リッジレーサー
●概要
ナムコが1993年にアーケードの大型筺体としてリリースしてヒットした同名レースゲームのPS移植タイトルであり、TAMA・クライムクラッカーズなどと並ぶ初代PSのローンチタイトルソフト。
業界初のテクスチャーマッピング採用による当時最先端のグラフィック・直線スピードとほぼ同速度でドリフト疾走する快感。高速コーナーを曲がった後に開ける海・海辺のリゾート地を走り抜ける、アップダウンの激しいコース。今も続く「リッジらしさ」はここから生まれた。
自分のリッジシリーズはレイジレーサーから始まっていてこの初代をプレイしたのが相当後だったため、アーケードも未プレイ(自分のいた頃はもうレイブレーサーしかなかったと思う)。
●ゲームメニュー
メニューは最低限で、4つのコースを選んでスタートするのみ。コースは初級・中級・上級の3種類で、4つ目のT.T.(タイムトライアル)はライバルカーと1vs1で戦うモード。初級と中級が同じコース・上級とT.T.が同じコースなので、実質コースは2つ。初級160km/h・中級200km/hなどコースによって最高速度が決まっており、初級はコース・速度ともに簡単。中級はコースは簡単だが速い・上級はコースが難しく車も速い、といった分かれ方。全コースを1位でクリアすると、シリーズおなじみとなった逆走コース(エキストラモード)がプレイ可能になる。
選べる車はスタート時4種類、ゲームスタートのロード時間中にプレイできる「ギャラクシアン」でパーフェクトを取ると敵車として登場している8種類が追加され12種類、エキストラモードで現れる黒い車に勝つと入手できるデビルカーの計13種類。
●音楽
リッジシリーズと言えば、音楽を外すことはできない。今作は細江慎治氏・佐宗綾子氏・佐野信義氏の3名が作曲を担当。路線は作品ごとに変更されているが、どの作品も素晴らしい曲が揃っている。曲として驚きだったのはROTTERDAM NATIONだけど、プレイしていて壮快なのはやっぱりRIDGE RACERなんだよな…とか。
●壮快なプレイ感・遊び心
久々にプレイすると、こんなにグリップ効いたっけ?くらい良く曲がる。グリップタイプのマシンを使うと、ほとんどのヘアピンをドリフトなしで抜けられるというあたりもらしいところか。新しいゲームほどここまでグリグリ曲がってくれるゲームが少なくなるので、曲がりすぎてぶつかるというのがちょっと懐かしい感覚。
秒間30フレームの動きは今見るとそれほどでもないが、コース自体の安定の面白さに加え、ドリフトの快適さと猪突猛進気味に攻めてくる敵車との掛け合いがなかなかに楽しい。特に、インを猛スピードで突っ切ってくるライバルカーの凄まじい動きは今見ても面白い。
ゲームスタート時のロード時間以外はほとんどロードを感じず、そのスタート時もギャラクシアンをプレイさせることで待ち時間を感じさせないことに成功。STARTを押してからレーススタートまでは本当に一瞬で、サクサクプレイできる。ロード時間が長いと散々言われたディスクメディアにおいて、このレスポンスの良さは驚異的だ。
ちなみに、このロード時間中のミニゲームは後にナムコゲーの定番となり、リッジシリーズはもちろんのこと、ワールドスタジアムシリーズなどでも採用された。
ロード時ミニゲームもそうだが、オープニングの旗が動かせたり、逆走して壁に突っ込むとミラーコースがプレイできたり、コース序盤に置いてあるゼブラ板?がエクストラになると赤いコーンに変わってたりとか、細かい遊び心も面白い。
●総評
グラフィックは粗いが、それ以外に古さを感じない。ゲームメニューが少ないのでとことんタイムアタックを楽しむというプレイになるだろうが、驚異的なレスポンスの良さがそれを後押ししてくれる。昨今のリアル仕様とは違った爽快感を今でも十分に楽しめる、さすがの出来としか言いようがない。次世代機としての実力をいかんなく発揮した作品。