密室のサクリファイス～イトカ：ある閉鎖施設からの脱出～

●あらすじ（公式HPより）
　コールドスリープ装置から目覚めた主人公。しかし主人公には記憶がありません。ここがどこかもわからずに閉鎖された施設内を調べていくと、一人の少女が眠っているコールドスリープ装置を見つけます。
　少女の名前はイトカ。眠りから目覚めた少女と共に、この施設からの脱出を試みるストーリーです。

●概要
　コールドスリープから目覚めた少女イトカと主人公、2人で協力して謎の施設からの脱出を目指すトラップアドベンチャーゲーム。密室のサクリファイスに登場する5人の少女の1人「イトカ」をフィーチャーし、ダウンロード専売として販売されているいわゆる「スピンオフ」作品。元々は携帯のi-modeとYahooケータイ向けにリリースされたもので、そこからフルボイス化などの要素を加えてPSPに移植した形となっている。ゲーム内のイトカCGをコレクションするモードがあったり、衣装の着せ替えが出来たり、頻繁な乳揺れがあったりと、かなりギャルゲー寄りに舵を切っている。

●本編との差が激しいバカゲーっぷり
　密室のサクリファイス本編でも唯一の巨乳キャラ（と思われる）＆シャワーシーンがあるなど、比較的セクシー担当っぽい設定だったイトカ。本編では口数もそれほど多くなくオドオド感溢れるキャラクターだったイトカだが、今作では何が起こったのかすさまじい明るい天然ボケキャラに変貌している。
　コスプレに布地の少ない水着やバスタオル1枚の衣装・先に書いたがところどころで乳揺れが発生・ゲーム内の暗号は「π」・おっぱい型のボタン・セリフもそれらしいセリフのオンパレードと、本編で出来なかったことを押し込めてやろうくらいの勢いを感じるほど振り切った作りで、あまりの振り切れっぷりにお下品一歩手前という感じだが…

　喋りもフルボイスとなってパワーアップしているものの、この手のゲームは「近い場所を何度もクリック（選択）して同じセリフを何度も見る」というのが当たり前に発生するジャンルであるため、同じセリフが何度も再生されてしまうのは逆にマイナスに働いている気も。2回目以降は音声カットになるとかだと良かったのかも。

●謎解き
　ボリュームは本編の2～3ステージ程度と短く、3時間くらいあればクリアできる内容だが、相変わらずノーヒントですべてをクリアするのは困難を極める。ただし今作は「iBound」と呼ばれるバスケットボール型の謎の機械がヒントをくれるようになったので、わからないときはとにかくiBound頼みで何とか…という感じか。
　ちなみに、CGをフルコンプさせようと思うとヒントに頼れない部分もあってかなり辛い。本編もそうだったが「こんなのわかるか」的な解法のものもちらほらあり、人を選ぶだけなんだろうけどモヤモヤ感は残る。

●総評
　CGも衣装の差分が入っているので若干の水増し感があり、それでMAX25枚というのがはたして多いかどうか。600円という価格だけでみると十分安いが、ボリュームとしてはもう少しあっても良かったかと思う。
　あと、キャラクター1名をピックアップするこのやり方自体は面白いと思うのだが、今回はイトカがどうのこうのよりもすべて乳！で片づけられた感があって、これでいいのかなあ…と思わなくもない。本編と同じようなスタンスのスピンオフを期待すると首をかしげることになるだろうが、前提さえわかっていればこの振り切れっぷりもまずまず楽しいので、先にホームページを見ておくべきかと。