[Data]
ハード:Super famicom
メーカー:ナムコット
発売日:1994.12.16
ジャンル:横スクロールアクション
実勢価格:400~1,000円(中古価格)

評価:★★★☆

[Review] 2009.02.06

ワギャンパラダイス

 ファミコン・スーパーファミコンでシリーズ化されてヒットしたワギャンランドシリーズのひとつで、家庭用ハードで発売されたワギャンシリーズ現段階での最終作になっている(携帯用にはメガ・ワギャンランドがある)。

 地底から地上に侵略してきたナマーズ族に、ワギャン族のタクトとカリンの兄妹が立ち向かう。グラフィックが従来作品から一新されてかわいい感じがさらに増した。SFC第1作くらいまでのグラフィックが個人的には好きだったんだが、今作はワギャンシリーズの中でもちょっと特殊な位置づけになるので、まあそこは外伝として捉えるべきか。

 ゲームスタート前に、年齢を入力することが出来る。この年齢によってアクション部分の難易度やボス戦のミニゲームの難易度が変わるようになっており、おそらくだが20~30代が一番高い難度になるんだろうと思われる。

 プレイヤーキャラは兄のタクトと妹のカリンが選べる。タクトは移動速度が速く、カリンは音波砲の飛ぶスピードが速い。正直どちらを選んだからといって難度が大きく変わるわけではないと思う。好きなほうで。

 ステージ構成としては、通常のステージと、トロッコステージ・落下ステージをはじめとした音波砲使用不可&強制スクロールステージの2種類がある(シリーズ従来通りとも言う)。

 通常ステージに関して、特に20~30代でのプレイについては、ある程度死ぬことを前提とした作りかとは思う。一部ステージのササルンの配置がかなりいやらしく、シリーズ特有の一撃死と相まってかなりの歯ごたえとなる。逆に10歳以下とかになるとササルン自体がほとんど出現しないため、相当楽。

 今までのワギャンシリーズに比べると、音波砲が全く聞かない敵は減ったかなという印象なので、音波砲のレベルを3以上にキープできれば、ササルン以外の敵で苦労することはそれほど多くないはず。逆に死にまくって「ワッ」からパワーアップできないようだと辛いかも。

 シリーズおなじみとなった音波砲が凍りつくステージもきちんと用意されるなど、シリーズ作品としての主張もしっかりされている。

 強制スクロールステージは、通常ステージ以上に選んだ年代で難易度が大きく変わるが、20~30代はとにかく難しい。「サボテン岩」が最大の難関かと思うが、ササルンの配置からステージの進ませ方まで、絶妙。無限コンティニュー可能なのが救い。

 敵の配置どうこうよりもステージ自体が難しいので、年代を変えたところで意味がないのでは…と思っていたが、年代を変えるとステージの障害物配置そのものが変わるというなかなかフレンドリーなステージ構成にしてくれている。落下ステージ「フォーリンダウン!」でも、明らかに道幅の広さが違うなどしている。

 次に、ワギャンシリーズおなじみのボス戦でのシリトリ・神経衰弱などのミニゲーム。今作では今まであったミニゲームはすべてなくなり、新しく8種類のミニゲームが用意された。さんすうクイズ・ことばパズルのようにある程度の知能を要求されるゲームが増えていて、まあおもしろいんだけどワギャンっぽくはないかなという感じ。

 年齢20代でプレイしてみた感想としては、がったいパズルとかいてんクイズがかなり難しかった。くるくるパネルもてこずるかも。2桁の加減乗除が問題ないならさんすうクイズが一番簡単(ボスの反応速度が遅いため)。年代を一桁まで下げた場合、がったいパズルのブロックが相当見やすくなったり、ことばパズルの文字数が減ったりと当然ながらいろいろ簡単になる。さんすうクイズに至っては九九掛け算の順番通りに出題されるほどに。

 ステージの途中にはスターが点在しており、100個集めるとミニゲームをプレイできる。ミニゲームのスコアが高ければ高いほど自機数が増えるという仕組み。普通にやってると、おそらく5UPくらいが限界かと思うが。プレイしてみるとわかるが、ミニゲームは3つともになかなかシビア。

 今回は、シリーズおなじみだったボス戦でのスペシャルボーナス7UPがなくなった。代わりに、パーフェクトを取るとスターが30個貰えるようになった。この30個という数がまた微妙。この数であればわざわざパーフェクトを狙いに行くほどではないからだ。ワギャンシリーズのパーフェクト狙いは1つの楽しみだと個人的には思っていたので、本家と比べるとやっぱり残念な部分だった。

 1ステージは非常に短く、フルで30ステージ近くはあるが、死にまくったりしてもクリアまでは3時間かからないくらいだろうか。全てのステージが4文字のひらがなパスワードでなおかつ全て単語であるため、非常に覚えやすく、中断もしやすくなっている。このあたりも年齢層を考えた結果だろう。…ぼくドラキュラくんみたいだな。そういえば。

 総評。ワギャンシリーズとして考えた時にはボス戦が残念だが、ステージ自体はグラフィックもきれいで見やすく、操作にも癖がないため誰にでもプレイできる。選ぶ年代等によって難度が大きく変わるため、アクションが苦手な人もOKと間口も広い。アクション初心者にもお勧めできる、非常に無難な作品。

 音楽はシリーズおなじみの曲が全くないが、かなりの高水準で聞いてて楽しく、さすがといったところ。トロッコステージ(2回目)の音楽は特にいいですね。