[Data]
ハード:Playstation Portable
メーカー:アクワイア
発売日:2012.06.14
ジャンル:アクションアドベンチャー
実勢価格:200~400円(中古価格)

評価:★★★

[Review]2016.12.10

AKIBA'S TRIP PLUS

●概要
 東京・秋葉原電気街を舞台に、カゲヤシと呼ばれる吸血鬼と人間の戦いに巻き込まれていく青年を操るアクションアドベンチャーゲーム、「AKIBA'S TRIP」にいろいろな要素を追加したバージョンアップ版で、前作発売からおよそ1年後に発売された。

●前作からの変更点
 ・イベントがフルボイスになったのが一番大きい変更点になるだろう。なぜ前作で出来なかったのかと思わなくもないので順当な追加要素として評価していいものかどうか微妙だが、まあ良しとしたい。
 ・無印では全員ほぼ同じ顔でのっぺりしていたものが、大幅にリファインされてイラストに近い顔になった。
 ・2012年版の秋葉原を再現。無印では工事中になっていて洋服屋「再建」が入っていたビルにセガ秋葉原が入り、再建はアトレの場所に移動。中央通りに「ゴーゴーカレー」が入るなど、タイアップ企業も増えている。ちなみに無印ではグーグーカレーだった。
 ・ダブプリのシークレットライブイベントがアニメ化された。
 その他、脱がされたキャラクターの恥じらうボイスの追加・サブミッションの増加・最高難易度「ホリック」の追加・服や武器の増加・服や武器の強化上限が+99から+999に・ミニゲームの追加・コンプリート要素を確認できる図鑑の追加などが図られた。

●戦闘部分の問題点はほぼそのまま
  いろいろな追加要素や改善点は良しとして、アクションゲームとしてはアクション部分の問題点にも手をつけて欲しかったところだが、ここについては残念ながらほとんど改善されていない。モーションはいろいろ改善させたようなのだが。
 やっぱりロックオン及び切り替えが出来ないというのが一番。前作よりもサブミッションが増えたが、その中で「30人脱がす」というミッションが増えており、1vs多数になることが前作より多くなっているのにこの仕様はなかなか辛いものがある。Rボタンで敵を定める基準も相変わらず不明確で、隣に敵がいるのに遠くから走ってくる敵に向くこともあるなど、出来としては正直言ってあまり良くない。せめて技の使い勝手を良くしてくれるとかがあれば違ったと思うんだが。

●フルボイス化で違和感のある主人公呼び
  主人公はスタート時に好きな名前に変えられるのだが、イベントボイスではすべてのキャラクターが主人公名のところだけ無音になるという仕様になっており、ものすごいブツ切り感となっている。こういった主人公名を変えられるゲームだと、大体ボイス時には「きみ」とかが入ることが多いかと思うのだが、せっかく相当数のボイスを入れてこだわったのに一味足りない感が出ている。

●総評
  追加要素や改善点は概ね順当。今買うなら最初からこちらを買っておけば間違いはないが、1年後発売のリメイク作ということで考えると、それって最初の時点で何とかならなかったの?というものも多く、無印から定価自体安くなったとはいえ疑問の残る発売形態。アクション部分には目を瞑ってストーリーと世界観を楽しむのがベストかなあと。