戦国ブレード
●概要
「戦国エース」「ガンバード」「ストライカーズ1945」とアーケードで立て続けにヒットを飛ばした彩京が始めてリリースした横スクロールシューティングであり、「戦国エース」の続編。同年アーケードでリリースされた作品をSSに移植。
「ガンバード」「ストライカーズ1945」「ストライカーズ1945II」「ソルディバイド」はPS/SSのマルチプラットフォームとして発売されたが、本作はこの世代唯一のSS単独で発売されたタイトルとなっている。なぜ本作だけがそうなったのかは不明。
年々価格が上がってゆくSSのシューティングらしいプレミア進行具合で、現在8,000円ほどが実勢価格になるだろうか。これは発売した当初からそれほど価格が下がっていた記憶がないが…
●基本仕様
選べるキャラクターは5名+隠し2名の計7名で、「飛蒼石」と呼ばれる石の力によりキャラクター自体が空を飛ぶという設定。このキャラクター=自機というのはガンバードから始まり、翌年リリースの「ソルディバイド」にも受け継がれている。
ショットとボムの2ボタンでパワーアップアイテムによる最大4段階のパワーアップ。ショット押しっぱなしによる溜め撃ちでキャラクターそれぞれに同行するオプションの特殊攻撃が発動する。全体的に「ストライカーズ1945」のシステムをそのまま横スクロールにしたような形になっていて、それまでの彩京作品をプレイしたことがあれば、横スクロールになっていても違和感はほとんどない。
溜め撃ちは近距離タイプと遠距離タイプにはっきり分類され、特にハガネ・アインの近距離特化攻撃は高い攻撃力でボスの部位をも瞬殺できるほどの威力を誇る。それぞれキャラクターごとに通常攻撃・特殊攻撃とも特徴ははっきり分かれており、ここは従来作品から受け継がれている良い部分だ。
近距離特化攻撃が強すぎる感が無きにしも非ずだが、アインはそもそも隠しキャラだしハガネは溜め時間がかなり長いので相殺といったところだろうか。あまりに頼りすぎると近づきすぎて爆死するだけだし。
隠しキャラは前作「戦国エース」に登場したアインと「ガンバード」からのゲスト出演となったマリオンの2名。マリオンはSS版のみの登場で、ショット・ボムともにガンバードをそのまま持ってきた形だが、まるで違和感はない。
●変わらずの幅広い難易度設定とテンポの良さ
今作も従来作品と同じく7段階の難易度設定が可能で、1の「MONKEY」は初心者にも易しい難易度。彩京シューティングは覚え要素も強いので、ある程度繰り返しプレイしていけばノーコンティニュークリアまで持っていけるようになるのではないかと。
1ステージにかかる時間が短く、ボスも激しい攻撃はあるが耐久力がそれほどでもないので短期決着になりやすい。1周クリアでも20分かからないくらいのスピード感で、軽く楽しむにもちょうど良い。
●おまけにディスクもう1枚「戦国瓦版」
ディスク2枚組になっている本作だが、2枚目は「戦国瓦版」というおまけ要素のみを詰め込んだディスクとなっている。内容は
1:様々なイラストレーター・漫画家のイラストを集めた「ゲストイラストコレクション」。村田連爾氏・近藤るるる氏・寺田克也氏・桜玉吉氏などのイラストが鑑賞できる。
2:一般ユーザーからの募集イラストから各賞を発表する「イラストコンテスト受賞作発表」。発表は全てフルボイスでのキャラクターの掛け合いで、地味に気合の入った作りだ。ガンバードにも同じような取り組みがあった。
3:コンテスト募集作品797作品をまとめた「イラストコンテスト応募作品集」。同じ人が何個も投稿しているのが目立ったり。
4:戦国ブレードのキャラクターイラスト・デザインスケッチなどをまとめた「戦国ブレード設定資料集」
5:本作以前に発売されている彩京作品のポスターやインストカード・公式イラストなどをまとめた「彩京シューティング図鑑」
6:ランダムにいろいろなアインのグラフィックとセリフが聞ける?「ときめきアイン占い」
…と、かなりのボリューム。おそらく今作がプレミア化している要因の一つはこのディスクだろうと思う。解像度の粗さはしょうがないが、設定資料集やシューティング図鑑の中身は永久保存版だろうなあ。
●総評
彩京のいいところを下手にいじらずそのまま横スクロールにした、というのが良かったところなのかなと。現状さすがに値段が高すぎるが、相当面白い作品なので飛びつく価値は十分にある。PS2でも戦国エースとのカップリングでリリースされていてそちらは2,000円台で手に入るので、値段だけ考えるならそちらがベストか。ただマリオンはSS版だけなので出てこない。