[Data]
ハード:Playstation 2
メーカー:タイトー
発売日:2005/07/28
ジャンル:3D格闘アクション
実勢価格:2,500~3,500円(中古価格)

評価:

[Review] 2009.04.03

ローゼンメイデン ゲベートガルテン

 コミック・アニメで大人気を博した「ローゼンメイデン」のPS2ゲーム化第2弾。第1作目は(プレイしてないんだけど)アドベンチャーゲームだったようなんだけども、今回はいきなりの格闘アクションゲームになった。

 タイトーの格闘アクションと言えば、今は懐かしいゲーメスト大賞も取った「サイキックフォース」(特に2012)が有名。ローゼンメイデン自体が空中バトルを基本とする内容だったため、ファンからの要望があったとのことだけど詳細不明。メインはアニメ第2期「ローゼンメイデン トロイメント」のストーリーを追う「ストーリーモード」で、基本ストーリーはアドベンチャーパートで、戦闘は3D格闘アクションで、という形になっている。

 3D格闘アクションゲームとしてリリースされているはずなのだが、ストーリーモードをクリアしないとフリー対戦(アリスゲームモード)ができないっていうのはどういうことなのかと…。あとトレーニングモードなどもありません。

 まず、アドベンチャーパートについて。こちらは文章を読み進める一般的なもので、ほぼ基本機能になりつつあるスキップ・既読回想・オートモードを取り揃える無難な作り。クリアまでの時間が1時間ほどと短く、話自体もかなり端折られているため、これだと原作ファンすら突き放してるんじゃないのかな、とか思うんだが。
 真紅やジュンをはじめとする登場各キャラは立ちグラしかなく、あとは全て1枚絵のCGでカバー。思い切った作りだが、立ちグラフィックが左右に動いたりするだけという演出はさすがに古い。せめて多少でも動かすとか、見せ方に工夫がほしいところ。アニメ作品が元ならばなおさら。

 次に格闘パート。サイキックフォース同様の360度バトルということで、サイキックフォースの大好きなわたくし、大分期待しておりましたが…正直これはひどい。と言う内容。

 確かに基本システムはそれっぽい。弱&強攻撃とガードの3ボタンが基本で、サイキックフォースのPSYゲージにあたる「ミーディアムコネクションゲージ」(クイックチャージはないが)がある。遠距離での弱強攻撃が飛び道具に変わるのもサイキックフォースと同じ。
 本家では弱強同時押しだったダッシュはR1に割り振られたほか、×で投げ・L1で超必殺技など、通常必殺技以外の全てが1ボタンで出せる。このあたりだけは褒めたい。
 ただ、コンボはないし補正ないし超必殺技はガード不可だしキャラによっての性能差が露骨過ぎるし投げの後は投げ反撃確定だしそもそも投げ出すと相手に近づいていくというよくわからん仕様だし…

 キャラ性能に関しては、通常必殺技が鬼のような強さを誇る蒼星石と、遠距離攻撃中心に強力な必殺技を持つ水銀燈の2人が鉄板。特に蒼星石に関しては、通常必殺技2種類がともに必殺技→必殺技→…(以下ゲージある限りいくらでも)と繋がるという鬼加減。
 逆に真紅や金糸雀は必殺技が貧弱すぎてほぼ使えず。一応メインの真紅にここまでの仕打ちはないだろう。飛び道具なのにリーチ短いロイヒテンダー ルビンと相手に突進して密着するまで攻撃判定のない隙だらけの技・ロート アンシュトゥルム。おそらくこのゲーム最弱だろうと思う。
 各キャラともに近距離弱強攻撃はリーチが短すぎて全くと言っていいほど使えず、弱に至っては相手のやられ判定が小さいのでほぼ反撃確定、という恐ろしい技に仕上がっている。
 基本の動きとしては、遠くから飛び道具系を打って時間稼ぎ→ゲージをためて超必殺技を放つの繰り返し。格闘ゲームとしておかしいでしょ、これ。スピード感溢れる展開はこのシステムでは到底望めない。

 製作者の方に聞いてみたい。プレイして本当に面白いと思ったか?

 それがサイキックフォースをプレイしているようなプレイヤーならなおさらだ。あのゲームはスピーディーな展開と攻撃・投げ・バリアガードの3すくみがうまく機能していたからこその良ゲーだったはず。
 まあそもそも格ゲーとして作られた作品とこの作品を一緒にしちゃいけないことだとは思うのだが、既存資産(特にPF2012のシステム)を普通に流用するだけで素晴らしい内容になったはず。大枠だけ似せた上で中身はガタガタでは意味がない。

 原作ファンも格ゲーファンも両取りしようとした挙句どちらも完成未満になってしまった。サイキックフォースって2012以来続編らしきものが一切出てないので、そういった意味でも失望の非常に大きかった作品でした。