[Data]
ハード:Playstation 2
メーカー:アトラス
発売日:2003.05.15
ジャンル:スポーツ・野球
実勢価格:200~300円(中古価格)

評価:★☆

2003年開幕 がんばれ球界王 いわゆるプロ野球ですね~

●概要
 アトラスから2003年に発売されたプロ野球ゲーム。2002年終了現在のデータを採用し、シーズン中のトレードや新外国人補強・ドラフトやFA・契約更改などのチームマネジメントも出来るペナントレースモードが特徴。
 粘土で作る「そっくり人形」で知られる人形作家の山本淳一氏が監修に携わっており、登場する選手たちはすべてバブルヘッド人形のような2頭身のキャラクターとして描かれている。

●ゲームメニュー
 ゲームメニューはシンプルで、1試合のみを戦うオープン戦と先に説明したペナントレースモードの2つのみ。オプションも振動・BGM・音声のあるなしだけが選択できるというシンプルさだ。
 メインとなるのはもちろんペナントレースモード。チームマネジメント要素がついているが、主に「トレード」「新外国人選手の補強」「ドラフトによる新人選手の補強」「FA・入団テストによる選手獲得」が可能だ。

●基本操作
 打撃・投球画面はパワプロなどでおなじみの捕手視点で、打撃時はL/Rでミートかパワーかカーソル選択。L2/R2でバットを持つ長さの変更が出来る。投球は十字キーで球種を選び、選手上に表示されるパワーゲージと投げるコースを合わせて投球する。ここはそれほど他ゲームと変わっているところはないので、すぐ馴染む操作系だ。
 打撃面では、投球前からカーソルを置いておいた場所に投球が来た場合に打撃ポイントが大きくなる「決め打ち」が導入されており、ある程度コースを予測してのプレイが有効。

 決め打ちがあるのである程度バットには当たりやすい仕組みだが、それでも変化量の多いものは厳しい。一部選手の変化球は鬼のような曲がり方でまったく打てないこともしばしばで、投球・打撃速度と曲がる量が一致していない。野球ゲームの中では難しい部類になるかと思う。
 ピッチングはCPUの難易度によって大きく変わり、やさしいだとストライク⇒ボールになるように変化球を投げていれば全振りしてくれるレベルだが、難易度を上げると当たり前のように決め打ちを使われるので、打たれないという選択肢はほぼないと言っていい。
 守備については完全セミオートで、打球に追いつくまでの操作はすべてCPU任せ。打球が飛んだ時のカメラアングルは明らかにセミオートを前提としたものになっており、フライが打ち上がると空しか見えないようなアングルになったり、ものすごいアップになったりと臨場感はある。そういったいいところもある分セミオートが何でもかんでも悪いとは言わないが、せめてマニュアルと切り替えが欲しかった。
 走塁については、明らかなフライの時以外は帰塁も含めてマニュアル操作が求められる。先行入力が利きすぎるのか、先の塁に勝手に進んでしまうことが何度かあったのは気になるが、まあ許容範囲か。

●ペナントレースモード:詳細
 新外国人や新人選手については、やきゅつくなどであるような「探索」の要素は全くなく、選ぶともう選手がピックアップされているのでその中から選ぶといった形。最大選手数が28名しかいないので仕方ないのかもしれないが、選手を獲得すると必ず解雇選手を選ばなきゃならなくなるのが心苦しいところ。
 ドラフトはピックアップされるのが12名だけで、1球団につき1名のみの指名。1名はまだいいとして、ピックアップが12名しかいないので上位になると選べる選手の数自体が少なく、欲しいポジションの選手がいないこともザラというのはさすがに仕様としてどうだろう。

 その後のFA選手獲得やテスト入団選手獲得もそうだが、何せ最大選手数が少なすぎて、獲得する分だけ解雇しなければならないような状態になってしまう。投手12・野手16で固定されているのも良くわからず、そこは合計28ではだめだったのか?という。やきゅつくもこの頃はMAX32名だったなとも思うが、こういう要素は手持ちの選手が多くないとなかなか入れ替えられないからなあ、と。
 トレードも初期やきゅつくを彷彿とさせるかのような雑査定で、適当な中堅3名で相手のエース2名をぶん捕れるという有様。

 獲得要素があるので「手持ち資金」という要素もあるにはあるのだが、難易度普通で手持ち100億スタートという明らかに多すぎる資金のためやりくりする要素は0で、とにかく金かけていい外人やFAかっさらえばいいみたいな状態だ。

●総評
 メニューの余りの少なさ・ペナントレースモードの中途半端な中身も気になるが、それ以前に基本操作の部分がしっくり来ないというところが大きい。キーレスポンスや動き自体は比較的きびきびしているだけにもったいない。マネジメントも総じて簡単だけど中途半端で、長年進めようかという感じにはなかなかならないだろう。