プロ野球スピリッツ2
2012年現在も続いている、コナミの人気野球ゲームシリーズ「プロ野球スピリッツ」の2005年版。シリーズとしては本来「2004」「2004クライマックス」に続く3作目だが、初期2作を2004年版とひとまとめにし、今作が正式な「2」となっている。2004~2005年にかけての球界再編で誕生した新球団・東北楽天ゴールデンイーグルスを始めて収録したゲームでもある。
このころはまだリアル系プロ野球ゲームにライバルがいたのだが(バンダイナムコの熱スタシリーズ。この頃は熱チュー!プロ野球~ベースボールライブ2005)、そのバンナムの野球シリーズも2007年を持って終了となったので、現在ライバルなしの独壇場といった形。ウイイレに対するEAのFIFAシリーズがあるように、このゲームにもライバル関係のソフトが1つはあるべきではないかなーと勝手に思っているのだが。同じコナミのパワプロがライバルではちと悲しい。
2004をプレイしていないので前作までとの比較は出来ないが、プレイをこなすことでためられる「VP」を使った様々な解禁要素・スピリッツモードでのオリジナル選手育成など、基本となるゲームメニューはこの時点でほぼ完成されていた。
ボールスピードやロックオン方式など、様々な方法で難易度の変更が効くので、初心者にも上級者にも楽しめるという間口の広さが最大の特徴。今まででも初心者に優しい野球ゲームはいくらでもあった(ファミスタシリーズがいい例)が、上級者もリアルスピードで楽しめるというゲームはなかなかなく、グラフィックの良さだけではないこのシリーズならではのメリットとなっている。
グラフィックはこの作品からすでにかなり高いレベルにあったが、投球フォームが全体的にぎこちなく、セットポジションでのフォームは全員超クイックなのが違和感あり。例えて言うなら元中日→巨人の前田幸長投手くらいのクイックを全員が行うような感じ。打撃フォームは汎用が多いかなーと思うところはあるが、こちらは投球フォームより高水準。
守備については、モーションによってちょっともたつくと言うか、異様にゆっくり動くようなモーションが散見されるが、これだけリアルに作ってあると、現実ではありえない動きを見ただけでそれが違和感になってしまう。要改善といったところ。打球の飛び方と守備のバランスはとても高いレベルにあり、これも2005年の時点でほぼ完成されているというのは凄い。
あと、ちょっとアングルが選手により過ぎて周りを把握しにくいのが難。これについては次回作以降で直るのだが(引き気味の視点が用意されたので)。
試合開始前のロード時間があるものの、試合中はロードらしいものを感じることはほとんどなく、演出もどんどんスキップできるのでとにかく軽快にプレイすることが出来る。
今の作品と比べるとさすがに粗は目立つものの、当時を考えればグラフィック・ゲームバランスともに野球ゲームの代表作の一つといって問題ないクオリティ。ベースボールライブと一長一短があるので、ここはもう好みの問題かなあと。