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ハード:Playstation Portable
メーカー:タイトー/グローバル・A・エンタテインメント
発売日:2006.09.28
ジャンル:ダンジョンアクションRPG
実勢価格:200~300円(中古価格)

評価:★★★

クロニクル オブ ダンジョンメーカー

●ストーリー・概要
 ある街に移住してきた「ダンジョンメーカー」の主人公が、街外れにダンジョンを作って住み着いた魔物を倒してゆき、最終的に「放浪の大魔王」を倒すことを目的としたアクションRPG。
 ダンジョン内の素材(パーツ)を買って、自分自身で通路や部屋を配置しダンジョンを作って行くという他の作品にはないオリジナル要素が取り入れられている。
 ダンジョンを作るというだけならカオスシード(SFC/SS)という作品があったが、こちらは一回作った通路や部屋を自由に配置し直すことができるなど、自由度という意味では高め。

●基本操作・仕様
  ダンジョンに入ると、行き止まりになっているところで直線(━┃)・L字(┏┗┛┓)・T字(┣┳┫┻)・十字(╋)の4種類の通路パーツか部屋パーツを配置することでダンジョンを広げることができる。
 通路・部屋にはともに「装飾」を施すことができ、装飾を施すと住み着くモンスターの種類が変化する。基本的には高い装飾ほど強く拾得品が良いモンスターが住み着く。
 プレイヤーはダンジョンを広げて部屋や通路を装飾し、一通り手持ちのパーツで広げ終わったらダンジョンの外に出て自分の家で就寝。次の日ダンジョンに入ると作ったダンジョンにモンスターが住み着いているので、それを倒してアイテムを手に入れてお金を稼ぐ…というのが基本的な流れになる。

 ダンジョンには「評価指数」と呼ばれる数値があり、ダンジョンを広げたり部屋や通路の装飾を増やしたりすると数値が上昇。一定の数値を超えるorボスを倒すなどの一定条件をクリアすることで、街にある建材店で「階段キット」が販売されるようになり、この階段キットを使用することで一つ下の階層に進むことができる。
 スタート地点はエレベーターになっており、進んだ階層全てに移動することが可能。最初から覚えている魔法「リターン」を使えば、リスクなしでどこからでもエレベーターに帰還することができるとなかなかの親切設計だ。

 ダンジョン制作や探索が終わって自分の家に戻るときには、ダンジョン内の敵から入手した食材を使った料理を食べることができ、洗濯する料理の内容によってパラメータがアップする。今作ではプレイヤーのレベルが存在せず、HPをはじめとした全パラメータはこの料理を食べることで伸ばして行く仕組み。

 まとめると、最終的なこのゲームの流れはダンジョン制作→料理を食べてパラメータアップ→就寝→ダンジョン探索+制作→入手アイテム売却→建材店でパーツ購入→料理を食べてパラメータアップ→就寝…という流れになる。

●アクション
 ○の通常攻撃と△のSP攻撃がある。名前は違えど弱強攻撃と思っておけば間違いはなく、○○△などのコンボもある。あとはメニュー画面からの魔法攻撃もあるが、全体を通して出来ることは非常に少なく、アクション要素はそれほど強くない。

 武器は短剣・剣・刀・杖・斧・メイス・槍と同時装備可能なサブウエポンとして弓があり、一部の斧・槍以外の武器は同時に盾を装備可能。盾はLボタンで発動。盾発動時は上下左右で視点の切り替えも可能。
 武器に関しては、全体的に重たい設定なのか振りが異様に遅く、敵の動きや攻撃速度といまいち合致していないように感じるのは気になる。短剣・杖がかなり軽めなので初期はオススメだが、攻撃力が明らかに低いので後半は重たい武器に頼らざるを得ない。
 中でも槍に関しては出があまりに重たくて使いどころを全く見出せなかった。槍だから前方に広い攻撃範囲があるのかと思いきや、なぜか剣などと同じように1撃目が横振りで、ここでもう槍である必要性が皆無。一部の槍は盾も持てず、なおさら不要という感じだった。

●各アイテム・建材の「在庫」仕様に難あり
 ダンジョンを広げるには先の通りパーツ(建材)が必要。この建材は一部イベントでの少量入手を除き建材店で購入するしかないのだが、建材店で持っているパーツごとに在庫と1日の入荷数が決まっており、在庫以上の購入は当然ながらできない仕組みとなっている。
 値段の高めな中部屋や装飾が少なめの在庫なのはまあわからないでもないが、基本の通路パーツまでが1日入荷数10個というのはさすがに少なすぎるのではないかと。十字通路に至っては1日入荷1個。
 後半になって持てるお金が増えてくると、いっぺんに買いたいのに入荷の都合上10個しか買えないということが頻繁に発生することになる。

●素材の少なさ・頻繁な往復が生む強い作業感
 イベントらしいものがいくつかの会話とアイテム入手のサブイベントのみなので、ほとんどの時間がダンジョンと街の往復ということになるのだが、仕様上「かなりのペースで往復させられる」というのが何とも引っかかるところ。
 序盤はまずお金が少ないのでパーツも大量に買えず持てるアイテムの数も少ないので、ダンジョンをちょっと作って敵からドロップアイテムをちょっと手に入れるとすぐアイテムもいっぱいになり帰還。売れるアイテムも少ないから手に入るパーツも少なくて…というループ。
 アイテム所持数については、途中途中で挟まるサブイベントで増やすことができる。最初は10から始まり、一定のアイテムを見つけてくることで10づつ増えていく。

 これが後半になってくると、まずアイテム所持数が増えていくので売れるアイテム数が増え、買えるパーツ数も増え…となるのだが、ここで先に挙げた「入荷数」の制限が加わり、買えるだけのお金があるのに買えないという事態が発生。帰還後の料理(パラメータアップ)がある以上帰りやすい仕組みにしないといけないのはわかるんだが、アイテム入手・売却による制限のみで進めても良かったんではないかと。パーツの部分でどうしても「むやみに帰らされてる」感じが出てしまってる気がする。

 ダンジョン自体も少ないモンスター数・パーツもそれほど豊富とは言えないし、音楽も同じ音楽がずっと続き階層による変化もほとんどない。上手くはまれば「不思議のダンジョン」系の面白さがある作品だとは思うんだが、変化に乏しすぎてちょっと好き嫌いが激しく出やすい作品のように思う。

●総評
 淡々と進めるタイプの作品が好きなら。序盤を切り抜けて中盤あたりになるとなかなか抜け出せなくなり、気付けば時間を使っていたというタイプ。序盤の作業感と終盤になってからのマンネリ感があるように思うので、何度もプレイしたい作品かと言われると…