[Data]
ハード:Playstation 3
メーカー:カプコン
発売日:2010.07.29
ジャンル:3D一騎当千アクション
実勢価格:200~300円(中古価格)

評価:★★★☆

戦国BASARA3

●あらすじ(公式HPより)
 時代は一つの関を迎えた。かつて繰り広げられた戦国乱世。本能寺の変にて織田信長が明智光秀に討たれ、織田軍が滅亡する。天下に恐怖を布こうとした信長に代わり、日の本を席巻したのは、豊臣軍率いる豊臣秀吉であった。
 秀吉は、圧倒的軍事力により瞬く間に天下を統一、さらには世界を手中にせんと目論見をはじめる。しかし、当時豊臣秀吉の配下であった徳川家康がこれに反発、激しい戦いの末、ついに秀吉を打ち倒したのである。

 二つの時代が終わりを告げ、天下に再び乱世が訪れた。絆の力で世を統べることを決意する徳川家康。家康への復讐の念に取り憑かれた豊臣の忘れ形見・石田三成。たった二人の戦いが、数多を巻き込み天下分け目の戦を招く!

●概要
 2005年に第1作が発売された一騎当千型アクションゲーム「戦国BASARA」シリーズの第3弾で、PS3では初のBASARAシリーズということになる。舞台は秀吉没後の関ヶ原の戦いに至るまで、その関ヶ原の戦いで東軍・西軍の主要人物として歴史に刻まれる徳川家康・石田三成の2名が今回の主人公となっている。
 プレイヤーキャラクターは16名と前作BASARA2の22名・英雄外伝の30名からは大幅減。新登場は石田三成・大谷吉継・雑賀孫市・鶴姫・黒田官兵衛の5名+大人になった徳川家康とかなり少なめ。プレイヤーにならないNPCと地方領主は新キャラ10名と、この時点で英雄外伝のような、無双でいう猛将伝的な作品が出るのでは…と思ったプレイヤーは少なくないだろう(実際出たし)。

 史実と合っていない部分があるのは初代からだが、今作は1543年没と言われているがそもそもいたかどうかも定かじゃない+関ケ原には全くの無関係という鶴姫が出ていたり、大谷吉継の設定についても一悶着を起こすなど、キャラ選択については発売前からいろいろと物議をかもした作品でもある。
 前作までも史実に基づいたというか一部を切り取って大胆にアレンジしたというか…なキャラ設定とストーリーだったわけで、2までは史実とおおよそ関係ない部分はしっかりストーリーを追わせて、そうじゃないところは舞台だけは用意するけど中身はいい感じにぶん投げていた印象だが、今回は中身もまともに関ヶ原までの細かい部分を織り込んだストーリーにしてしまったことが裏目に出たのではないか、というのが個人的な感想だけど…もっと破天荒でも良かったんじゃ?というね。

●ストーリー
 今回は「戦国ドラマ絵巻」モードが今までのストーリーモードに該当。16人のプレイヤー武将全てに複数のルートが用意され、そのルートによってエンディングが変わる。1つのルートで大体6~9戦くらい・所要時間2~3時間というところだろうか。一度通ったルートや未クリアのルートはモード中のメニューから参照できるようになっているのでしらみつぶしに当たる必要はなく、ここは便利な機能だ。
 とは言え、最低でも1人につき3つのルートがあり、合計で60以上のエンディングが用意されていることを考えると、まっすぐエンディングへのルートのみプレイしたと仮定しても、最低100時間くらいは要するボリュームになる。

 武将数が減った代わりに1武将のボリュームを上げたというところだろうが、結局同じステージを同じキャラクターで何度もプレイするということにもなるのでそちらの作業感のほうが先に出てしまう。制作サイドは「1年やり続けられるくらいある」とボリュームの多さを語っていたらしいが、正直言って水増し感が非常に強く、飽きとの戦いを強いられる。
 ステージ間のデモもそれほど多くなくセリフの掛け合いのみで進むパターンが多いので、見せ方としてもそれほど良いものとは思えず、もう少し頑張って欲しかったなあという。

●基本操作
  動かし方は前作とほとんど変わっていないが、各キャラクターの固有技は△・方向キー+△・R1・L1+△に4種類が割り振られ、さらにR2で「固有奥義」と呼ばれる強力な固有技が1種類使えるようになった。固有奥義はレベルアップにより3種類覚える中から1種類を選択して使用する。
 前作での「戦極ドライブ」はなくなり、代わりに登場したのが「戦刻ブースト」。発動すると一定時間自分以外がすべてスローになり、その間倒した敵からの獲得経験値が2倍・小判も増加。ブースト中に5人撃破することでさらに2秒ずつ延長できる。

 固有技も前作同様のレベル設定にボタン押しでの追加攻撃などバリエーションが相当増えたことで前作以上の爽快感。4桁以上のコンボもそれほど難しくなく、BASARA特有のなぎ倒す感はいい感じに進化したと言える。強いて言えば、固有技を複数組み合わせられるようになったことで簡単操作よりはテクニックに寄った感もあるような気はするけど、仕方ないところか。

●そのほか新要素など
 陣地の要素が出来たこと+陣大将の存在・兵の種類大幅増・通常技同士のぶつかり合いによる攻撃の打ち合い「剣劇」の追加・装備アイテムの仕様変更などが主な変更点となる。

 装備アイテム「装具」については、各ステージで手に入る専用アイテム「ご当地資源」と手持ちのお金を合わせてバサラ屋で購入するという仕組みとなったが、これもステージで手に入る資源が異なるという仕様上、装具を集めたければ全てのステージを相当数プレイしなければならず、ストーリーモードの展開と同じように「やらされている感」が出ているのがもったいない。全体的にボリューム感の出し方があまりうまくないというか…

●総評
 普通にプレイしている分には正統進化という感じで高評価なのだが、ストーリーモードの進め方と資源の集め方に難ありで、全体の完成度としてはどうかなあというところ。前作同様のハチャメチャ要素も入れようと頑張ったようだが、突き抜け切れていないというか、本筋があまりに真面目ストーリーなので壊さない程度に抑えられたというか。動き以外のBASARAらしさはちょっと薄れてしまった感。