[Data]
ハード:Playstation
メーカー:アトラス/彩京
発売日:1996.07.19
ジャンル:縦スクロールシューティング
実勢価格:3,000~4,000円(中古価格)

評価:★★★★☆

[Review] 2017.04.02

ストライカーズ1945

●あらすじ
 1945年夏、第二次世界大戦終結。世界は一応の平和を取り戻したかに見えた。しかし、かねてより各国の軍上層部と癒着が噂された謎の国際組織”C.A.N.Y.(キャニー)"が密かに軍部を掌握、実戦配備に至らなかった新型兵器群をもって全世界を内部より転覆せんと策謀していた。
 各国の不穏な動きをいち早く察知した連合軍司令部は秘密裏に全世界より選りすぐりの名戦闘機とそのパイロットを召集、"C.A.N.Y."に対抗すべく特殊部隊ストライカーズを結成する。今ここに歴史の陰に隠された最後の世界大戦の火蓋が切って落とされる。(フライヤー裏面より)

●概要
  1995年にアーケードで稼働開始となった縦スクロールシューティングの家庭用移植作で、シューティングゲームメーカーとして一時代を築いた彩京作としては「戦国エース」「ガンバード」に続く第3弾となる。
 戦国エース・ガンバードは今までなかった世界観やキャラクターが一つの特徴だったが、今作は一転して実在の戦闘機を操るオーソドックスで硬派な世界観に。とは言え、「実戦配備されなかった新型兵器群」をいいことに?、戦艦や巨大戦闘機がロボットに変形するから始まり、謎の宇宙人やら謎のカニ型兵器やらまで話が飛んでいく。このへんは破天荒さもうまく残している。
 ステージ数は全8ステージで、最初の4ステージのみ順番がランダムで決定され、5ステージ以降は固定される。

●基本システム
 スタート時に6機の戦闘機から1機を選んでスタートする。操作は十字キーによる移動とショット・ボムの2ボタンというシンプルなもの。

 ショットは1回のボタン操作で数回連射するセミオート式で、パワーアップアイテム「P」を取ることで最大4段階までの強化が可能。加えて自機のそばに子機が追加され、子機からのサブウエポン攻撃が追加されるほか、ショット長押し(いわゆる溜め撃ち)で「フォーメーションアタック」と呼ばれる子機の自動攻撃が発動する。攻撃の内容や範囲は機体ごとに異なる。
 ボムは縦シューおなじみ、敵弾打ち消し作用のある高威力・広範囲攻撃で、残数制限あり。こちらも選んだ機体によって範囲・攻撃力が異なる。ステージ上に出てくるアイテム「B」を取ることで残数を増やすことができる。

●機体バランスの良さ・フォーメーションアタックの面白さ
 選べる6機の機体は、メインショット前方集中/拡散、サブウエポン・フォーメーションアタック・機体の移動速度とそれぞれ異なった特徴を持つが、どれも扱いにくいとか明らかに弱いということはなく、どの機体でも攻略に結び付けることができる。
 特にフォーメーションアタックについては、前方集中の攻撃力特化タイプ・敵弾打ち消しで前進する防御タイプ・前進しながら真横に攻撃するタイプなどしっかりと特徴が分かれ、それぞれ発動するまでの溜め時間も異なる徹底ぶり。バランスを崩さずここまで見事に分けているのは感心する。

●幅広い難易度設定
 難易度は1「MONKEY」から7「VERY HARD」までの7段階に分かれ、敵弾の数・速度が大きく変わる。NORMALは難易度5に当たるが、さすがはアーケード移植縦シュー、これでノーマルなのか…と驚愕するほどのスピードの敵弾が降ってくる。いわゆる通称「彩京弾」というやつだが、パターンがあって覚え要素が強いとは言え、自分では3「VERY EASY」ですら結構辛い難易度だった。
 1は「MONKEY」という難易度だが、さすがにここまで来ると敵弾の数自体もかなり少なくなり、誰がやっても簡単とまではいかないが、かなり易しい難易度に。
 ボスは攻撃が激しいものの耐久力自体はそれほど高くなく、短期決戦だというところもいい塩梅なのではないだろうか。

 ともかく、これはガンバードの家庭用でも同じ7段階設定だったが、難易度の幅が大きく初心者から上級者までをカバーする。先に書いた「彩京弾」を含めて覚えゲー要素が幾分強いのが彩京シューティングの特徴かと思うので、繰り返しプレイでうまくなっているのを実感しやすいというところもあるかなと。

●総評
 このゲームの前にプレイしたのがPS屈指の優等生アクション「風のクロノア」だったが、今作はPS屈指の優等生縦シューというところだろうか。アーケードはちょっとだけプレイ経験があるが、移植度もかなり高いのではないかと思う。

 続編である「II」はゲームアーカイブスで配信されているので普通の価格だが、なぜかこの初代は配信対象になっておらず、おかげで値段がちょっと高騰中。PS2でIとIIのカップリングが出ているがそちらも7,000円(駿河屋・2017年4月現在)という状況で、なかなかすんなり手を出せる値段ではなくなってしまったのが惜しまれる。アーカイブスで配信されない理由は何なんでしょうね?

  Androidだと「ORIGINAL」という冠がついた移植版が基本無料でリリースされているが、フレームレートが低くてカクつく・連射スピードが異なる・省略されたエフェクトが多いなど、残念ながら原作からはほど遠い出来。まあ無料だから…