[Data]
ハード:Playstation 3
メーカー:スパイク/Techland
発売日:2011.10.20
ジャンル:オープンワールドアクション
実勢価格:300~500円(中古価格)

評価:★★★

DEAD ISLAND(デッドアイランド)

●ストーリー
うずまく恐怖。暴力。狂気。混乱。美しき南国の楽園は地獄と化した!
突如ゾンビに覆い尽くされた南の島は、混沌の地へと姿を変える。
外界との連絡は一切絶たれた。
生き残る道はただひとつしかない。
それは、死に物狂いで戦い抜き、島を脱出すること――

●概要
 地上の楽園と呼ばれ、高級リゾート地として開発が進む「バノイ島」。この楽園が突如としてゾンビの群れに覆われた。それぞれ異なる目的でバノイ島にやってきたシアン、サム・B、ローガン、プルナの男女4人はバノイ島から脱出するため、協力し合うこととなる…
  迫りくるゾンビの群れを倒しながら島から脱出するために奔走する、1人称ホラーサバイバルアクション。制作は「コールオブファレス」シリーズなどのTechland社、日本語版発売はスパイク。

●近接戦闘がメインのアクション
 1人称視点でたくさんのゾンビが相手と、銃火器をメインにしたゲームなのかな?と思っていたが、基本的には刃物や鈍器などをメインとした近接攻撃メインのゲーム。ゾンビを倒すことで経験値を手に入れ、レベルアップしてスキルを取得するというRPG要素もある。
 銃も出てくるのだが、弾の出てくる数が限られることとヘッドショットが通用する敵(ほぼゾンビ以外)相手じゃないと威力が低く、使いどころが少ない。とは言え使わないと進めない場所も多いけど…

 武器の種類は多い。ナイフやマチェーテ・クリーパー・シックル・斧・刀などの刃物系、バット・ハンマー・メイス・ナックル・トンファー・バールなどの鈍器系、ピストル・マシンガン・ショットガンなどの銃火器に分かれ、それぞれレベルによる威力・耐久度の違いと修飾子(傷んだ・強烈な・丈夫な、など武器名の前につく)による能力変化があるため、全てを見るのは困難なほどの数になる。

 道中様々な場所で手に入る「設計図」によって、武器に追加効果を加えることもできる。例えば「ショック」の設計図を使って電撃の追加効果を加えると、敵を攻撃した時に一定確率で電気による痺れを与える、など。他に弾薬を作れたり、火炎瓶などの投擲武器を作ったりもできる。全体的に自由度が高く武器もそこらじゅうで手に入るため、どの武器を使うか、どの追加効果をつけるかなどをプレイヤーのスキルや好みで幅広く調整できるのは強みになるだろう。

 強い武器でゾンビの頭を切り飛ばす、後述のストンプキルで頭を一撃で踏みつぶす爽快感。銃火器でヘッドショットを決める快感。攻撃をしっかり決めた時の爽快感は高く、このあたりは上手く作ってあるなと感じたところだ。

●スキルツリーによる能力強化
 レベルアップごとに貰えるスキルポイントを使って、様々な能力強化や特殊行動を覚えることが出来る。最大レベルは60まででレベルアップごとにスキルポイント1ポイント取得、レベル2~60までで59ポイントもらえるが、59ポイントでは全スキルは習得できないうえ、ポイントを振り直すこともできない。序盤に満遍なくスキルを振り分けすぎると、後半のスキルを覚えられない可能性が出てくるというわけだ。この辺の説明がゲーム中にも一切なく、少々不親切かなと感じる。

 所持武器数を増やせる「ポケット拡張」や鍵のかかった箱を開けることが出来る「ピッキング」、コンバットスキルの4段目で覚えるストンプキルが有用で、この3つは早い段階での取得をおススメ。ストンプキルは倒れたゾンビの頭を踏みつけると一撃で倒せるというスキルだが、銃やどんな武器よりも攻撃力が高いという謎のスキルになっている。

●美麗グラフィックのオープンワールド
 舞台となるバノイ島は「リゾートエリア」「モースビー市街」「ジャングル」など複数マップを行き来する形のオープンワールドとなっている。現状凄まじく広いオープンワールドゲームが多数出ている中、本作に関してはそこまで広すぎるわけではないが、それぞれのエリアが細かく作られており狭さは決して感じない。離れた場所に一瞬で移動できるファストトラベルも適度に配置されており、いいバランスだと思う。
 強いて言うと、リゾート→モースビー市街→ジャングルと進むたびにインパクトがどうしても薄れてくるというか。リゾートエリアの澄んだ海・まぶしい砂浜を最初に見てしまうのが大きいんだろうけれど。あと、後半のマップになればなるほどサイドクエストが減るので、マップを行き来する機会が減ってくるというのもあるか。

●常に死と隣り合わせ復活は容易
 こちらのレベルに合わせてゾンビもレベルアップする仕様、かつ防御力の概念がないので、いつでも死と隣り合わせ。選んだプレイヤーキャラにもよるが、中ボスクラスの敵だと2~3発で瀕死か死亡に至る。
 本作は死んだ後のペナルティが少なく、所持金の10%程度を失うだけで近くのチェックポイントから再開できるので、死亡すること自体はそれほど怖くない。序盤はいいとして、中盤以降は複数のゾンビをいっぺんに相手をする場面も多いので、ある程度は死ぬことを前提とした作りのようにも思える。
 死んで復活を繰り返すことでごり押しできたり、一部マップでは死ぬことでなぜか目的地に一気に飛んでしまったり、悪用できるシステムとも言えるけど…

●難度の上げ方が雑
 本作は最初から最後まで登場するゾンビは7種類のみ(ボスや一部固有の名前が付いた敵は除く)で、レベルが上がっても動きは変わらない。敵の動きや種類でバリエーションを持たせられないので、中盤以降はとにかく「いっぺんに登場するゾンビを増やす」か「相対する場所を狭くする」の2パターンで難易度を急激に上げてくる。
 モースビー市街あたりは対処しやすいゾンビ「ウォーカー」の複数配置が多いので対処しやすいが、最終盤のウォーカーと「インフェクテッド」(超スピードで走り寄ってくるゾンビ)の複数組み合わせなどはうんざりする。上記の通り死んでもペナルティは少ないのでごり押しできるとは言え、対処をちょっと間違えてボコられるのはいい気分はしないからね。

●多数のサブクエストもお使い感強し
 メインストーリー以外に各地で受注できる多数のサブクエストも特徴の一つ。海外ゲーのサブクエストは大体こんな感じだが、どれもこれも「●●を取ってきて」「●●を助けて」など、クエスト発生場所に行って、依頼者に戻っての繰り返し。それぞれに登場人物がいてそれぞれのストーリーも語られているのだが、展開が同じすぎてどうにも響いてこない。

●総評
 クリアまでの時間はサブイベントを順調にこなしておおよそ30~40時間というところでボリュームは十分。美麗なグラフィック・爽快感のあるアクションといいところは数多いが、後半になるとちょっとだれてくる感もあるなーとは思った。