[Data]
ハード:Playstation
メーカー:SCE/ノーティドッグ
発売日:1997.12.18
ジャンル:3Dアクション
実勢価格:200~400円(中古価格)

評価:★★★☆

クラッシュ・バンディクー2 コルテックスのぎゃくしゅう!

 初代PSの代表的な3Dアクションゲーム、クラッシュ・バンディクーシリーズの2作目で、前作からほぼ1年後に登場。次世代機戦争と呼ばれた戦いの中で、初代PSの勝利をほぼ決定づけた1997年の冬商戦まっただなかに発売され、シリーズ初のミリオンヒットとなった作品だ。(初代のレビューはこちら
 個人的には前作よりも今作のほうがCMなどのプロモーションをよく覚えているのだが、やはり2作目という気合の入り方による露出度の違いだったのだろうか。クラッシュシリーズは次回作以降もナンバリングタイトルはすべて12月発売が徹底されていて、販売元がSCEから離れた4以降も続くことになったのだが、これも初代からのSCEプロモーションの成果だろうなあと思う。クラッシュ=クリスマスみたいなイメージが当時はあったもんな。

 前作はジャンプとスピンアタックのみでシンプルな操作だったが、2作目になっていろいろなアクションが追加された。○ボタンによるしゃがみとハイハイ・方向キー+○のスライディング・ジャンプ+○でのボディプレスが追加されたほか、スライディング中のジャンプで高さ・距離ともに通常時より大きくなる大ジャンプが出るようになった。タウナに振られてモテるためにトレーニングした結果覚えた特技らしいが、明らかに最初から使えるスピンジャンプのほうが難しそうだがそれは…
 新アクションそれぞれに定期的な使い道があり、バランスが取れている。アクションゲームで陥りがちな「アクションを入れてみたはいいが使わない」ということがないのはまず好印象だ。

 奥スクロール・手前スクロール・横スクロールと3方向に進む部分については前作と同様だが、足元が滑る氷のステージやぶら下がりで進むステージ・宇宙空間など、ギミックについてはかなりの刷新が図られた。L1/R1を動員する操作を要求される宇宙空間がちょっと慣れが必要で、しかもこれをラストに持ってくるのはちょっとなあと思ったが。
 カメラアングルについては調整したようで、距離感がつかみやすい上方からの視点が増え、全体的に見やすくなった。神殿ステージがなくなったので足場を把握しやすいステージだけが残ったのも改善点になるだろう(一部暗闇のステージがあったりするが)。
 ステージ数は27+ボスステージ5の32なので総数は前作と全く同じだが、一つのステージでダイヤが2つ取れたり一部ステージには裏ルートがあったりしているので、プレイ時間としてのボリュームは前作の1.5倍くらいありそう。

 前作で欠点と紹介した部分がおおよそ改善されていたところは非常に良かった。セーブについてはステージ開始前のタイミングでいつでもセーブできるように変わったし、特にチェックポイントからの再開時に壊した箱数がリセットされることがなくなったのは大きい。100%クリアを目指すうえで前作の仕様はかなりハードルが高かったが、その点でのハードルはかなり下がった。

 100%クリアのハードルは下がったとはいえ、決して簡単になったわけではない。特に厄介なのが今作から導入された緑色の箱「ニトロ箱」で、触っただけで爆発するというもので、爆弾箱の危険なバージョン。後半になるとステージの至るところで配置され、精神力をガリガリ削り取られる。敵のバリエーションも増え、踏まないとダメ・スライディングじゃないとダメ…など、効果のある攻撃が決まっている敵が増えたので、一瞬の判断ミスが命取りとなる。
 前作は足場で死ぬことが多く、自分の腕と関係なく理不尽に死ぬような感覚に陥りがちだったが、今回は敵やステージ上のギミックによるものが多くなったのでまだ納得できる難しさになった。難しいことには変わりないが。

 大衆向け難易度と言えるかどうかは正直微妙なところだが、さまざまな改良によって遊びやすくなったことは確かで、死んで覚える系のちょっと歯ごたえあるアクションゲームとしてはなかなか上質。