[Data]
ハード:Playstation 2
メーカー:光栄/オメガフォース
発売日:2000.08.03
ジャンル:アクション
実勢価格:100~200円(中古価格)

評価:★★★☆

真・三國無双

 中国三国時代の歴史書「三国志」をモチーフに、魏・呉・蜀の武将一人を選んで多数の兵士・武将と戦いを繰り広げる一騎当千型タクティカルアクションゲーム。後に「無双系ゲーム」と呼ばれることとなるジャンルの始祖となった作品。黄巾の乱から五丈原の戦いまで、三国志の中でも特に著名な7つの戦い(戦場)が舞台となっている。
 無双シリーズの広がり方(戦国・ガンダム・北斗など…)や類似のゲームが多数登場したことを見るにつけ、このゲームがいかに大きな存在だったかがわかるというもの。もちろん、これにはPS2自体のハード能力が上がったことも大きく関わっているのだが、PS2発売からわずか半年でこれだけのスケールの作品を作り上げた光栄のアイデアには感服するばかりだ。
 著名な武将を操ることが出来、劉備・関羽・趙飛・趙雲などをはじめとした総勢28名をプレイヤーキャラとして使うことが出来る。半分近くが隠し武将扱いで一部はフリーモード限定武将とはなるものの、1作目からかなりの武将数。時代背景は結構ずれている(全員が近い年代の武将として戦っているので)が、こういうゲームの宿命みたいなものだろう。

 操作は至ってシンプル。□ボタンの通常攻撃と△ボタンのチャージ攻撃・○ボタンの無双乱舞(無双ゲージ消費)・×ボタンのジャンプと、無双シリーズほぼ共通の操作系がこの作品ですでに完成されている。L1ボタンはシフト移動・R2ボタンはマップの拡大・縮小に当てられている。R1ボタンに弓を構える(→□○△で矢を放つ)動作が割り当てられているが、照準の合わせにくさと敵の動きなどがあいまって、なかなか使いにくいのが残念。
 プレイヤー武将には護衛兵がつき、最初は2名だが最大8名までともに行動させることが出来る。後述の成長システムによって人数を増やしたり能力を上げることが出来、頑張って育てると攻撃力もかなり上昇するなど、なかなかの能力値になってくれる。

 ゲームメニューは、武将を選んでストーリーを進行させる「MUSOU MODE」と、フリーで戦える「FREE MODE」の2種類のみとシンプルで、このあたりはさすがに1作目だなと思うところ。戦場が7つというのも、今考えると少ない部類になるだろう。MUSOU MODEでは5戦戦ってエンディングとなるが、このステージ数だとどの武将を選んでもかなりの確率でステージが被ってしまう(同じ国の武将であればなおさら)。

 プレイヤー武将には成長の概念があり、攻撃力・防御力・体力・無双ゲージを成長させることが出来る。方法は2つで、ステージクリア時に倒した人数や武将の数によって経験値が溜まってレベルアップさせるか、武将・拠点兵長を倒すことで手に入る成長アイテムを入手する。体力・無双ゲージの成長アイテムはステージ中の箱などに入っている。
 体力・無双ゲージ成長アイテムが敵武将を倒しても手に入らないというところはちょっと引っかかる部分。攻撃力・防御力はとにかく武将を倒しに行けばいいという話だが、体力・無双ゲージに関しては広いフィールドをくまなく探す必要があり、しかも数もそう多くない(おそらく1ステージに1つ?)。武将から出すのはだめだったのか?

 敵武将は倒れて起き上がるときにアイテムを使用することがあり、プレイヤーが手に入れることの出来る回復アイテム(体力50・100・200・完全回復)・攻撃力防御力倍化(30秒間)のどれかが発動するのだが、数の多い体力回復アイテムが発動しやすく、瀕死寸前まで追い込んでいたのに起き上がったら回復されていた…なんてことが頻繁に起こる。
 解決方法はただひとつ、「倒れないように攻撃する」しかなく、通常攻撃×3で止めると相手が倒れないので、対武将だけは3回止めをちまちま繰り返すという地味な作業になってしまう。自武将の護衛兵がまた厄介で、意図して転ばせないようにしていても護衛兵が勝手に攻撃して転倒させてしまったりということもあり、このアイテム使用に関してだけは疑問点ばかり。敵武将の体力や防御力で調整できなかったものだろうか。

 シリーズの原点として、魅力の高い作品。武将は数をそろえているものの、ステージ数の問題でどうしても飽きやすくはなっており、空いた時間にぱっとプレイするようなタイプのゲームになっている感はあるが、今でも十分に通用するゲーム性は一見の価値あり。 無双シリーズは乱発された関係で旧作の価格下落が激しく、1~3くらいまではワンコインで買えてしまうので、今買ってプレイするのはお財布にも優しくていいのではないだろうか。