[Data]
ハード:Playstation 3
メーカー:スクウェア・エニックス
発売日:2016.01.28
ジャンル:ブロックメイクRPG
実勢価格:2,500~3,000円(中古価格)

評価:★★★★

[Review] 2018.12.11

ドラゴンクエストビルダーズ アレフガルドを復活せよ

●あらすじ+概要
 「もし わしの みかたになれば せかいの はんぶんを ●●にやろう」
 FCで発売された初代「ドラゴンクエスト」のラスボスりゅうおうがプレイヤーである勇者に向けたセリフ。FC版では、この問いに2度「はい」と答えると復活の呪文をもらえるが、スタートからやり直し。実質ゲームオーバーになる仕様であった。この問いに「はい」と答えた後の世界がもしあったとしたら…

 「世界の半分をやろう」というりゅうおうの問いに「はい」と答えた勇者は、帰らぬ人となった。その後、アレフガルドの世界は闇に覆われ、大地は引き裂かれ荒廃。人々は物を創る力を失い、アレフガルドからは人の姿が消えていった。
 それから数百年後。精霊ルビスの導きのもと、この地に物を創り出す力を持った1人の若者「ビルダー」が現れる。”創り出す力”で再びアレフガルドに光をもたらすため、プレイヤーは各地の街を創り、光を取り戻してゆく。

 ドラゴンクエストシリーズ初の「ブロックメイクRPG」として発売された作品。ブロックで作られた世界で自由に物を作ったり冒険したりできるサンドボックスゲーム「マインクラフト」に近いジャンルで、世界のすべてがブロックで構成されたアレフガルドを舞台とする。

●ブロックなのに違和感ない「ドラクエ」世界
 ドラクエ1~3で舞台となったアレフガルドの各地を「メルキド」「リムルダール」「マイラ」「ラダトーム」の4エリアに分けて復興させてゆく。まず、ブロック世界という今まで全くなかったジャンルにも関わらず、フィールドからしっかりドラクエしているというのがすごい。馴染みのあるモンスター・馴染みのあるアイテムが揃うと言うのはもちろんあるのだが、ブロック1つ1つの作りや作成できるアイテムがどれもこれもドラクエしているという感じで、違和感がまるでない。これは素直にすごいと思う。
 モンスターももちろんドラクエ世界おなじみのキャラばかりで、1で登場したモンスターの大半が登場するが、1の時点では登場していないはずのモンスターも「新たに配下に加わった」という設定で多数登場している。

 マップの広さは1200x1200x31だそうで、PC版マイクラなどと比べると小さいサイズではあるが、プレイしていて小さいと思うことはない。そもそもマイクラもPS3版は864x864x256だしね。高さはさすがに負けるけど。
本家マイクラは広いフィールドを生かし「未知のフィールド・バイオームに進んで新しい材料を入手する快感」というのがある作品だと思うが、今作は1つ1つのフィールドをそれほど広くしない代わりに旅の扉によるエリア分けを導入し、エリアによって手に入る素材や生息するモンスターを分けることで同じようなプレイ感を持たせることに成功した。

●マイクラよりもわかりやすい各種建築
 部屋の中に設置するアイテムを含めるとマイクラ以上のアイテム数になるが、この手のゲームをプレイしていないプレイヤーでも入っていけるよう、ストーリーモードでは「このアイテムを設置するとこんな部屋が出来るよ」というチュートリアルが都度示されるほか、「設計図」も用意され、設計図通りに作れば一定の部屋にできる仕組み。
 部屋自体”天井をつけなくてもいい”ので壁面+床面装飾を思い通りに行えればいいという感じで、敷居はマイクラより間違いなく低い。ブロックをちまちま積む楽しさをこちらで学んでからマイクラに挑むという線もありかも。自分は逆だったけど。

●アクション要素が強め
 マイクラはアクション要素がさほど多めではなく、アクション要素をフル活用するのは一部洞窟やエンド・ネザーくらいだが、今作はアクションRPGの要素が強めに出来ており、モンスターを倒すことで素材を手に入れ、新しいアイテムを創り出すことも必要となる。
 ずっとプレイしていくと、リーチ短くない…?とかいろいろ思うところがないわけではないが、シンプル操作でフィールドにいる多数の見慣れたモンスターを相手にするのはやっぱり楽しいということを実感する。

●視点は難あり
 完全一人称の視点がベース(変更できるが)のマイクラと違って基本的に斜め上からの見下ろし視点となる本作だが、全体を見渡しやすい反面ブロックを思った通りに設置するには少々コツがいる。

 洞窟などの狭い場所に関しては視点が真後ろからに近い視点に変更されるが、このあたりの調整が少々雑で、目の前のブロックに視点が向いてしまって周りが全く見えなくなる事態が度々発生する。慣れればいいと言われればそれまでだが、この手のゲームは屋根を含めた構造物建築にこそ面白みがあると思うので、狭いところに入ると毎回視点調整が必要なのは致命的だと思う。

●アイテム管理ももうちょっと
 ストーリーモード・フリービルドモードともに序盤をちょっと過ぎたあたりで「大倉庫」を作れるようになり、持ちきれなくなったアイテムを自動で倉庫に送ったり取り出したりできるようになる。アイテム128種類(フリービルドモードでは192種類)・装備64種類とかなりの量を入れることが出来るが、ゲームを進めていくと大倉庫に入りきらないほどのアイテム量になることも多々あり、不要物を捨てるのに1つ1つ捨てるかどうかの選択が必要というのがちょっとわずらわしかった。
 マイクラだと捨てるための「サボテン」「マグマ」などのゴミ箱的な場所を用意するとあとはそこに投げ入れるだけで抹消できたからね。

●総評:ドラクエらしいワクワク感
 ブロックになってもやっぱりドラクエはドラクエだった!という感じでしょうか。想像以上にしっかり作ってあったし、マイクラの真似っこゲームではない新しいブロックメイクゲームを見た。