ヴァンパイアハンター
ガーディアンヒーローズ
ガンバード
黒の断章 THE LITERARY FRAGMENT
THE KING OF FIGHTERS '97
シャイニング・ザ・ホーリィアーク
スチームハーツ
ファイナルファイトリベンジ

SS短文レビュー(過去レビュー詰め合わせ)

ヴァンパイアハンター ★★★★ カプコン/1996.04.23/格闘アクション・2D

 カプコンの有名格闘アクション「ヴァンパイア」シリーズ第2弾のSS移植版。チェーンコンボと呼ばれる通常技を組み合わせたコンボを入れられるようになったのが大きな特徴。

 まず、SS・PSの2D格ゲーと言えば必ずといっていいほどついて回るのが「ロード時間」だが、このゲームはかなり頑張っていて、ストレスを感じないレベルに仕上げている。これで拡張RAM未使用のゲームなんだからな…。

 キャラは大きめな上演出もかなり派手で、チェーンコンボも難しすぎなく非常に面白い。ES技・EX必殺技なども派手な演出でしかもスピーディ、このゲームの特徴を潰さずいいシステムに仕上げていると思う。必殺技の入力が結構難しく、特にEX必殺技の瞬獄殺系(弱P・弱P・→+弱K・強Pみたいなやつ)が厳しい。しかもまた、採用キャラが多いんだ。咄嗟じゃなければ問題なく出せるんだけど。(下手なだけというツッコミはなしの方向で)

 あと、パッドでやる際のES必殺技(パンチorキック2つ同時押し)が出しにくいかな。ジョイスティックでやれよって話なんだが。それから、ゲームメニューがいくらなんでももうちょっと欲しかったかな、と…。(ARCADEと対戦・オプションしかない) せめてトレーニングモードみたいなものでも。

 このソフトも今や100円とかで投売りですよ。間違いなく購入額の50倍は遊べる優良作品。サターンも素晴らしい!と思わせてくれる作品です。それにしても、何でこんなに安いんだ?(近所のゲーム屋では45で売ってるのも見たが)


ガーディアンヒーローズ ★★★★ セガ/1996.01.26/アクション

 2Dゲームには定評のあるゲームメーカー・トレジャーが送る、横スクロールアクションにRPGの成長の要素を組み合わせた格闘アクション系ゲーム。ステージがすべて3ラインになっていて、ライン移動を駆使しながら多数の敵をなぎ倒してゆく。

 基本は弱強の攻撃と魔法攻撃&オートガード。どれもボタンひとつで出せて簡単な上、敵をまとめてなぎ倒せるのがものすごい快感。コマンドで出せる特殊技も各キャラに設定されていて、ボタン連打だけではないあたりも見事なつくりになっていると思う。ボタン連打でもクリアできないことはないので、けっこうハチャメチャな内容ではあると思うけど。

 ストーリーモードは、敵を倒して経験地を稼いでレベルアップでパラメータを上げて進んで行くという内容で、RPG的な成長要素も入っている。難易度も選べるが、アクションがあまり得意でない俺でもNORMALはクリアできたので、バランス調整はそこそこ取れてる部類だろう、たぶん。

 ウリはストーリーモードではなく、最大6人対戦が可能な対戦モード。ストーリーモードに登場するキャラクターを全て操作可能で、通りすがりっぽく出てくる一般村民や初期のステージに出てくるザコ敵、さらにはラスボスまで操作可能になっているのが新しい。当然各キャラのキャラ性能には大幅な隔たりがあるのだが、(一般市民やザコ敵と主人公たちを比べてるんだから当たり前と言えば当たり前だが) それがまたこのゲームのハチャメチャっぷりをうまいこと引き出している。

 それぞれのキャラのレベルを変えたりすることもできるようになっているので、キャラ性能の差はその辺のカスタマイズで何とかしろってことなんだろうな。 こういったところもこのゲームらしいところかもしれない。キャラ・レベルなどを全てランダムでお任せにすることも出来たりして、これもまた楽しいが、 実際に対人戦でやる場合はレベルだけは一定に定めておくべきだろう。レベル低めの村民とか出てくると泣けてくるので…

 難点はこのハチャメチャっぷりが生み出してしまった処理落ちのひどさなんだが、まあこのゲームの内容を考えたら我慢できる部類でしょう。 そんなことどうでも良くなるくらいに対戦がとにかく面白い。みんなでマルチタップ使ってめちゃくちゃな展開に爆笑しながら楽しむゲームだろうと思う。それゆえ、一人で楽しむゲームとしてはちょっと…という部分もあるが。


ガンバード ★★★★ アトラス_彩京/1995.11.15/シューティング

 彩京製作・アトラス発売、アーケードから移植の縦スクロールシューティング。19世紀のヨーロッパを舞台に、5人の個性的なキャラクターを操り、なんでも願い事がかなうという「アトラーの魔鏡のかけら」を探す。

 4段階にパワーアップするノーマルショット・押しっぱなしで発射の溜め攻撃・ボム、以上3種類のみで成り立っていて非常にわかりやすい作り。難易度調整が7段階にわたって可能なのも面白い部分。まあ、俺は今現在難易度1(MONKEY)ですらノーコンティニュークリアできないほどのヘタっぷりなので、難易度7なんて怖すぎて触れもしないけど。まあいろんな人に楽しめていいんじゃないでしょうか。

 「キャラクターインデックス」モードでは、各キャラの自己紹介と機体性能がフルボイスで参照でき、とてもわかりやすい。キャラクターがかなり個性的というか面白いので、説明は特に要らないという人でもとりあえず見ておいて損はないと思う。

 プレイできた人がどのくらいいたかは謎だが、業務用などで使われる縦型モニター用の完全再現「アーケードモード」もある。サターン向けの「オリジナルモード」では画面を4:3に合わせるために自機の移動によって上下にスクロールするようになっていて、たまにスクロールによって敵弾のスピードが変わって爆死することはあったものの(下手なだけです)、まあよく出来た内容だと思う。

 プレイしていて謎に思ったのは、ノーマルショットの4段階目だけは一定時間(一定弾数かも)経つと3段階目に戻ってしまう点。まあ、別にゲーム性を損なうようなものでもないのでどうでもいいっちゃどうでもいいんだが、わざわざ難易度変更もあるし、バランスもいいゲームだとは思うので、なぜこんな要素を入れたのかってところに少々疑問はある。

 お楽しみ系のモードとしては、ガンバードイラストコンテストの結果発表(大賞などの各賞)が見られるイラストモードがあり、結果発表のほかにもエントリーされた459もの応募全作品を全て閲覧できる。公式イラストレーターの中村 博文氏やその他漫画家などがイラストを描いたゲストギャラリーもあるなど、かなりのボリューム。

 軽く楽しめる本編のボリュームと誰でも楽しめる間口の広さにただただ感服する作品。キャラ以外にこれといった”らしい特徴”に欠けるのだけが残念な部分。


黒の断章 THE LITERARY FRAGMENT ★★★☆ OZクラブ/1997.08.08/アドベンチャー

 有名な暗黒の架空神話体系「クトゥルフ神話」をモチーフにしたアドベンチャー。18歳以上推奨ゲーム。マンションで起きた殺人事件を独自に操作することとなった探偵の涼崎と草薙。最初は何の関わりもないただの連続殺人事件だったが、だんだんと涼崎の失われた過去の記憶とリンクし、事件は意外な展開を見せてゆく。

 もともとはPC98で発売された同名ゲームの移植。イラストはサターン移植に当たってほぼすべて書き直されていて、今見てもそれなりのグラフィック水準にあるのは見事。1枚絵ばかりでムービーがあるわけではないんだが。18歳以上推奨ということでそれなりにエロいイラストもあるにはあるが、話をぶった切るほどの印象があるようなものではないし、ストーリー自体が後半からかなりオカルトじみてくる部分もあって、雰囲気と微妙なエロスって所はうまくマッチしていたように思う。このくらいならむしろアリだろう。

 システムはパソコン版をそのまま移植ということで、画面をカーソルでクリックして先へ進めるという形式を採用している。今からみればとてつもない前時代なシステムだが、当時を考えるとWin95全盛時代だしそれほど昔なシステムだったとは思わない。しかし、これはマウスでプレーするからいいシステムなのであって、パッドで十字キー押して使うシステムではないだろう。そのカーソルの動きもさほど良くなく、細かいカーソル移動が必要な場面(蛭田の部屋進入場面・図書館での本探索場面など)ではイライラするほど。

 場面の進め方も当時のアドベンチャーゲームのお得意方式、フラグ立てに同じ部分を何度かクリックすると先へ進めるという形。場面によって必要とされるものが変わるのは当然だが、どこをクリックしていいもんだかわからないような場合が非常に多い。せめてメッセージが出る場所に吹き出しで説明を入れるとか(机にカーソルを合わせると吹き出しで「机」と出てくれるとか…)してくれると良かったと思う。

 ストーリー面だが、後半になって神話モチーフでの説明文が長々出てくるのは読み飛ばしたくなったが、それ以外の基本部分は非常に良くできていると感じる。きちんと読ませてくれるし、雰囲気を壊すこともない。涼崎と草薙の両視点で物語は進むのだが、その切り替わりがあまりに唐突過ぎるのは何ともだった。前半部分がサスペンスに近く後半はほとんどオカルトに話がシフトするのだが、現実に近い内容から一転して現実とかけ離れた内容となるもので、中盤以降急展開を見せるあたりでちょっと置いてけぼりをくった感が否めない。

 この内容にして最後はハッピーエンドで終わるのは良かったんだが、個人的にはちょっと尻すぼみ。序盤の引き込みようがものすごく良かっただけに残念な部分でした。グラフィックや音楽・そして全体的な雰囲気は上質で、クトゥルフ神話がわからない人にも楽しめるように作ってある(少しは興味あるくらいじゃないと辛いかもしれないけど)のもいい。全体はおそらく8~10時間くらいで大して長くはないので、好みはあれど操作性に我慢できれば十分にストーリーとして楽しめる作品にはなるでしょう。

 PC98・DOS/V版発売→サターン版発売と来て、それから7年も経ってからWindows版に移植されるという異色の展開となっているので、 今プレイするならわざわざサターン版である必要はないとも言えるんだけど。しかもWindows版がサターン版の移植という。(いちおう18禁扱いらしいが)


THE KING OF FIGHTERS '97 ★★★ SNK/1998.03.26/格闘アクション・2D

 SNKのオールスター格闘アクションゲームの第4弾をSSに移植。SSでのシリーズはこれが最終作。

 KOFってこの'97が一番面白かったと思うんです。連続技相当出しやすくなったし、超必殺技のエフェクトもこの'97から派手めのものになったし、キャラクターもオリジナル含めて魅力的な人たちが多かったと思うし、何せ2D格闘があまり得意ではない俺でもそこそこプレイできたKOFはこれと'98の2つだけだ。

 で、サターン版。家庭用らしい部分はあまりなく、トレーニングや1vs1で戦えるモードがあるくらい。ただ、2D格闘に強いサターンの強みはロード時間。PS版と比べた時にロード時間が半分くらい(しかもロード中の進捗状況がバーで表示される)なのはやはり大きい。4MRAM必須の効果が大きく出ているというところだろう。


シャイニング・ザ・ホーリィアーク ★★★★ セガ/1996.12.20/RPG

 セガサターン全盛期に登場した、3Dフルポリゴンのダンジョンが特徴のRPG。 タイトルの通り、シャイニングシリーズ・ダクネスの続編という位置付け。戦闘開始直後にタイミングよくボタンを押すことで、ピクシーたちによる先制攻撃が可能という 「ピクシーアタック」という新要素も取り入れるなどしている。

 フルポリゴンのグラフィックは非常に滑らかで、ロード時間もほとんどない。エンリッチの城下町でものすごい処理落ちが発生するのだけが難点だったんだけど、俺だけか?

 そのほかダンジョンの仕掛けも相当凝っていて、建物の上下が反転するダンジョンがあったり、3D視点ながらカーブがあったりと、今までの3DダンジョンRPGではありえなかった仕掛けの数々が面白い。
 ゲームバランスは多少難かしめ。エンカウント率も場所によってはかなり高くて苦労するかも。テンポがいいので、レベル上げもそれほど苦にならないのは素晴らしいところ。

 オートマッピング機能などもあるし、普通に楽しめた。こんな作品が今や500円くらいで眠っているんだから、サターンもまだまだ捨てたもんじゃない。


スチームハーツ ★★☆ 戯画/1998.09.23/シューティング

 PC98で発売された後PCエンジンへ、続いてこのサターンへと移植された縦スクロールシューティングゲーム。PC98ではエロゲーとして発売されたタイトルのようで、サターン版では少し抑え目のグラフィックではあるが「18歳以上推奨」の指定がなされている。まあ、グラフィックは大したことないにしても声がねぇ…。まあ、規制がかかるだけはあります。

 ゲームの内容ですが。惑星「ウェスティナ」を舞台に、ウイルスに侵された統治者たちを救うため「アウトロー」ブロゥとファラの2人が立ち向かう。ブロゥとファラはウイルスの抗体を持ち、各所を統治する「マスター・エンヴリオ」をウイルスから治療していく。ストーリー自体は結構深くまで考えられてるし、まあまあ面白いと思った。

 で、このマスター・エンヴリオってのがみんな女の子で、しかもウイルスの抗体を照射するのになぜか全員裸にされられる…というむちゃくちゃな展開。さすが元エロゲーってところです。ステージは全部で8ステージで、ステージクリアごとにヴィジュアルシーンが入るようになっている(1枚絵ばかりの構成だが)。 声に結構有名どころの声優を使っているようす(折笠愛とかないみかくらいしかわかんなかったけど)で、絵よりも声にインパクトがあるかも。

 シューティング部分に移ると、こちらはメインウエポン(バルカンかレーザー)とサブウエポンで進むオーソドックスな形式で、サブウエポンを捨てる?ことでボムも使用可能。サブウエポンは3つまでストックできるようになっている。自機は1機のみだが最大7つのライフ制。 L/Rボタンでは無敵時間もある(らしい)高速移動が出来る。シールドや回復などのアイテムもあり、基本システム部分はうまくまとめているように思う。

 サブウエポンが豊富なのも面白い。ミサイル、ホーミングレーザー、ナパーム弾などに加えてガンダムでおなじみの”ファンネル”まである。 ファンネルって名前までそのまんま使っていいのかと思うところもあるが、別に特許とってるわけでもないしいいんだろう。知らんけど。 捨てることで発動するボムもサブウエポンによって効果が大きく変わるようにもなっている。

 ただ問題が難易度。ステージ1からとんでもない数の弾が振ってくる。それと、敵弾が背景と同化してて見難いのは一番辛い。ステージが進むと宇宙に進出するが、そちらの方が敵弾を見やすいとかむちゃくちゃだろう。逆にボス戦では耐久力がないのか、10秒ほどで撃沈するボスまでいる始末でバランスがよくわからない。

 それと、ステージ後のお楽しみが一番重要なゲームであることはわかるんだが、いくらなんでも1回1回が長すぎ。5分以上は確実にあるような。先に書いたが1枚絵ばかりだし、個人的に数ステージで飽きてしまった。

 シューティング部分は画面の見難さが何とかなれば普通に面白いと思う。逆にお楽しみ部分はちょっとなぁって感じでした。ただサターンってシューティングに良ゲーが多いんで、お楽しみ部分が面白くないなら他のゲーム買うよなって結論になると思うんで、そう考えると総じて微妙か…


ファイナルファイトリベンジ  カプコン/1996.03.29/格闘アクション・3D

 セガサターン最終作となった、3D格ゲー。名前の通り、あのファイナルファイトの続編。

 まあ、最初にゲーセンで出たときからやばいとは思っていた。いきなり時代に完全に乗り遅れたガキガキのポリゴンだったし。インパクトだけは抜群だったけど。武器やアイテムを拾えるのが特徴だった。シリーズものとして悪くないシステムだったと思うが、それだけ。家庭用では、なんと4MRAM必須なのにロード時間が長い、といいとこなし。

 登場キャラは、確かにファイナルファイトプレイヤーならニンマリするキャラがいっぱいなのだが、肝心のゲーム部分がまずすぎてフォローにもならない。

 今なら、見つかったとしても捨て値だと思われるのでネタゲーとしては楽しめるかも。