻撃については、ゲージがあっという間に溜まるので従来作品と比べるとかなりの乱発が可能。

 宇宙を舞台にすることも多い作品ということも考えてか、今シリーズではマップ中に「フィールド」と呼ばれるエリアを設けている。フィールド内で敵MSを一定数倒すか、MSを一定数倒した後に登場する隊長機を倒すことでフィールド制圧となり、そのフィールドは自軍のものになるか、消滅する。このフィールド数によって一般MSの強さに影響を及ぼすという仕組み。広い戦場を制圧していく感が味わえて、なかなか面白い。

 主なゲームメニューは、原作のシナリオ通りにストーリーを進行させてゆく「オフィシャルモード」と、謎の惑星を舞台にした「オリジナルモード」の2つ。オリジナルモードでは時間軸や作品といった枠がすべて取り払われ、プレイヤーキャラクターの18名や敵ユニットのキャラクターがすべて登場する。
 オフィシャルモードはアムロ・カミーユ・ジュドー・シャア(&クワトロ)・ハマーン・シロッコの6名で、最大4つのミッションをクリアする。アムロ・シャア・カミーユは4つあるが、ハマーンは3つ、ジュドーとシロッコに至ってはミッション2つと短く、この内容でわざわざオフィシャルモードのキャラクターに組み入れる必要があったのか?というあたりが少し疑問。

  もうひとつのオリジナルモードだが、ボリューム的にはこちらが今作のメインモードの扱いだろう。オフィシャルモードで登場した上記6名に加え、エマ・ジェリド・ルカ・プル・プルツー・ドモン・東方不敗・ヒイロ・ミリアルド・ロランが参戦。それぞれの思惑でいくつかの戦力(グループ)に分かれていて、ストーリーも戦力ごとに異なっている。
 そのほか、PS2版オリジナル要素で武者ガンダム&武者ガンダムMK-IIをプレイヤーとして使えるが、どちらも性能はチートに近い。特に武者ガンダムは、チャージ攻撃(△)の中に多段ヒット&高攻撃力&高攻撃範囲という完全チート攻撃が存在する。とにかくなぎ倒したい人には向いているとは言える。簡単なので。
 やってることはオフィシャルもオリジナルも同じなので、オリジナルモードは単純に「時代背景も何もかもを超えたハチャメチャ感を楽しむ」という内容。個人的には、ドモンとともに名乗りを上げるプル・ミリアルドのシナリオが秀逸。そのほか、クロスオーバー作品らしいムービーが各所に散りばめられていて、新しい感覚で楽しめる。

 難点を挙げるとすると、最終ミッションあたりの隊長機(パイロット機)が堅すぎてむやみに時間がかかるというところ、それとフィールドがいくらなんでも広すぎではないか?というところ。
 隊長機の硬さについては、最初のミッションではほとんど気にならないが、後半になってくるとすさまじい硬さになり、1発1発で当たるダメージが雀の涙ほどでしかない。SP攻撃が当たりにくいキャラクターはさらに悲惨なことに(キュベレイとかがいい例)。
 フィールドについては、ダッシュ→ダッシュ→ダッシュ…を繰り返して移動しないと相当時間がかかるくらいの広さ。ジャンプしてからのダッシュ(ブーストダッシュ)についても一定時間で勝手にダッシュをやめて降りてきてしまうので、ボタンを一定ごとに押さなければならず、ちょっと面倒(変形可能ユニットについては押しっぱなしで問題ない)。
 フィールド制圧→一定の隊長機を倒す→フィールド制圧…が基本なので、ちょっと作業っぽくなりがちな部分もあるが、動きの良さと爽快感の高さでうまく中和していたように思う。

 無双シリーズの新機軸。ガンダムファンだけではなく、無双シリーズファンにも十分お勧めできる作品。