[Data]
ハード:Playstation Vita
メーカー:日本ファルコム/キャラアニ
発売日:2014.06.12
ジャンル:RPG
実勢価格:3,500~4,500円(中古価格)

評価:★★★

英雄伝説 碧の軌跡 Evolution

●概要(ストーリーはPSP版レビューを参照)
 2012年にPSPで発売された「軌跡シリーズ」の1作「碧の軌跡」を追加要素を入れてVitaへ移植。Vita発売のEvolutionシリーズとしては「零の軌跡 Evolution」に続く2作目となる。零Evoと同じく、「イベントフルボイス化」「グラフィックのHD化」をメインに、支援要請の追加・BGMフルアレンジなどの変更が加えられている。

●グラフィック向上
 全体のグラフィックがHD化し、キレイに。一部の遠景が取り残されていた零evoの難点は残念ながら解消されず、相変わらず景観を褒めたたえるマインツ山道のイベントがとっても残念なことに。
 フォントについては、PSP版で使用していたゴシック系のフォントを高精細にしたものになってかなり見やすくなった。零と碧でフォント変更が必須だったのかどうかはわからないが、今作の見やすさを見るにつけ、零evoでもPSP版碧のフォントをそのまま使っておけばよかったのでは…と思ってしまう。

 HD化とは別に、今回は一部イベントに1枚絵が入るようになったのだが、絵師が違うので違和感がどうしても残る。

●BGM:今作もフルアレンジ
 BGMは今回もフルアレンジで収録。作っている人は変わっていないので完全に個人の主観になるんだろうが、零evoよりは納得のいくアレンジが多かったように思う。零evoはがっかりアレンジがいくつか混じっていたが、今作は緊迫した曲がさらにグレードアップしている感じ。「動き始めた事態」とか。戦闘曲もPSP版はちょっと薄いかなーと思っていたところが良いアレンジをされている。

●フルボイス化
 これも前作同様だが、メインイベントはすべてフルボイス化された。全員声優はやはり不可能だったようで一部棒読みの市民が含まれたりはしているが、前作モブ声優扱いだった遊撃士にもしっかり声優が当てられるなど、ここも前作よりは幾分改善している印象。
 ランディの声がえらい聞き取りにくいのはマイナス点。三木眞一郎氏の低めの声がメインなのでもともと聞き取りにくいのかもしれないが、それならそれで調整できただろうという。明らかに小さく聞こえるんだよなあ。

●追加支援要請
 今作でも5つの追加支援要請が組み込まれている。今回の5つはかなり賛否があるようで、特にパン屋の宣伝のためになぜかパーティから誰かが歌うことになるイベント・森林道探索イベントあたりは「らしくないイベント」というレビューもかなり散見されていた。
 個人的には、3回挟まる検証イベントがなかなか面白かった。途中からかなり話が大きくなっていくので、都度冷静に全体を見ることのできるこのイベントは思いのほか有り難かった。

●総評
 PSP版未プレイの方を中心に、2周目として楽しみたいPSP版プレイ済みのプレイヤーにも。零evoからは順当に改善しているところも多く、1年後発売の続編としても良い出来と言えそう。零evo同様値段が高いのだけが難点。