[Data]
ハード:Super famicom
メーカー:エニックス/クインテット
発売日:1992.01.31
ジャンル:アクションRPG
実勢価格:500~1,500円(中古価格)

評価:★★★★☆

[Review] 2009.02.06

ソウルブレイダー

 最近は消息を聞かなくなって久しい、名作ゲーム製造メーカークインテット。アクトレイザーで衝撃的なデビューを飾ったメーカーでしたね。今でこそ3部作として根強く人気の「クインテット3部作」だけど、当時人気が出たのは2作目のガイア幻想紀からで、このソウルブレイダーに関してはさほどメジャーにならなかったと記憶している。SFCのゲームも今になって再評価を受けるものがあったりするが、このゲームもそのうちのひとつなんじゃないかなーと思う。
 そんな3部作最初の作品であるソウルブレイダーは、オーソドックスな見下ろし型視点のアクションRPG。剣を振る・魔法を使うと操作はごくごくシンプルで迷うことはない。キーレスポンスも良好。と、基本操作部分がまずバランス良く仕上がっている。

 アクション部分に関しては、最初にも書いたとおり非常にシンプル。武器・防具・魔法・アイテムを装備して使うというのが基本スタイルで、道中手に入る武器・防具をその都度装備していけば困ることはほとんどない(一部過去の防具を装備したほうが進めやすいステージもあるが)。

 それぞれの装備品に特徴があり、一部武器でしか倒せない敵がいたり、しかもその敵が武器が手に入る前から登場する(その時点では倒せない)というのは面白い。エリアをクリアしたらそのエリアには立ち入る必要がない、とはならないのが上手い。

 剣の振り方に若干癖があり、プレイヤーの右側に当たり判定が大きく、さらに攻撃受付時間も長い(一振りで2ヒットすることもしばしば)ので、基本自キャラの右側に敵を置くように剣を振ればかなり戦いやすくなる。

 ザコ敵の行動パターンがそれほど多くなく、上記のような戦い方をしていると立って剣を振っているだけでほとんどの敵を殲滅可能で、反射神経を使うのは最終2ステージくらいなもの。ボス戦に関してもゴリ押しで押し切れるボスが多く、総じて難度はかなり低めの部類に入る。歯ごたえを求めるプレイヤーにはまず向かない。

 ダンジョンには魔物の巣が複数あり、巣から出てくる魔物を全滅させることで生物の魂を開放したり、新たな道が開けたりする。一定部分まで進むと必ずイベントが挟まり、そのままボスまで突っ切ることが出来ないようになっている(一度街まで戻ってイベントをこなす必要がある)など、単調にならないようにイベントが配置してあり、タイミングはかなり考えられている。
 魔物の巣を封じることでダンジョン内のショートカットも設置されるが、これがまた絶妙なバランス。街までひとっ飛びで戻れる水晶の存在・ボス手前に必ず登場するショートカットのほこらなど、親切すぎるかな?とも思うほどに配慮がなされている。
 魔物の巣を封じると、魂が開放される。エリアに来た段階ではほぼ無人の街が、開放されることによって住人が一人ひとり増え、植物・動物が増え、建物も出来てくる。この「街を形作る感」というのは前作アクトレイザーから通じるものがあると思うが、アクトレイザーに比べるとわかりやすくシンプルに仕上がっている。

 …とまあこう考えていくと、アクトレイザーの少ない欠点と言われていた難度の高さ・クリエイションモードの小難しさを考慮し、アクトレイザーの雰囲気を残しつつも面倒な部分を極力取っ払ったゲームがソウルブレイダーだと考えると、割としっくりくる。世界観は大体一緒だし。まあ、シンプルにしすぎて地味になった感は否めず、ですけどね。アクトレイザーはそのへんいろんな意味で目立ったゲームだったんで。ただシステムの完成度の高さはピカイチで、続編でも活かされているシステムは数多い。

 最後。音楽ですが、タケカワユキヒデ氏が参加していたことはわりと有名。92年というSFC初期に出たゲームとしては考えられないほど上質な音楽の数々。必聴。