[Data]
ハード:Playstation Portable
メーカー:日本ファルコム
発売日:2009.09.17
ジャンル:アクションRPG
実勢価格:500~700円

評価:★★★★☆

[Review] 2018.12.29

Ys SEVEN(イース7)

●プロローグ
 燃えるような赤毛、強く純粋な瞳、そして絶えることの無い熱き冒険心…

 後の人々に世紀の冒険家と謳われた赤毛の冒険家アドル=クリスティン。

 彼の人生で初の冒険となった古代王国イースを巡る旅からはや6年、23才となったアドルは、相棒ドギと共に世界各地での冒険を続けていた。
 そんな折、アドルは北アフロカ大陸にあるアルタゴ公国を訪れる機会に恵まれる。冒険家のアドルにとって、巨大な獣が闊歩するというアルタゴは憧れの地であったが、ロムン帝国との長きに渡る紛争のため、これまで断念していた場所でもあったのだ。

 点在する数多くの遺跡、消えた古代民族、そして謎めいた≪五大竜≫の伝承…

 多くの謎に満ちたアルタゴを舞台に、アドルの冒険が再び幕を開ける…!

●概要
 赤毛の冒険家アドル・クリスティンを主人公に、彼の著書である冒険日誌をゲーム化した「イースシリーズ」の第7作で、前作「イースVI」からは6年ぶりのナンバリングタイトルとなる。エレシア大陸から南に位置するアフロカ大陸北部のアルタゴ公国で、「アルタゴの五大竜」と呼ばれる伝承を追う。

 VIと同様の3D表現だが、今作からはアドル達キャラクターも3D表現となった。キャラクターデザインは零の軌跡・碧の軌跡でも担当していたエナミカツミ氏に変更。賛否あったみたいだけど、個人的には好きな絵柄なので良かったです。
 フォントやゲーム中のマニュアルなどもかなり軌跡シリーズに寄った感じが見受けられ、これはこの時期のファルコムの流れなんだろうなーと勝手に思っていた。どうなんだろう。

●ストーリー
 今回は、イースIのマニュアルにも記載があったというアドルの冒険日誌「アルタゴの五大竜」を追う。行った先々でイベントが発生して次の行き先が決まるといういつものイースな感じで、行き先に迷ったりすることはまずない。
 石碑を順番にたどっていく序盤からイースらしさ全開という感じで、テンポよく進む展開はさすがとしか言いようがない。イースに人物それぞれに深く入っていくような展開はそもそも求められてないだろうしね。そのあたりで薄いと感じるプレイヤーもいるだろうけど。
 ストーリーの進行で拠点の人々の会話が逐一変化していくのも素晴らしい。近くの拠点だけでなく全ての拠点のキャラがしっかり場面場面の会話に切り替わるので、話を聞きまわるのが苦にならない。

●シリーズ初の3人パーティ
  今作から3人パーティを組めるようになり、アドル+2名を選択して戦うことが出来るようになった。キャラにはそれぞれ攻撃に「斬」「打」「射」の属性がついており、敵の弱点属性に対応しながら進めることが重要になる。□ボタンでいつでも操作キャラの切り替えが可能で、弱点属性の武器を持つキャラに都度都度切り替えて進む、というのが基本的な進め方。
 終盤になるとアドルが複数属性を持てるようになり、最終的には3属性すべてを網羅できるようにまで。さすが主人公補正というところか。

 残りの2人は当然AIによる自動行動になるが、今回のAIは相当頭がいいというかしっかり調整されているのか、回避精度がとてつもなく高い。自分だけ瀕死なのに2人は無傷なんてこともザラで、□での操作キャラ切り替えをうまく使うと回復アイテムの節約にもなったり。
 アドルの使いやすさは鉄板として、それ以外だと遠距離攻撃かつ連射速度の速いアイシャが使いやすかった。

●操作
 ○ボタンで剣を振るアクションは前作同様、今回は6連撃までと進化さらにスピードアップ。V・VI・フェルガナと続いていたジャンプはなくなり、代わりにその場から素早く移動する”回避動作”が導入された。移動から攻撃一つ一つがキビキビしていてストレスなく動かせるのはさすがの調整。
 回避の移動距離が長くて速いので、普通に移動するときも回避を連打してればいいみたいになってしまったのはちょっと気になるが。アドルがごろんごろん転がりながら高速移動していく様はスマートさに欠けるというか…

 あと、R+Lで「フラッシュガード」というガードが出せるのだが、回避動作が有能すぎてそれほど使う機会がなかった。NIGHTMAREなどの高難易度ではあるとないでだいぶ違ってくるらしいんだが、そこまで上手くないんで…

●音楽
 最初にアルタゴ平原の「MOTHER EARTH ALTAGO」を聞いた瞬間の「これ!」感。やっぱりこのくらい高揚感のあるスタートがいいですよね。後半になるといくつかのフィールドで音楽が変更になるが、これも非常に良かった。あと良かったのはセグラム砂漠「DESERT OF DESPAIR」とか、地の霊場「PRIMITIVE DEEP LEAVES」とか。

●難易度
 ボスの耐久力が過去作と比べて大幅に上がっているので長期戦になりやすく、レベルアップによって軽減できるとは言え今までと同じように見ていると辛い場面があるかもしれない。そこをアイテム使用やキャラ変更で乗り切っていく感じだが、アイテム使用はまだしもキャラ変更は今までになかった要素なので慣れるのにちょっと時間がかかる。
 基本イースのボス戦は「死んで覚える」ものがほとんどだと思ってるので、初見撃破のボスが何体かいた時点で今までよりは簡単な感があるが、NORMALでこれだから、難度の高いHARDやNIGHTMAREは相変わらずやばいんだろうな。

●総評
 イースに求めるものは大体入っているので、期待を裏切らないという表現がぴったり。タイムアタックがなかったり、個人的に何周もするタイプではないので全く問題なかったが、ファルコムゲーとしては2周目以降の要素が全くない珍しい作品なので、期待している方は注意、くらいか。