[Data]
ハード:Nintendo DS
メーカー:レベルファイブ
発売日:2007.11.19
ジャンル:アドベンチャー
実勢価格:1500~2500円(中古価格)

評価:★★★★

 

レイトン教授と悪魔の箱

 謎解き(パズル)とアドベンチャーを組みあわせた、DSで人気のレイトン教授シリーズ第2弾。

 おそらく初であろう、アドベンチャーの間に謎解きを持ってきたという発想の勝利でヒットを築いた前作。もちろん、第2作目では同じように発想の勝利とは行かない。前作のいいところを生かしつつ、難点をいかに改善するか。1作目のインパクトが強ければ強いほど、2作目というのは難しいわけで。

 謎解きの部分から。前作に比べると、ヒントを何も見ずにクリアするというのは難しくなったような印象を受ける。特に数式の知識を必要とするようなナゾなど、頭の体操では片付けられないようなものも出てきてしまったほか、同じナゾの派生(バニッシュ!やパンケーキ問題など)も多くなった。ジャンルに偏りができたことで、少々間口は狭くなったかもしれない。前作で言うなぞなぞのような”ナゾ”というより、本当の意味での”問題”が増えてしまったような気がする。メダルを使ったヒントは全般的にわかりやすくなっており、3番目まで見たときにはほぼ答えになっていることもしばしばで、文字入力系やボタン選択系の問題であれば、ヒントを見つつ進めることは十分に可能だろう。

 それから、ストーリーに関係するナゾが増えていて、前作ほど「え、ここで謎解きなの?」という無理やり感はなくなっている。同じ理由から無駄な寄り道は少なくなっており、このあたりは前作の欠点をうまく解消できた部分かと思う。そして、前作のレビューの際に何でないんだろう?と書いた「すべての問題にメモ機能」が追加された。これはすばらしい変更点。おそらくプレイヤーからの希望が相当多かったんだろう。

 アドベンチャー部分は、基本部分は前作で出来上がっているためにさほど大きな変更は無く、今回は「ふしぎなカメラ」「ハムスター」「ハーブティー」といった多数の要素が追加された。基本的に本編を邪魔しない程度のボリュームで良いのだが、ちょっと面倒だったのはハーブティー。ヒントはハーブティーを要求する各住人から聞けるのだが、ふるまうレシピを当てることよりもレシピそのものを作るのが難しい。

 ハーブティーをどうしたらふるまえるのかもわかりにくく、汗マークが出てくる住人に当たるまで何度も同じ場所を往復することになる。さらにメニュー画面上でもふるまった人数しか出ずに誰にふるまったかが参照できないのが致命的で、あれ、この人にふるまったっけ…?と思いながらもまた同じ場所を往復し続けるという無駄な時間を生む。せっかくストーリーと関係ない無駄なナゾをなくしていらない寄り道をなくしたのに、こういうところでリカバーしてどうするのか。

 映画とまで銘打ったストーリー部分は前作よりもボリュームアップしていて全体的には悪くないが、最後の種明かしはどうなのかと…いい意味でも悪い意味でもどんでん返しと言うか誰も思いつかない展開というか。確かに前作の欠点は改善したかもしれない(すぐ先が読めてしまう)が、あまりに極端に直したものだと思う。

 前作があった上での第2作という位置付けで見た場合、前作の欠点を一通り認識した上でいろいろと改善してきているのは間違いない。難点はほぼすべてが今作からの追加要素や前作と同じにできない部分(ナゾの内容など)であり、続編としては十分すぎる内容と言えるだろう。レベルファイブの丁寧な仕事ぶりにはただただ感服。もちろんいろいろと直してほしい部分はあるのだが。