-Vision-

ケムコのコマンド選択式アドベンチャー。このディジャヴが第1弾で、この後シャドウゲイト、悪魔の招待状と続く。 もともとはパソコン用としてアメリカのICOM Simulations社が発売した洋ゲーで、その移植版。ケムコ発売の他2作も同様にICOM社製作の移植作品である。

記憶を失った主人公。自分が何者かもわからないまま部屋を進むと、いきなり男の死体を発見する。 なぜ自分はこんな場所にいるのか、自分は何者なのか。そしてストーリーは自分が殺人犯として罪を着せられているという展開から、 自分の無実の罪を晴らすために奮闘することになり、最終的には警察に無実の証拠品を持って行くのが目的となってゆく。

実際にあった出来事が元になっているそうで、とにかく地味。死体発見などの若干驚く要素はあるものの、 それ以外の部分についてはとにかく手探りで色んなアイテムを手に入れ、すべて調べてキーワードを少しづつ集めるという地味な展開に終始する。 しかし後半になって、自分の記憶を取り戻すくらいになるとなかなか面白くなってくる。そこまで耐えられるかがこのゲームの評価の鍵かもしれない。

システムは、画面下のコマンド(しらべる・とる・たたく・つかうなど)を選び、画面左上のマップや画面右のアイテムを選択するというシリーズ通しての形式。 画面上の絵を直接選択も出来るし、画面左下の移動先表示画面でもある程度選択も出来るという直感的な画面構成は高く評価できる部分だと思うが、 手に入るアイテムが多いにもかかわらずアイテムの並べ替えがまったく利かないのは難点で、そうじゃなくてもカーソルの動きやセリフのスピードが遅くてテンポが悪い。 アイテムも一覧性に非常に乏しい上ページの切り替えにもたつく…と、このあたりの基本部分が非常にまずい。 次回作以降でも結局直らなかったので、そのまんま移植しただけってことなんだろう。たぶん。

最終的なクリア条件である「警察に証拠品を持って行く」部分だが、クリアに必要なアイテムは捨てられないし燃やせないので、ハマってクリアできないなんてことはない。 クリアできないとすれば、アイテムの取り忘れが一番だろう。2番目に考えられるのはコインがなくなることだが、 カジノで1枚確実にもらえる(コインがないとき限定)上にカジノのスロットで稼ぐことまで出来る、とハマリがないようにうまく作ってある。

選択を間違えるとすぐゲームオーバーなのはこのシリーズならでは(このゲームに限ると死亡ではなく警察に捕まる)。 後の2作に比べると理不尽にゲームオーバーになることは少ないが、移動しただけで死ぬ場所があったり(警察のそばの工事現場)するのはさすがという感じがする。 これもシリーズ通してだが、ゲームオーバーになるとその直前から再開できる機能があるのは非常に親切で、 たくさんゲームオーバーになっても繰り返しプレイを飽きにくくしているのはこのシステムのおかげだろう。セーブがどこででも出来るのも親切。

音楽・そして独特のグラフィックと、人を選びそうだが全体的な雰囲気はとても良い。ファミコン時代だからこそ出来るアドベンチャーの形な気がします。 面倒だけどそれに見合う面白さもある。万人にオススメできるゲームではないけれど、こういうゲームにはまる人は絶対にいるはずです。

攻略ページ作ってみました。参考にどうぞ。→ディジャヴ 攻略ページ

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sinth 2005.06.04 Webmaster: S.K Mail: vision_hp@hotmail.co.jp