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ハード:Playstation 3
メーカー:スクウェア・エニックス/Blizzard Entertainment
発売日:2014.01.30
ジャンル:アクションRPG
実勢価格:300~500円(中古価格)

評価:★★★☆

DIABLO III (ディアブロIII)

●ストーリー
 地獄界の悪魔たちは、長らく人間界の侵略を切望していた。この目的を果たすため、「四小悪」と呼ばれる強力な悪魔の帝王たちは、みずからの同胞である「三大悪」たちを地獄界から追放し、サンクチュアリという人間の世界へ送り込んだ。
 人間界は、戦火に包まれた。「三大悪」、すなわちディアブロ、メフィスト、バールの働きによって、人間たちは堕落し、闇の下僕へと成り下がった。三大悪は富と権力を与えるという偽りの約束をエサに、人間たちの心を毒していった。彼らは人間たちの魂を、天界の天使たちとの戦いに利用しようと企てたのである。
 やがて三大悪は、団結した勇敢な英雄たちの手で討伐される。しかし、悪魔の力の影響で、人間界の一部は傷つき、破壊されたままとなった。おびただしい数の人間が命を落とし、いくつもの町は灰となり、やがてワールドストーンが破壊されると、ひとつの国が滅んだ。古代の遺物であるワールドストーンは、かつてサンクチュアリを悪魔と天使の軍団から守った歴史を持つ。しかし、ワールドストーンが破壊された今、その守りの力は存在しない。

 今日、三大悪について語る生き証人はごくわずかしかおらず、サンクチュアリに暮らす多くの人間は、かつてワールドストーンが存在したことすら知らない。ワールドストーンが失われたことで、おのれの身がいかなる危険にさらされているか知るよしもなく、比較的平和な世の中で農作業にいそしみ、商売を営む生活を享受している。しかし、三大悪がもたらした惨事を目の当たりにした者たちは、四小悪のうち2人がいまだ地獄界に生きながらえていることを忘れていない。罪悪の帝王アズモダンと、欺瞞の帝王ベリアルである。この2人の悪魔たちはサンクチュアリという世界の存在を忘れておらず、それをみずからの手中に収めるチャンスを見逃さなかった。
 やがて天より、ひとつの星が堕ちる。それはこの世の終わりを告げる、まがまがしい先触れだった。サンクチュアリに暮らす人びとは恐れおののき、忘れ去られた伝説と予言に助けを求めた。地獄界から猛襲を受ければ、人間たちに勝利の望みはない。かつての英雄たちは皆、姿を消したか、死に絶えてしまっていた。
 今、新たな戦士の到来が待たれる…

●概要
 人間界「サンクチュアリ」を舞台に、地獄界からサンクチュアリを手中に収めるべく襲撃を企てる悪魔の王ディアブロとの戦いを描くダークファンタジーアクションRPG。クォータービュー見下ろし視点ハクスラ作品の始祖とも言われるディアブロシリーズの現段階での最新作に当たる。続編のディアブロIVは既に制作が発表されており、2022年頃?発売の予定。
 ゲームスタート時に5つのクラス(職業)から1つを選び、ランダムに変化するエリアやダンジョン内を探索しながら迫りくる多数の敵をなぎ倒していく。敵を倒すことによるレベルアップにより、×・□・△・R1・R2の各ボタンにスキルを設定することが出来、ワンボタンで繰り出せる各種スキルを活用しながら進めていく。

 パソコン版では2012年5月に北米版がリリースされ、2014年1月にPS3版が日本版としてリリース。その後、拡張パック「Reeper of Souls Ultimate Evil Edition」としてPS3/PS4版が同時リリースされている。パソコン版は2020年現在もアップデートが繰り返されており、現在シーズン19リリース中。

●ハクスラの始祖にふさわしい簡単操作・幅広い難易度設定
 ○ボタンでの基本攻撃(プライマリスキル)と他ボタンでの特殊攻撃のみで迫りくる敵をなぎ倒していく。○ボタンでの通常攻撃が連打ではなく押しっぱなしでOKなのも大きく、とにかく簡単でわかりやすい。特殊攻撃はボタンごとに割り当てられる技が決まっているが、オプションでどの技でも割り当てられるよう変えることもできる。全ての攻撃等操作が1ボタンで収まり、画面左下に表示され続けるのも親切。
 方向キーを押しているだけでも敵に対してある程ロックオンがかかるので、あらぬ方向に攻撃を出してしまいスカり続けるということもほとんどない。この手のハクスラ作品はロックオンの仕様が微妙で爽快感を失うものも多いと思っているが、さすが本家、細かいところに手が届くという感じ。

 難易度設定も幅広く、イージーまで落とせば敵の耐久力がかなり低くなり、アクション初心者でもそれほど苦にせず進めるレベルになりそう。逆にマスターI~Vという高難度モードもあり、こちらは難度が上がる代わりに手に入る経験値やお金の上昇・アイテムのレア度が高くなりやすいなどのメリットもついてくる。ゲームスタート時に戻ればいつでも難易度の変更が可能(リセットしなくてもすぐにスタート画面に戻れる)で、敵と戦った時の手ごたえ次第ですぐに難易度を上下させることが出来るのもいいところだと思う。

 ボス戦以外は死んでもその場で即復活できる上、デメリットは防具の耐久力減少しかない。耐久力も街まで戻ればいつでも回復できるので、とりあえず難易度を上げてみて死んだら下げてもいい。
 街にもすぐに戻れるし、死んでもすぐ復活。簡単操作でガンガン先へ進める。プレイヤーの行動をとにかく邪魔しない作りで、没頭しやすく作ってあるというのが凄いなと。気付いたら数時間ぶっ通しでプレイしているようなタイプの作品ではないだろうか。

●無数に手に入る武器防具
 これもこの手の作品おなじみの要素かと思うが、道中のオブジェクト破壊・宝箱・敵からのドロップ品などで大量の武器防具が手に入る。現状装備しているものとの能力差は画面左側や装備メニューの▲▼で示され、見てすぐ判別できるようになっているのもわかりやすくて良いポイントだ。
 アイテムのレア度によって「獲得経験値アップ」「属性ダメージ減少」などの特殊効果がついてきて、その効果の取捨選択も中盤以降重要なポイントとなってくる。

●1本道だがフルボイスのストーリー展開
 この手のゲームにありがちな「次はここへ行け」「次はこの人と話せ」という進み方をする完全1本道のストーリー展開だが、画面右下のミニマップや左側のクエスト表示で絶えず目的がはっきり表示されるので、まず迷うことがない。
 メインストーリー以外にも、各地に点在するダンジョンや家などでのサブイベントが発生する場合もあり、しかもダンジョンの出現自体がランダムなので、1周するだけでは見ることのできないものも存在しているのが大きな特徴となっている。

 メインストーリーを含む会話はフルボイスで収録されており、サイドストーリーは各地で拾える書物で補完している形。書物もすべて声が当てられているうえ、一度拾えばいつでもメニューから聞き直し・見直しが出来る仕様で、ここも細かいところが行き届いているなーと感じる。

●3周する必要性はあったのか?
 難易度設定は上記の通り、ゲームモードとして「ノーマル」「ナイトメア」「ヘル」「インフェルノ」の4つがあり、ノーマルクリアでナイトメアが、ナイトメアクリアでヘルが…と、ストーリーモードを順々にクリアすることで高難度のモードが開放される仕組みになっている。
 装備品集めの仕様上、インフェルノモードまで開放したうえで難易度設定を上げるまでが1セットになるのだが、そこに至るまでには最低でもストーリーモードを3周しなければならないというのがネック。

 ゲームモードと難易度設定という、「2つの難易度」があるというのもさらにわかりにくい。難易度設定に関わるのはあくまでアイテムのドロップ率であり、上位レベルのアイテム出現に関わっているのはゲームモードのほう。
 結果、ゲームモード「インフェルノ」以外でハード以上の難易度にする意味がほとんどない。ここは一本化するべきだったのでは。

●総評
 2周目以降のストーリーモードを流しでやらされてる感がもったいないなあとは思うが、基本動作やハクスラの爽快感はさすがの一言。ジャンル名として呼ばれるだけのことはある、始祖の凄さを垣間見た。
 今までディアブロライクはいろいろな作品をプレイしてきたが、本家に手を出してこなかったのをちょっと後悔。