[Data]
ハード:Playstation 2
メーカー:セガ
発売日:2006.12.07
ジャンル:アクションアドベンチャー
実勢価格:300~500円(中古価格)

評価:★★★★

[Review] 2015.05.23

龍が如く2

 消えた100億事件から1年。極道の世界から離れ、遥とともに平和に暮らしていた桐生一馬の前に現れた東城会5代目会長・寺田行雄。1年前の事件で弱体化した東城会に対し、関西の近江連合は着々と関東進出の準備を整えていた。そんな中、寺田は杯を交わすための書状を持って近江連合との和解を目指すため、先代を努めた桐生に相談を持ちかけに来たのだ。
 しかし寺田は桐生の目の前で関西・近江連合の刺客によって殺害されてしまう。寺田の遺した書状を持って関西へ向かうことを決めた桐生だったが、そこに待っていたのは…

 前作から1年後、関西の大組織・近江連合との戦い、そして26年前に遡る東城会に秘められた韓国マフィアとの事件…さまざまな思惑が絡み合い展開する、桐生一馬の物語。第2弾となる今回は、前作の東京・神室町に加えて大阪に舞台が広がり、道頓堀をモデルとした繁華街「蒼天堀」・新世界をモデルとした歓楽街「新星町」の2つのマップが新しく登場した。

 前作でも複数の実在企業が登場していたが、今作ではさらに広がり、前作で「赤牛丸」があったところに牛丼の「松屋」が入ったほか、「寿司吟」「鶴橋風月」「かに道楽」などが初登場。ヒット作になったことでさらに賛同が得られたというところだろうが、実在企業の看板があるだけでも街の散策が楽しくなるのはれっきとした事実なので、もっと増えてほしいところだ。
 新しく加わった大阪マップについては、相変わらずの作り込みでさすがだなあと思う反面、看板の使い回しが多かったのが気になった。新店にいろいろ切り替わったところも含め、やはり神室町のほうが気合が入った作りなのかなと。
 前作から多数のミニゲームがあったが、今作ではクラブセガ内の対戦型ゲーム「YF6」やゴルフ打ちっぱなし・ボウリングなどのミニゲームが初登場、キャバクラ経営やホストの体験まで、前作を大きく超える要素が搭載された。ストーリーの合間合間で巡るにはあまりに多く、クリア後のお楽しみで巡る形になることが多いかとは思うのだが、やり込む要素としては相当のものがある。

 サブイベントももちろん健在なほか、今回から各飲食店で食べたものやヒートアクションの数なども達成率で示されるようになり、やり込み要素が前作よりもさらに増した形となった。体力全快時に飲食はできないので、飲食系の達成率は結構厳しいものがあるが…

 バトル面では前作と操作法も同じで大きな変更はないものの、真後ろへの攻撃がゲーム開始時から可能になったことで、囲まれた際の対処がだいぶしやすくなった。R1ロックオンの微妙さは相変わらずだが、ある程度相殺された感じがする。ヒートアクションについても数が大幅に強化され、一部戦闘時限定のヒートアクションもあるなど、こちらもコンプリートには相当骨が折れる。
 前回よりは難易度調整がうまくなされたのか、気のせいか少し簡単になったように思える。クセのあるボス級が減った(主に真島の兄さんあたりだが)というのが一番、あとは今回からの追加要素によって囲まれた時の戦い方がしやすくなったというのもあるだろう。

 とにもかくにも、コンプリート要素は前作の数倍とかなりの数で、クリア後も十分に楽しめる作りとなっている。ストーリーを追うことと同時に、町全体を楽しむことが一つのコンセプトだと思われる作品なので、そのあたりは十分にカバーできているボリュームと言える。

 ストーリー面については、前作の錦山に変わるライバル的存在として、近江連合直参郷龍会会長・「関西の龍」郷田龍司が登場する。裏でうごめくいろいろな動きにほぼ関与しないど真っすぐな姿勢まで錦山そっくりな位置付け。今作のヒロイン的存在な狭山薫を中心としたドラマが基本線で前作ほど衝撃的な場面や名ゼリフが少なかった感はあり、インパクトは前作かなーと。真島の兄さんのキャラが相変わらず強烈で印象に残るが、こちらも前作よりはちょっと丸くなった感じ。

 初作品でいろいろととんがっていた前作をかなり丸めて間口を広げたというところ。前作の衝撃から見ると、丸めすぎておとなしすぎるのでは?という印象も受けるが、ストーリーとしては(前作同様にラストはどうかと思うが)うまくまとめてきているし、追加要素は続編にふさわしい内容とボリューム。前作をプレイしていれば今作をやらない理由が見つからない。さすがの優秀作品。