[Data]
ハード:Playstation 2
メーカー:コナミ
発売日:2000.11.16
ジャンル:ガンシューティング
実勢価格:300~400円(中古価格)

評価:★★

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[Review] 2012.11.09

SILENT SCOPE

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 アーケードで大型筐体ゲームとしてヒットを飛ばした、コナミのスナイパーシューティングゲーム「サイレントスコープ」の家庭用移植作品。アーケードの完全移植に加え、家庭用ならではのトレーニングモードが追加されたもので、このPS2版のほかにドリームキャスト版も発売された。

 与えられたミッションの中で、ターゲットとなる敵部隊やボスを照準を合わせて撃ち抜いてゆくゲーム。ステージには制限時間があり、ターゲットを打ち抜くことで制限時間を伸ばすことが出来る。ターゲットの頭にヒットすると「HEAD SHOT」となり、プラスされる残り時間が増えるほか、高得点となる・耐久力が設定されているボスターゲットでも一撃で倒せるなどの恩恵がある。
 スナイパーならではの細かい照準合わせが必要になるが、ステージの時間制限があるためにゆっくり照準を合わせる時間はないという、なんだか相反するようなシステムが採用されている。元がアーケードゲームなんだから仕方がないというところか。
  この手のゲームによくある”ステージ内のアイテム”は用意されていないものの、代わりに「ライフアップガールズ」が登場。ステージ中必ず1人はいる美女をスコープ画面で捕らえると、ライフが1つ回復するようになっている。
 ライフルのリロードは自動で行われるため、プレイヤーの操作範囲は照準の移動とライフルの発射のみ。メイン画面でおおまかな場所を探して照準を動かし、スコープ画面で細かな照準を合わせて撃つ。これだけと言えばこれだけの内容だが、離れた標的を一撃で狙い打つという感覚は他のゲームではなかなか味わえなかった部分なので、ここは素直に面白い。

 アーケードではライフルがかなり大きく(スナイパーライフルらしい大きさと言えばいいか)、肩に担ぐようなイメージでスコープを覗き込んで撃つのだが、当然家庭用でそんなことが出来るわけがないので、コントローラのアナログスティックで照準を合わせる。×ボタンが画面切り替えに割り当てられているが、何も押さない状態でスコープ画面になっていて、×ボタンを押すとスコープ画面→メイン画面になるという作り方はうまい。

  とまあこんな感じの内容なのだが、何回もプレイしていくと、このゲームの行き着くところはひとつしかない。アーケードの完全移植タイトルでありながら、ライフル筐体は移植できないというところだ。
 アーケードからこのゲームは結構な難易度を誇るのだが、特に時間制限が厳しい作りになっていて、すばやくターゲットを打ち抜いて制限時間を延長しないとステージクリアに行き着かないバランスになっている。この”すばやい動き”というのが「ライフルだからこそ出来ること」なのが今作の問題。
 コントローラで動かす際、スコープ画面の細かい動きには何とか対応できる(遠くのターゲット相手には若干苦しいが)のだが、メイン画面で端から端まで移動する際の照準の動きがどうしても遅くなってしまう。イライラするほど遅いわけではないが、この細かな差が時間にシビアなこのゲームでは致命傷となる。
 ライフルの照準を一瞬で動かすようなすばやい動きが再現できないのであれば、そもそも完全移植する意味がない。むしろこの遅さを仕様と割り切って、家庭用ならではのバランスに作り直すべきだった、もしくはそういったバランスのモードを追加するべきだったのでは?

 せめてガンコンみたいなガンコントローラに対応でもしていれば違った見方になっただろうけどね。ちなみに海外ではXboxでも発売されていて、しかも専用のライフル型コントローラ「ライトライフル」も出ていたのだとか。日本では専用コントローラはなかなか売れないから仕方ないとは思うんだが。(どうせ今の液晶テレビには対応しないんだろうし)