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ハード:Playstation Vita
メーカー:フライハイワークス/スキップモア
発売日:2016.04.27
ジャンル:アクションRPG
価格:500円(ダウンロード専用)

評価:★★★

フェアルーン

●あらすじ
 ここは、幻想が現実の世界フェアルーン。この閉ざされた世界の中心には、3体の精霊像の力によって魔王の魂が封印されていた。
 ところがある日… 3体の精霊像が忽然と姿を消し、世界に異変が起こり始めた。瞬く間に世界は魔物であふれかえった。
 選ばれし勇者よ、消えた3体の精霊像を見つけ出し再び魔王の魂を封印するのだ!

●概要
  ドットで描かれたレトロなグラフィックとBGMが特徴の、謎解きアクションRPG。2009年にまず無料ブラウザゲームとしてリリースされ、その後2013年にはレベルアップなどの要素を追加してスマートフォン向けがリリース。2014年にはスマホ版をベースに追加要素を加えて3DSに移植され、およそ1年半後に今回のVitaに移植された。
 画面端に進むと1画面分スクロールで切り替わる「画面切り替えスクロール」方式を採用している。ファミコンくらいの時代まではいくつかのゲームに採用されていたもので、代表的なものには「ゼルダの伝説」や「ハイドライド」などがある。個人的にはファミコンからの世代として「ハイドライドスペシャル」の印象が強く、体当たりしかない攻撃方法と合わせて近いものを感じる。

 初代ブラウザゲー制作はインディーズゲームスタジオのスキップモア、移植版製作は3DS・Vitaダウンロード専売ゲームなどを多数制作するフライハイワークス。2社の手がける作品は今回初プレイ。

●簡単操作
 十字キーによる移動と○・△・Rボタンなどで選択して使用するアイテムのみと非常にシンプルな操作系で、動かし方に困ることはまずないと言っていいほど簡単。
 攻撃は剣を振るなどの動作はなく体当たりのみとシンプルそのもの。プレイヤーのほかにモンスターにもレベル設定があり、回復場所は決まったところにマナのかけらというアイテムを使うことで出現、無限に使えるのでレベルアップも苦にならない。
 現在のレベルで戦うのに最適な敵を教えてくれる「はじまりのしょ」というアイテムも初期装備で持っているなど、基本戦うという部分については至れり尽くせり親切という感じ。

 ちなみに、万が一HPが0になってしまってもちょっと長い道を歩かされるだけでペナルティは一切ない。

●バリエーションまずまず、ちょうどいい難度の謎解き
 冒険の道中手に入るアイテムを使って謎を解き行動範囲を広げていくのがメインとなるが、簡単すぎず難しすぎずで難易度はちょうど良いと言えるのではないだろうか。ゲーム中完全ノーヒントなので一回詰まってしまうとリカバリーが厳しい作りではあるのだが、プレイしていて理不尽に難しい謎解きはなかったように思う。最後だけかな、突然のギミックに戸惑ったのは。
 このドットグラフィックが奏功しているところもあるんだが、怪しい場所は明確に怪しかったりする。例えば木々の中にポツンと枯れた木があるとか、普通と明らかにグラフィックの違う石があったりとか。新しくアイテムが手に入ったときに、「あれ、もしかしてあそこで使うのかな?」というのが割と連想しやすい。これはリアルなグラフィックじゃ難しいだろうなという。

●ボリュームは値段相応?
 クリアまでの時間はおおよそ2~3時間程度と思われる。一般的なこの手の作品の中では明らかに短いが、隠しアイテムや搭乗数の少ないレアモンスターなどの要素もあるので、トロフィー集めなどで極めるともう少し長く楽しめる。元の価格が500円ということを考えれば及第点のボリュームはあるのかなと。
 トロフィーの中には「1時間以内でクリア」というのもあるのだが、敵の仕様上レベル上げ必須な作品なので、一切迷わずにしっかりとしたチャート組みをしないとなかなか達成できない速さだ。

●総評:価格と中身のバランス良好
 この長さでスパッと終わる達成感こそあれ不満を感じないというのが素晴らしい点で、500円でこれだけ楽しめるのであれば十分。どこでもセーブができるのでちょっとのプレイにも対応できる。思い出したときにさっとプレイしたくなるような、なかなか良い作品です。